経営者の景気見通し (平成 27 年 6月調査) 月

経営者の景気見通し(平成 27 年 6 月調査)
北陸経済研究所では平成 27 年 6 月上旬に北陸 3 県の主要企業に対して経営者の景気見通しをアンケー
ト調査しました。その結果を「北陸経済研究」8 月号で発表します。
[要約]
1.27 年上期の業況判断は「改善」
平成 27 年上期(1~6 月)の業況が、26 年下期(7~12 月)と比較して「良くなった」と判断している
企業の割合は 32.8%、
「変わらない」と判断している企業の割合は 36.0%、
「悪くなった」と判断している
企業の割合は 31.2%であった。業況判断 BSI は 1.6 であり、前回調査結果(▲6.3)と比較して 7.9 ポイン
ト上昇し、良くなった企業数が悪くなった企業数を上回った。業況判断は改善したと言える。内訳をみる
と、大企業では良くなったと答えた企業の方が多く BSI がプラスになったのに対し、中小企業では悪くな
ったと答えた企業の方が多かった。
2.27 年下期の業況見通しは「改善」
27 年下期の見通しについては、良くなると判断した企業の割合が 35.8%、変わらないと判断した企業の
割合が 43.5%、悪くなると判断した企業の割合が 20.6%であり、業況見通し BSI は 15.2 となった。27 年下
期の業況は改善するとの見通しである。
3.27 年下期の経営における懸念事項
27 年下期の懸念事項は、
「国内の経済環境」が最多で 48.9%、「人手不足・従業員の能力不足」が 2 番
目に多く 43.3%、
「原材料価格・エネルギーコスト」が 3 番目に多く 37.7%であった。前回と比べると国
内経済や原材料価格・エネルギーコストを懸念する回答が減った一方で、人手不足を懸念する声が多くな
った。
4.円安の経常損益への影響は「マイナス」
円安の経常損益への影響は、
「影響なし」とする回答が 65.0%で最多であったが、円安がプラスになる
企業(15.0%)よりもマイナスとなる企業(19.9%)の方が多かった。円安は北陸の企業の損益にとって
マイナスである。ただし、大企業に限れば円安がプラスになる企業の方が多かった。
5.賃金は多数の企業で引上げ
賃金の引き上げを行うと回答した企業が全体の 81.5%であった。北陸の多数の企業で賃上げが行われて
いる。なお、ベースアップを行った企業は全体の 48.9%であった。
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北陸経済研究所
6.半数以上の企業で正社員が不足
正社員が不足もしくはやや不足と答えた企業は合計で 50.3%であった。北陸の企業において人手不足が
深刻になっている。業種別では非製造業で不足していると答えた企業が多かった。
7.北陸新幹線は 3 割弱の企業にプラス効果
北陸新幹線開業が業況にプラスになったと回答した企業は 28.3%であった。影響なしは 71.1%、マイ
ナスの影響があったのは 0.6%であった。非製造業でプラスの効果があった企業が多く 38.0%であった。
製造業では 17.6%がプラスと答えた。なお、福井県では影響がないという声が多かった。
今回調査の概要
目
的
:
北陸の企業における半期ごとの業況
など動向調査
BSI とは
調 査 方 法 :
郵送によるアンケート調査
BSI(Business Survey Index)は、前期と比較
調 査 時 期 :
平成 27 年 6 月上旬
した変化方向別の回答者数構成比から先行きの
調査対象先:
北陸 3 県内の主要企業 499 社
経済動向を予測する方法で、次のように算出す
(銀行業、保険業を除く)
る。
有効回答数:
315 社(回答率 63.13%)
回答企業の内訳:
(産業別)
製
造
業
建
設
業
41
「変わらず」と回答した企業の構成比……②
卸・小売業
50
「悪くなった」と回答した企業の構成比…③
サービス業
ほ
(規模別)
(地区別)
大
か
企
151 社
「良くなった」と回答した企業の構成比…①
(なお、①+②+③=100%)
73
業
73
中 小 企 業
242
富
山
県
140
