院長の一言

院長の一言
平成 21 年 3 月号の東三河情報誌「はなまる 3 月号広告」に、「院長からの一言」が掲載されました。
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結婚をしていて、妊娠をしようとして 1 年以上経っても妊娠しない場合を、不妊症と呼びます。不妊症の一
般的な検査をしていても約 35%以上のカップルには異常が見つかりません。これは、正常なのではなく、肉
眼での検査を行っても異常が見つけられないのです。従来の検査法で異常が見つからない不妊症が本当の意
味で難治性の不妊症である事を記憶しておいて下さい。
不妊症の検査に関して、一般的に勘違いされている重要なポイントです。この点をしっかり理解して頂けれ
ば、不妊治療がもっと簡単明瞭になると考えております。
この件に対する解説は、以下の如くです。
一般的な不妊症の検査は、当院のホームページの本文にも有るように、子宮卵管造影、受胎指導(排卵の確
認、フーナーテスト)、排卵後 7 日目のホルモン検査等を行います。
子宮卵管増造影にて卵管に通過障害が無く、その後の受胎指導にて卵胞が破裂しその前後のフーナーテスト
(御主人の精子が子宮の入り口をしっかり上るかを調べる検査)が良好で、排卵後の血中ホルモンが正常な
場合、一般的な不妊症検査にて異常なしという結果になります。
その結果から医学的に推測される事は、以下の如くです。
1. 今まで普通に夫婦生活をしたにもかかわらず妊娠していない事が、今後も同様に受胎指導したとして
も妊娠する事はない事を逆に証明している事になります。
2. 卵管が、通過していて排卵する前後に御主人の精子が子宮の中に上って行っているにもかかわらず妊
娠しないという事は、何らかの原因で卵子と精子が出会っていない事や、卵子が受精していても受精
卵が正常に育たない事が考えられます。
3. その卵子と精子が出会えない理由は、「卵胞の中に卵子が存在しない、卵胞の中から卵子が卵胞の外
へ出ない、卵子が卵胞の外へ出たとしても卵管の中にピックアップされない、卵管の中に卵子が入っ
たとしても卵子と精子が受精しない。
」等の事が考えられます。
4. 受精卵が、正常に育たない理由は、受精卵の年齢的な寿命や、受精卵の染色体の異常が考えられます。
一般的な不妊症の検査で異常が無く受胎指導にて妊娠しないカップルは、このまま受胎指導をしたとしても
妊娠することが困難である危険性が高いと考えられます。
では、原因不明不妊症の原因は、どの様な検査をして調べれば良いのでしょうか。
それは、目に見えない所が原因(上記項目 3.4.
)と考えられますから、体外受精を行う事によりその原因
が解明されます。体外受精では、肉眼では確認出来ない卵子の存在を確認し、肉眼では見ることの出来ない
受精の状態を観察し、受精卵の発育を観察する事が可能です。そして、結果的に 21 世紀の初頭の医学的水準
で治療が可能な不妊症々例が妊娠出来るという事になります。
つまり、一般的な不妊症の検査では、3 組に 1 組以上のカップルは、診断が不可能であり、そのカップルが、
真の意味での難治性不妊症例である危険性が高いという事になる訳です。
その他の不妊症の検査・治療に関するポイントとなる助言ついては、今後の(はなまる広告)に掲載する「院
長からの一言」に追記して行く予定です。宜しく御覧下さい。