京都対象関係論セミナー

京都対象関係論セミナー
The Kyoto Seminar: Object Relations Theory
中間学派とは何かを言うことは困難です。それは2つの学派のいずれ
でもない、という以外に自己規定を持たないからです。むしろ自らの
在りようを他者に委ねながら、その誰でもないという孤立の中にこそ、
中間学派は存在している、と言えるのかもしれません。
それはどこでもないどこかで誰でもない「私」になるという体験です。
本セミナーは文献抄読と事例検討を通してこの体験へと迫ろうとする
ものです。一緒にその豊かさに触れてみませんか。
主催者:工藤晋平(京都大学) 対象:精神分析または精神分析的心理療法を
アドバイザー:北山修(精神分析家) 実践している臨床家
(日本精神分析学会会員であること)
概要:英国対象関係論、特に中間学派について
文献抄読と事例検討を通じて学びます。
定員:20 名
日時:原則毎月第二日曜日
13 時∼17 時
毎年の文献はテーマに沿って集められます。
(前半:論文抄読、後半:事例検討)
フロイト、クライン、フェアベーン、 場所:キャンパスプラザ京都
ウィニコット、ビオン、(〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下る)
ボラス、オグデン、シミントン 会費:1回 3,000 円
など。(10 回 30,000 円)
http://ksort.jp/
手続き
下記の申し込み用メールアドレスに以下の事項を記入の上、メールをお送り下さい。後日、会費の振り込みの手続きに
ついてご連絡します。また、セミナーでは事例提供者も募集しています。事例を提供できる方はメールにその旨ご記入
ください。なお、申し込み人数が多い場合には事例提供可能な方を優先したうえで先着順となります。ご了承ください。
送信先 :[email protected]
タイトル:参加申し込み
内 容 :①お名前、②ご所属、③職種(医師、臨床心理士など)、④ご住所、⑤事例提供希望
締 切 :2015 年 1 月 30 日(金)
スケジュール
4/12
年度テーマ:「対象関係論の展開」
前田重治 「二者心理学の導入−−現代の精神分析へ」 『図説 精神分析を学ぶ』 誠信書房
G・コーホン 「英国における精神分析の歴史に関する覚え書」 『英国独立学派の精神分析―対象関係論の展開』 岩崎学術出版社 (Kohon, G. (Ed.). The British School of Psychoanalysis: The Independent Tradition.)
事例提供:北山修 「あるヒステリーの治療」
5/10
S・フロイト 「喪とメランコリー」 『フロイト全集 14』 岩波書店 (Freud, S. SE XIV.)
S・フロイト 「自我とエス」 『フロイト全集 18』 岩波書店 (Freud, S. SE XIX.)
K・アーブラハム 「心的障害の精神分析に基づくリビドー発達史試論」 『アーブラハム論文集―抑うつ・強迫・去
6/7
勢の精神分析』 (Abraham, K. Selected Papers on Psychoanalysis.)
H・ガントリップ 「理論の拡大と再方向づけ」 『対象関係論の展開』 誠信書房 (Guntrip, H. Psychoanalytic
7/12
Theory, Therapy, and the Self.)
M・クライン「躁うつ状態の心因論に関する寄与」 『メラニー・クライン著作集 3 愛、罪そして償い』 誠信書房
9/20
(Klein, M. Love, Guilt and Reparation: And Other Works 1921-1945.)
M・クライン「分裂的機制に関する覚書」 『メラニー・クライン著作集 4 妄想的・分裂的世界』
誠信書房 (Klein, M. Envy and Gratitude.)
10/11 R・フェア ベ ーン 「対 象 関 係 から見 た 内 的 精 神 構 造」 『人 格 の 精 神 分 析 学 的 研 究』 (Fairbairn, W. R. D.
Psychoanalytic Studies of the Personality.)
D・ウィニコット 「移行対象と移行現象」、
「情緒発達との関連でみた攻撃性」 『小児医学から精神分析へ―ウィニ
11/8
コット臨床論文集』 (Winnicott, D. W. Through Paediatrics to Psycho-Analysis: Collected Papers.)
12/20 D・ウィニコット 「対象の「使用」について」 『ウィニコット著作集 7 精神分析的探究 2』 (Winnicott, D. W.
Psycho-analytic Explorations.)
T・オグデン 「分 析の第 三 主 体 ― 間 主 体の臨 床を考える」 『「あいだ」の空 間 ― 精 神 分 析の第 三 主 体』 1/10
(Ogden, T. H. Subjects of Analysis.)
C・ボラス 「変形性対象」 『対象の影』 誠信書房 (Bollas, C. The Shadow of the Object.)
2/14
G・コーホン 「逆転移−−独立学派の見解」 『英国独立学派の精神分析』 岩崎学術出版社 (Kohon, G. (Ed.).
The British School of Psychoanalysis: The Independent Tradition.)
進め方
文献抄読ではあらかじめ日本語文献を読んだうえで、セミナーにおいて論文の内容と臨床的理解とについて検討します。
できれば原典(英語)もあわせてお読み下さい。事例検討においては、事例の概要と直近の数セッションの記録を提示
していただき、療法の進め方、理解の仕方について参加者全員で検討します。第1回目は北山先生の発表です。