BSI がプラスならば全体として業況は好転して
石
川
県
109
おり、マイナスならば全体として悪化していると
福
井
県
66
BSI=①-③
いうことになる。
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[調査内容及び集計表]
1.27 年上期(1~6 月)の業況判断
○26 年下期(7~12 月)と比較して、
「良くなった」と判断している企業の割合は 32.8%、「変わらない」
と判断している企業の割合は 36.0%、
「悪くなった」と判断している企業の割合は 31.2%であった。業況
判断 BSI は 1.6 であり、北陸の企業の業況はわずかながら改善傾向にある。
○業種別では製造業の業況判断 BSI は 2.7、非製造業は 0.6 で、製造業がやや改善の傾向が強い。ただし、
両業種とも大企業は BSI が 25 を超えているのに対し、中小企業はマイナスとなっており、悪くなった
と答えた企業の方が多い。理由は明確ではないが、円安の影響が原因の一つと推定される。
○前回の業況判断 BSI と比較すると、
全産業では上昇。業種別でも非製造業の中小企業を除いて上昇した。
27 年 1~6 月の業況判断
全産業(N=311)
製造業(N=1149)
大企業(N=34)
中小企業(N=115)
非製造業(N=162)
大企業(N=39)
中小企業(N=123)
良くなった
(%)
32.8
34.2
44.1
31.3
31.5
41.0
28.5
業況判断 BSI の推移(業種・規模別)
変わらない
(%)
36.0
34.2
38.2
33.0
37.7
43.6
35.8
悪くなった
(%)
31.2
31.5
17.6
35.7
30.9
15.4
35.8
BSI
1.6
2.7
26.5
▲ 4.4
0.6
25.6
▲ 7.3
26年上期 26年下期
全産業
製造業
大企業
中小企業
非製造業
大企業
中小企業
14.8
18.2
7.7
20.3
11.2
20.8
6.3
▲ 6.3
▲ 9.3
▲ 6.5
▲ 10.0
▲ 3.5
▲ 7.5
▲ 2.3
27年上期
見通し
結果
0.3
1.6
4.4
2.7
29.0
26.5
▲ 1.6
▲ 4.4
▲ 3.5
0.6
17.5
25.6
▲ 10.0
▲ 7.3
(注)端数処理の関係から合計が 100%にならないことがある。
2.27 年下期の業況見通し
○27 年上期と比較して「良くなる」と判断した企業の割合が 35.8%、「変わらない」と判断した企業の割
合が 43.5%、
「悪くなる」と判断した企業の割合が 20.6%であり、業況見通し BSI は 15.2 となった。
○業種別では、製造業の業況見通し BSI は 23.9 だが、非製造業は 7.3 であり、非製造業はやや慎重であ
る。非製造業の中でも大企業の BSI は 28.2 であるが、中小企業は 0.8 である。原因は不明だが、人手
不足や北陸新幹線効果の違いが理由の一部と思われる。
27 年 7~12 月の業況変化の見通し
全産業(N=310)
製造業(N=147)
大企業(N=33)
中小企業(N=114)
非製造業(N=163)
大企業(N=39)
中小企業(N=124)
良くなる
変わらない
(%)
(%)
35.8
43.5
39.5
44.9
42.4
45.5
38.6
44.7
32.5
42.3
48.7
30.8
27.4
46.0
悪くなる
(%)
20.6
15.6
12.1
16.7
25.2
20.5
26.6
BSI
15.2
23.9
30.3
21.9
7.3
28.2
0.8
(注)端数処理の関係から合計が 100%にならないことがある。
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北陸経済研究所
3.経常損益水準
○27 年上期の経常損益水準は、黒字が 64.3%、収支とんとんが 24.2%、赤字が 11.5%であり、経常損益
BSI は 52.8 であった。前回(BSI は 51.0)よりやや上昇した。
○業種別では製造業の経常損益 BSI は 49.3 だが、
