平成23年6月号 尿検査

あんず通信
平成 23 年 6 月号
東日本大震災より、約 3 ヶ月、遅くなりましたが、心より、お悔やみ、お見舞い申し
上げます。今回の震災では、お薬手帳が活躍しました。掛かり付け医も被災して休診時、
他の診療している病院、医院を受診した際、お薬手帳を持参することで、全く同じ薬で
無くても、同じ成分、効果の薬を、処方されて、安堵された方は多いと思います。災害
は、二度と起きてほしくありませんが、お薬手帳は今後も、大事に管理してください。
◎ 尿検査について
学校や、職場の検診時、カップに取った尿に、試験紙を浸す、簡易尿検査、今回は、糖
タンパク、潜血について少しご紹介します。数値は、製造メーカーによって違いがあり
ますので、実際の検査では、使用したメーカーの、表を参照しています。
○ 尿糖:陰性(-)であること。
血液中の糖分(ブドウ糖)は脳をはじめ、体の大事なエネルギー源である為、ほぼ 100%
腎臓で、尿中より回収されて、尿中に糖分が出ることはまず無い。しかし、血液中の
糖分が 170~180mg/dl以上になると、腎臓の能力をオーバーし、回収しきれなかっ
た分が、尿中に出てくる、いわゆる糖尿病である。大体、1+で 150mg前後、2+で
350mg前後、3+で 1000~2000mgが、オーバー分として、尿中に出てきてることに
なります。
○ 尿蛋白:陰性(-)であること
健康な人でも、1 日 50~100mgは、老廃物として、尿中に排泄されています。また、
疾病が無くても、過激な運動、極度の寒さ、興奮、ストレス、便秘、妊娠でも陽性と
なることがある。大体、1+で 100mg、2+で 200mg前後、3+で 300mg以上とい
われるが、オーバー分の糖と違い、概ね、疾病の軽傷~重傷度による。
疑われる主な疾病:腎炎(急性、慢性)
、ネフローゼ、腎硬化症など。
○ 尿潜血:陰性(-)であること、単純に(+):プラスか(-):マイナスかだけ
腎臓、尿管、膀胱など、尿に係る臓器に損傷があると、尿中に血液が混入するため陽
性となる、大量の場合肉眼でもわかる。1 番分かり易く、かつ最も多い疾病が膀胱炎(特
に女性に多い)。他に、腎、尿管の結石(大体が痛みを伴う)。腎炎、腎臓や膀胱の腫
瘍(初期は自覚症状ないので厄介)などです。
いずれも、再検査の指示が出たら、速やかに受診することが大事です。病気も、災害
も、我々の都合にあわせて待っていてはくれませんので、ご留意の程を。