②温暖化対策としてのクールアイランド効果等の実証研究

平成17年度
研究課題外部評価結果 (事前評価)
研究課題名
温暖化対策としてのクールアイランド効果等の実証研究
研究実施期間
平成18年度
∼ 平成20年度
1
研
究
概
要
評
価
結
果
委
員
の
意
見
研究背景・目的
近年、都市部の気温が郊外に比較して高くなるヒートアイランド現象が都市生活上の不快さ
だけにとどまらず、地球温暖化等の環境問題として捉えられその対策が各方面で検討されてお
り、本県でも平成16年の夏には、真夏日が23日間と大変暑い日が続くなど、県内の市街地
においてもヒートアイランド現象に類似した現象が起きていると推測されている。
このため、県内のモデル地域において、打ち水や湧水、河川水、下水道処理水等(以下、打
ち水等と言う。)の散水によるクールアイランド効果及びこれに伴うCO 2 の削減効果を試算し、
豊富な富山の水を有効活用した「温暖化防止対策」の一手法の効果について検証する。
2 研究内容
①打ち水等を活用したクールアイランド効果の検証
市町村等の協力を得て、都市近傍の住宅地をモデル地域とし、打ち水等によるクールアイ
ランド効果を温湿度自動測定器(簡易自然通風型シェルター付)等により測定し、その効果の有
効性や効果的な打ち水等の方法について検証する。
②CO2 削減量の試算
夏季のモデル地域内における、クールアイランド効果による家庭用クーラー等の節電効果
を消費電力の違いとして実測する。また、併せてモデル地域内の住民を対象に温暖化に対す
る意識や調査日の家庭用クーラーの稼動状況などについて、総合的なエネルギー使用実態等
をアンケートにより調査する。なお、これらのデータを総合解析し節電効果によるCO2 削減
量の試算を行い、その費用対効果の実用性を検証する。
③地域特性の検討
調査地域については、地理的条件の違う次の3地域を選定し、その地域特性の違いを検討
する。
イ.中規模都市の市街地(高岡市)、ロ.海岸沿岸部の市街地(魚津市)、
ハ.平野部の市街地(砺波市)
総 合
評 価
項目別評価
B
必要性
新規性・独創性
年次計画の適切性
実現の可能性
成果の活用性
b
b
b
b
b
・クールアイランド効果により周辺の気温が下がる結果から、
日本古来の散水、打ち水の効果を見なおし、温暖化防止意識の
向上に活用することを主眼にしたほうが良い。
・地下水が豊富、融雪装置のついている富山ならではの、独創
的な研究である。また、散水が、温度・湿度変化や節電にどの
程度の効果をもたらすのかということについて、散水の仕方や
地域特性と関連させて明確なデータを出しておくことは、今後
の対策の基礎資料として役立つものである。
・打ち水は気分的な要素が大きいと考えられるが、効果を節電
効果にまで求めるとすれば、範囲等(散水時間帯、散水範囲等)
をよく検討する等内容をつめる必要がある。
環
境
科
学
セ
ン
タ
|
の
対
応
・温暖化防止意識の向上に
活用することを主眼に、地
域特性を活かして、研究計
画どおり実施したい。
・効果については、条件な
どを検討の上、研究を進め
たい。
(参考)評価基準
a:極めて高い、適切である。 A:今後十分な研究成果が期待でき、優先的に取組む必要がある。
b:高い、概ね適切である。
B:今後一定の研究成果が期待でき、継続して取組む必要がある。
c:低い、改善の余地がある。 C:今後の見通し等に問題があり、中止を含めた抜本的な見直しが必要である。