非製造業は 56.1 であり、非製造業の方が収益性が高い。
規模別に細分すると、大企業では製造業の収益性が非製造業より高いが、中小企業は非製造業の方が製
造業より高い。中小企業の前々回以降の推移では、非製造業の BSI はいったん下落したが今回は回復。
消費税増税の影響終息や北陸新幹線効果が理由と考えられる。中小企業の製造業は下落が続いており、
原材料価格の高騰が理由と思われる。
27 年 1~6 月の経常損益水準
全産業(N=314)
製造業(N=150)
大企業(N=34)
中小企業(N=116)
非製造業(N=164)
大企業(N=39)
中小企業(N=125)
黒字
(%)
64.3
62.0
82.4
56.0
66.5
69.2
65.6
経常損益 BSI の推移(業種・規模別)
とんとん
(%)
24.2
25.3
8.8
30.2
23.2
28.2
21.6
赤字
(%)
11.5
12.7
8.8
13.8
10.4
2.6
12.8
BSI
26年上期 26年下期
52.8
49.3
73.6
42.2
56.1
66.6
52.8
全産業
製造業
大企業
中小企業
非製造業
大企業
中小企業
59.1
62.7
65.4
62.2
55.2
60.4
52.6
51.0
54.0
74.2
49.2
48.2
55.0
46.2
(注)端数処理の関係から合計が 100%にならないことがある。
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北陸経済研究所
27年上期
見通し
結果
49.4
52.8
51.2
49.3
80.6
73.6
44.2
42.2
47.6
56.1
70.0
66.6
40.8
52.8
4.27 年 7~12 月期の懸念事項
○全産業では「国内の経済環境」が最多で 48.9%、
「人手不足・従業員の能力不足」が 2 番目に多く 43.3%、
「原材料価格・エネルギーコスト」が 3 番目に多く 37.7%であった。
○製造業では「国内の経済環境」が最多の 46.2%、次に多いのが「原材料価格・エネルギーコスト」で
42.8%、3 番目が「他社との競合」で 31.7%であった。規模別では、大企業で前述の 3 項目に加えて「海
外の経済環境」が多い。非製造業で「人手不足・従業員の能力不足」が多い。製造業の特徴として「原
材料・エネルギーコスト」という回答が多い。また、「人手不足・従業員の能力不足」も非製造業ほど
ではないが、回答率を考えると課題としている企業が多い。
○非製造業では「人手不足・従業員の能力不足」が最多で 54.4%、2 番目に多いのが「国内の経済環境」
で 51.3%、3 番目は「他社との競合」で 40.6%であった。規模別では、大企業は非製造業全体と同様
の結果だが、
「人手不足・従業員の能力不足」が特に多く 71.8%に達した。中小企業では「国内の経済
環境」が最多であった。
○前回の調査と比べると、「国内の経済環境」という回答が減少した。以前最多の回答だが、消費税増税
などを原因とした景気後退懸念が和らいできたものと思われる。一方で増加した解答は「人手不足・従
業員の能力不足」であり、その業種や規模でも増加しているが、大企業の増加率が大きい。中小企業よ
り採用において有利な大企業でも人手不足が問題となっている。
経営上の懸念事項(27 年 7~12 月)
(%)
全産業 製造業
非製造業
(N=305) (N=145) 大企業 中小企業 (N=160) 大企業 中小企業
(N=33) (N=112)
(N=39) (N=121)
国内の経済環境
① 48.9 ① 46.2 ① 42.4 ① 47.3 ② 51.3 ② 48.7 ① 52.1
海外の経済環境
18.7
30.3 ③ 39.4
他社との競合
36.4 ③ 31.7 ① 42.4
27.7
外国為替相場(円高)
人件費
14.1
24.1
9.1
7.7
8.3
28.6
33.1
33.3
33.1
5.0
5.1
5.0
3.6
4.1
9.1
2.7
3.1
5.1
2.5
19.3
15.2
12.1
16.1
23.1
35.9
19.0
人手不足・従業員の能力
