特願 2013-175612 Selenoprotein P as a target of type 2 diabetes: Development of new therapeutic drug to improve insulin resistance セレノプロテインP (SeP)を標的としたインスリン 抵抗性改善効果のある2型糖尿病治療薬の開発 特願 2012-198464 研究キーワード セレノプロテインP、インスリン抵抗性、 2型糖尿病、インスリンシグナル、 テーラーメイド医療、抗体医薬 通信・情報処理 電気・電子 物理 ・ 計測 機 械 建築・土木 金 属 化 学 農 水 バイオ 生活・社会・環境 医療 ・ 福祉・健康 その他 さい とう よし ろう 斎藤 芳郎 Yoshiro Saito 研究シーズ概要 使用用途 応用例など 備考 生命医科学部 医生命システム学科 セレノプロテインP (SeP) は、必須微量元素セレンを含む血漿蛋白質である。SePは、セレンのトランスポーターであり、 末梢組織にセレンを運搬する働きを持つ。2型糖尿病患者における血漿中のSeP濃度は、健常人に比べて高くなっており、 血中SeP濃度と空腹時血糖などの糖尿病パラメーターと相関する。SePの投与実験から、増加したSePはインスリン抵抗 性を増加し、糖尿病態を悪化すると考えられた。しかしながら、これまで、SePを標的とした2型糖尿病治療薬は開発さ れていない。本研究では、SePのセレン運搬作用を抑制し、インスリン抵抗性を改善する2型糖尿病治療薬の開発を目的 として行い、SePのセレン運搬作用を阻害する阻害抗体を同定した。阻害抗体の認識部位から、SePと細胞の相互作用に 重要な部位を特定した。阻害抗体は、 SeP投与動物におけるインスリン抵抗性の増加を抑制し、 血糖値の低下効果を示した。 SePのセレン運搬作用を阻害することにより2型糖尿病の治療薬とする。既存の2型糖尿病治療薬は、SePを標的とし ておらず既存治療薬と作用機序が異なる。これまでに、糖尿病態におけるインスリン抵抗性の評価診断薬として、SeP 測定系を診断薬として開発している。SeP高値の糖尿病患者にSeP特異的糖尿病薬を投与することで効率の良い治療を 実現することができる(2型糖尿病のテーラーメイド医療を実現する)。 これまでに、SePを標的とした2型糖尿病治療薬は存在しない。SePは、分子内にセレノシステイン(Sec)という形で セレンを含む。Secは終止コドンUGAでコードされ、複数の分子が関与し、ユニークな機構により生合成される。大腸 菌と哺乳動物でも翻訳機構が異なり、そのリコンビナント体の調製は困難である。当研究室では、ヒト血漿からの精製 法を確立しており、SeP研究を行う上で必須のSeP蛋白質を保有し、エピトープの異なる複数の抗体を有している。糖 尿病態におけるインスリン抵抗性の評価診断薬として、SeP測定系を診断薬として開発した実績を持つ。 血漿セレノプロテインPに対する抗体を用いた新規テーラーメイド2型糖尿病治療薬の研究開発 その他 関 連 情 報 ●研究助成:血漿セレノプロテインPに対する抗体を用いた新規テーラーメイド2型糖尿病治療薬の研究開発 研究成果最適展開支援プ ログラムA-STEPフィージビリティスタディステージ探索タイプ 2012年11月〜2013年10月 ●参考文献:H Misu, T Takamura, Y Saito, and S Kaneko et al., (2010) A Liver-Derived Secretory Protein, Selenoprotein P, Causes Insulin Resistance. Cell Metabolism, 12, 483-495、斎藤芳郎 (2009) 血漿セレン含有蛋白質セレノプロテインPに関す る最近の話題 ビタミン、83、662-665 ●関連情報:アルフレッサファーマ株式会社・金沢大学との共同研究により、自動分析器対応型のSeP測定診断薬の開発を行った。診断 薬用の抗体や標準SeP蛋白質は、当研究室の研究資源を活用。診断薬測定系は特許出願済み。独立行政法人科学技術振興機構(JST) ・ 研究成果最適展開支援プログラム A-STEPの助成により、診断薬の開発および実用化に向けた取り組みを展開中。 同志社大学リエゾンオフィス http://liaison.doshisha.ac.jp/ T E L : 0774-65-6223 E-mail : [email protected]
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