② 43.3
不足
(参考)経営上の懸念事項(27 年 1~6 月)
28.6 ③ 40.6 ③ 38.5 ③ 41.3
原材料価格・エネルギー
③ 37.7 ② 42.8 ③ 39.4 ② 43.8
コスト
外国為替相場(円安)
8.1
(%)
全産業 製造業
非製造業
(N=327) (N=159) 大企業 中小企業 (N=168) 大企業 中小企業
(N=30) (N=129)
(N=40) (N=128)
国内の経済環境
15.0
27.0 ③ 46.7
22.5
3.6
他社との競合
32.4
25.8
24.8
38.7
33.3 ③ 30.4 ① 54.4 ① 71.8 ② 48.8
国内における法令・規制
4.6
6.2
9.1
5.4
3.1
2.6
3.3
海外における法令・規制
0.7
1.4
0.0
1.8
0.0
0.0
0.0
新技術・製品・サービス
開発
16.1
22.8
27.3
21.4
10.0
10.3
9.9
資金調達
2.6
3.4
3.0
3.6
1.9
0.0
2.5
その他
1.0
0.0
0.0
0.0
1.9
2.6
1.7
30.0
0.0
外国為替相場(円高)
20.2 ③ 32.1
30.0 ③ 32.6
4.7
30.0 ② 41.4
原材料価格・エネルギー
② 46.2 ② 53.5 ② 53.3 ② 53.5 ② 39.3 ③ 42.5
コスト
外国為替相場(円安)
31.0
① 64.8 ① 64.8 ① 66.7 ① 64.3 ① 64.9 ① 77.5 ① 60.9
海外の経済環境
8.9
17.5
38.3
6.3
1.8
2.5
6.7
1.6
1.2
0.0
1.6
17.4
10.7
10.0
10.9
23.8
27.5
22.7
人手不足・従業員の能力
③ 38.5
不足
27.9 ② 51.8 ② 55.0 ② 50.8
人件費
24.5
10.0
国内における法令・規制
2.8
1.3
3.3
0.8
4.2
5.0
3.9
海外における法令・規制
0.6
1.3
0.0
1.6
0.0
0.0
0.0
新技術・製品・サービス
開発
11.9
17.0
16.7
17.1
7.1
12.5
5.5
資金調達
3.4
3.8
0.0
4.7
3.0
5.0
2.3
その他
3.7
2.5
6.7
1.6
4.8
2.5
5.5
(注)1.左表は今回の調査結果であり 27 年 7~12 月の懸念事項。右表は前回調査結果。
2.複数回答であり、表中の数値は回答企業数に対する百分率。
3.①、②、③は分類別の順位。
5.外国為替相場
○全産業では、円安の経常損益への影響はプラスが 15.0%、影響なしが 65.0%、マイナスが 19.9%であ
った。影響なしが最も多いが、プラスよりもマイナスの企業が多く、円安影響 BSI(プラスの企業の割
合とマイナスの企業の割合の差)は▲4.9 となった。
○製造業、非製造業とも大企業は円安がプラスとなる企業がマイナスとなる企業よりも多く、BSI がプラ
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北陸経済研究所
スの数値となったのに対し、非製造業ではマイナスとなる企業が多かった。
○前回調査では 1 ドル 110 円という基準を提示して経常損益への影響を質問したが、前回より米ドルに対
して円安になっているのもかかわらず BSI は上昇した。理由として、原油価格の下落、企業の円安対策
の進展、ユーロに対する円高、海外からの観光客の増加による円安のメリットを受ける企業の増加など
が考えられる。
円安の経常利益への影響
全産業(N=306)
製造業(N=146)
大企業(N=32)
中小企業(N=114)
非製造業(N=160)
大企業(N=39)
製造業(N=146)
プラス
(%)
15.0
19.9
34.4
15.8
10.6
12.8
9.9
円安影響 BSI の推移
影響なし
(%)
65.0
50.7
50.0
50.9
78.1
76.9
78.5
マイナス
(%)
19.9
29.5
15.6
33.3
11.3
10.3
11.6
30
20
10
0
▲ 10
▲ 20
▲ 30
▲ 40
▲ 50
BSI
▲ 4.9
▲ 9.6
18.8
▲ 17.5
▲ 0.7
2.5
▲ 1.7
16.7
18.8
2.5
▲ 4.9
▲ 24.9
▲ 1.7
▲ 0.7
▲ 9.6
▲ 17.5
▲ 27.2
▲ 22.6
▲ 16.2
▲ 24.6
26年下期
27年上期
▲ 37.5
全
産
業
製
造
業
(
う
ち
大
企
業
)
(
う
ち
中
小
企
業
)
非
製
造
業
(
う
ち
大
企
業
)
(
う
ち
中
小
企
業
)
(注)端数処理の関係から合計が 100%にならないことがある。 (注)26 年度下期の質問は 1 ドル 110 円を超える円安の
経常損益への影響である。
6.賃金の引き上げ
○27 年 4 月からもしくはその後に始まる事業年度から賃上げを行う(予定)と回答した企業が全体の
81.5%であった。業種、規模別では製造業の大企業が最も多く 94.1%が賃上げを行うが、最低の非製
造業の中小企業でも 77.4%が賃上げするなど、北陸の多数の企業で賃上げが行われている。
○賃上げの手法としては、図表のとおりである。なお、ベースアップを行った企業は全体の 48.9%であっ
た。中小企業の業況判断 BSI がマイナスであるにも関わらず賃上げを行っているのは、深刻な人手不足
という要因が大きいと思われる。
賃金の引上げ実施の有無
賃上げ実施
(する予定)
全産業(N=314)
81.5
製造業(N=151)
85.4
大企業(N=34)
94.1
中小企業(N=117)
82.9
非製造業(N=163)
77.9
大企業(N=39)
79.5
中小企業(N=124)
77.4
賃金引上げの方法
据え置き
17.8
14.6
5.9
17.1
20.9
20.5
21.0
(%)
賃下げ実施
(予定)
0.6
0.0
0.0
0.0
1.2
0.0
1.6
(注)1.端数処理の関係から合計が 100%にならない
ことがある。
2.27 年 4 月またはその後に始まる事業年度から
賃金を引上げするかどうか。
3.予定を含む。
(%)
賃上げ実施
賞与・ボーナ 一部社員の
ベースアップ 定期昇給
(再掲)
スの増額
賃上げ
60.0
89.2
57.1
58.2
全産業
81.5
(48.9)
(72.7)
(46.6)
(47.4)
60.9
92.0
55.3
50.4
製造業
85.4
(52.0)
(78.6)
(47.2)
(43.1)
73.3
96.8
50.0
50.0
大企業
94.1
(69.0)
(91.1)
(47.1)
(47.1)
56.5
90.4
57.0
50.6
中小企業
82.9
(46.8)
(75.0)
(47.2)
(41.9)
59.2
86.2
59.1
55.1
非製造業
77.9
(46.1)
(67.2)
(46.0)
(43.0)
60.7
96.7
63.0
48.1
大企業
79.5
(48.3)
(76.8)
(50.0)
(38.3)
58.7
82.6
57.8
57.5
中小企業
77.4
(45.4)
(63.9)
(44.8)
(44.5)
(注)上段は賃上げを行う企業に占める各賃上げ方法の割合。下段
(カッコ内)は全回答企業に占める割合。ただし賃上げを
行うと回答したが方法については無回答の企業を除いてい
る。
6/8
北陸経済研究所
7.新卒採用
○27 年 4 月入社の採用実績は「計画を上回って採用」が 5.8%、
「ほぼ計画通り採用」が 48.1%、
「計画を
下回って採用」が 17.9%、
「計画はあったが採用に至らず」が 6.4%、
「当初から採用計画なし」が 21.8%
であった。大企業では計画通り採用できた企業が多いのに対し、中小企業では「計画を上回って採用」
や「計画はあったが採用に至らず」との回答が多く、採用できる機会に多めに採用した企業や獲得競争
に敗れて採用できなかった企業が多かったようである。
○28 年 4 月入社の採用予定は「今年度実績を上回って採用予定」が 21.0%、
「今年度実績並みの採用予定」
が 32.6%、
「今年度実績を下回って採用予定」が 6.5%、
「人数は未定だが採用予定」が 15.8%、
「採用
するかどうか未定」が 10.6%、
「採用しない予定」が 13.5%であった。調査時期が異なる(12 月→6
月に変更)ものの、前年や前々年の調査より「今年度実績を上回って採用予定」との回答が増加してお
り、企業の採用意欲が強まっている。
27 年 4 月入社の新卒採用実績
新卒採用実績の推移
(%)
計画はあっ
計画を上
ほぼ計画通 計画を下
当初から採
たが採用に
回って採用 り採用
回って採用
用計画なし
至らず
全産業(N=312)
5.8
48.1
17.9
6.4
21.8
製造業(N=148)
5.4
53.4
17.6
4.1
19.6
大企業(N=33)
3.0
75.8
21.2
0.0
0.0
中小企業(N=115)
6.1
47.0
16.5
5.2
25.2
非製造業(N=164)
6.1
43.3
18.3
8.5
23.8
大企業(N=39)
5.1
59.0
30.8
0.0
5.1
中小企業(N=125)
6.4
38.4
14.4
11.2
29.6
(%)
平成25年度
入社
3.6
(N=280)
52.1
13.9
5.0
25.4
計画を上回って採用
ほぼ計画通り採用
26年度
4.0
(N=329)
52.3
14.9
5.2
23.7
計画を下回って採用
計画はあったが採用に至らず
27年度
(N=312)
5.8
48.1
17.9
6.4
21.8
当初から採用計画なし
0%
(注)端数処理の関係から合計が 100%にならないことがある。
20%
40%
60%
80%
100%
(注)端数処理の関係から合計が 100%にならないこと
がある。
28 年度 4 月入社の新卒採用予定
新卒採用予定の推移
(%)
今年度実績 今年度実績 今年度実績 人数は未定
採用するか 採用しない
を上回って 並みの採用 を下回って だが採用予
どうか未定 予定
採用予定
予定
採用予定
定
全産業(N=310)
21.0
32.6
6.5
15.8
10.6
13.5
製造業(N=147)
20.4
38.1
6.8
12.9
9.5
12.2
大企業(N=33)
27.3
54.5
9.1
3.0
6.1
0.0
中小企業(N=114)
18.4
33.3
6.1
15.8
10.5
15.8
非製造業(N=163)
21.5
27.6
6.1
18.4
11.7
14.7
大企業(N=39)
28.2
41.0
7.7
17.9
5.1
0.0
中小企業(N=124)
19.4
23.4
5.6
18.5
13.7
19.4
13.5
平成26年度入社
(N=281)
18.9
30.6
8.2
(%)
10.7
18.1
今年度実績並みの採
用予定
11.9
27年度
(N=328)
18.0
33.8
11.6
4.6
今年度実績を下回って
採用予定
20.1
人数は未定だが採用
予定
15.8
28年度
(N=310)
21.0
32.6
6.5
今年度実績を上回って
採用予定
10.6 13.5
採用するかどうか未定
採用しない予定
0%
(注)端数処理の関係から合計が 100%にならないことがある。
20%
40%
60%
80%
100%
(注)26 年度入社および 27 年度入社については前年 12
月調査にて質問。平成 28 年度入社は前年 6 月調査
で質問したもの。
8.人員の過不足
○正社員の過不足について、
「不足」と答えた企業が 6.4%、「やや不足」は 43.9%、「適正」が 41.1%、
「やや過剰」が 8.0%、
「過剰」が 0.6%である。非製造業では大企業、中小企業を問わず「不足」と「や
や不足」の合計が半数以上を占めており、人手不足がより深刻である。製造業は大企業では「適正」が
7/8
北陸経済研究所
67.6%と多く、中小企業でも「不足」
、
「やや不足」が半数に満たず、人手不足は非製造業ほどではない。
人手不足 BSI(BSI={
「不足」
(%)+「やや不足」
(%)
}-{「やや過剰」
(%)+「過剰」
(%)}
)を
算出して前々回調査(1 年前)と比べると、どの業種や規模でも人手不足感が強まっている。
○非正社員では、
「不足」が 3.9%、
「やや不足」が 15.3%、
「適正」が 77.2%、
「やや過剰」が 3.6%、
「過
剰」という回答はなかった。正社員と比べると不足感は強くないものの、2 割弱の企業が「不足」
、
「や
や不足」と回答している。
正社員の過不足
全産業(N=314)
製造業(N=151)
大企業(N=34)
中小企業(N=117)
非製造業(N=163)
大企業(N=39)
中小企業(N=124)
正社員人手不足 BSI の推移
不足
やや不足
6.4
43.9
2.6
39.1
5.9
20.6
1.7
44.4
9.8
48.5
20.5
43.6
6.5
50.0
適正
やや過剰
41.1
8.0
49.0
8.6
67.6
5.9
43.6
9.4
33.7
7.4
28.2
5.1
35.5
8.1
(%)
過剰
0.6
0.7
0.0
0.9
0.6
2.6
0.0
60
50
40
30
20
10
0
41.7
36.5
50.3
44.0
35.8
32.8
32.4
29.4
全産業(N=281)
製造業(N=138)
大企業(N=33)
中小企業(N=105)
非製造業(N=143)
大企業(N=38)
中小企業(N=105)
48.4
42.1
26年上期
20.6
12.0
27年上期
全
産
業
製
造
業
(
う
ち
大
企
業
)
(注)端数処理の関係から合計が 100%にならないことがある。
非正社員の過不足
56.4
47.9
非
製
造
業
(
う
ち
中
小
企
業
)
(
う
ち
中
小
企
業
)
(
う
ち
大
企
業
)
非正社員人手不足 BSI の推移
不足
やや不足
3.9
15.3
2.2
13.0
6.1
9.1
1.0
14.3
5.6
17.5
13.2
26.3
2.9
14.3
適正
やや過剰
77.2
3.6
81.2
3.6
84.8
0.0
80.0
4.8
73.4
3.5
52.6
7.9
81.0
1.9
(%)
過剰
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
60
50
40
30
20
10
0
15.6
15.4
全
産
業
15.2
11.6 13.0
9.5
製
造
業
(注)端数処理の関係から合計が 100%にならないことがある。
(
う
ち
大
企
業
)
10.5
8.8
21.7 19.6
(
う
ち
中
小
企
業
)
非
製
造
業
31.6
25.5
(
う
ち
大
企
業
)
19.6
15.3
(
う
ち
中
小
企
業
)
26年上期
27年上期
9.北陸新幹線
○北陸新幹線開業が業況にプラスになった企業が 28.3%、影響がなかった企業が 71.1%、マイナスの影
響があった企業が 0.6%であった。なお、新幹線が未開通の福井県では影響がなかったとの声が多かっ
たが、福井県に本社があり北陸の他県でも事業を展開する企業で好影響があったという声もあった。
○業種別では、製造業ではプラスになった企業が 17.6%と少ないが、マイナスの影響があった企業は全く
なく、大企業よりも中小企業でプラスになっ
た企業が多い。また、業況への影響がなかっ
北陸新幹線開業の業況への影響
たと答えた企業も含めて、移動の利便性向上
の声が多かった。非製造業では 38.0%がプ
プラス
影響なし マイナス
(%)
(%)
(%)
28.3
71.1
0.6
17.6
82.4
0.0
12.1
87.9
0.0
19.1
80.9
0.0
38.0
60.7
1.2
44.7
52.6
2.6
36.0
63.2
0.8
BSI
や小売業、それらの企業と取引がある卸売業
全産業(N=280)
製造業(N=136)
大企業(N=28)
中小企業(N=108)
非製造業(N=144)
大企業(N=31)
中小企業(N=113)
でプラスとの声が多かった。
(注)端数処理の関係から合計が 100%にならないことがある。
ラスの影響があったと答え、規模別に分類す
る と 大 企 業 で は 44.7 % 、 中 小 企 業 で は
36.0%がプラスだったと答えた。サービス業
8/8
北陸経済研究所
27.7
17.6
12.1
19.1
36.8
42.1
35.2