第13回(14plpc_13,約861KB)

担当:大谷 宗啓
2014年度
(前回までのPDF)⇒
http://www.re2.sakura.ne.jp/14plpc/
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• 公欠者への支援をお願いします。
前回の振り返り
学習過程の心理学
学習過程の心理学C
心理学
第 13回
『性格』
再配布版(2015.01.12更新)
• 等周長面積対比較課題の解題
• 記憶とは
• 実験
>前回スライド
>前回スライド
>前回スライド
• 記憶の分類
>前回スライド
• 憶える,忘れる
>前回スライド
Rカードから_1(マジカルナンバー)
• 「“4桁なんて簡単に覚えられるやん!7桁でも覚
えられた!”と思っていたけれど,ひこにゃんの画
像と音楽が流れただけで,たった2桁・・・」
• 「何故か8桁に・・・。ながら勉強の怖さが・・・」
• 「しかし,音楽を聞きながらの勉強で受験を切り抜
けられたのはなぜだろう」
• 「彦根で毎日聞いていたためか影響は少なかった」
• 「電車通学中,イヤホンで音楽を聞きながら単語を
覚えていましたが・・・リラックスできたから? 」
Rカードから_2
• 「それまでは全問正解だったのに・・・と少し
ひこにゃんをにらみました」
• 「今回ほど,ひこにゃん音頭が嫌になったときはあ
りません」
• 「数字7桁のやつでは無意識にかたまりを作ってい
た」,「リズムを作って区切ったりすると難しくない」
• 「(活動条件と就寝条件)寝ている時に夢などを見て
邪魔が入ってくると,結果が変わってくるのか」
1
Rカードから_3
• 「“エビングハウス”と聞
いた時は,そんなん習っ
てないわ!! と思いま
したが,忘却曲線を見る
と思い出しました」
• 「記憶というのは,何か
エピソードや言葉の様な
ものに結びつけないと難
Figure
しいと思った」
ただ,気をつけたいのは・・・
1 意味記憶のネットワー
クモデル(Collins & Loftus,
1975: 豊田弘司, 2011)
Rカードから_4
• 「歴史が得意な人は決まって“かたまりで覚える”,
“流れで・・・”と言うが,私には・・・」
• 「受験から1年たちますが,世界史の内容など全然
覚えていません。これって,もう世界史なんていら
ないって思ったんでしょうか?」
• 「やっぱり日々コツコツ努力することが大切なのか
なぁ」
• 「今日やった内容もしばらくすれば忘却してしまうん
だなと・・・」
性格
(今回の新規内容に入る前に,注意事項)
• 検査の実施・解釈は慎重に行なわなければならない
• 検査の結果は,慎重に取り扱わなければならない
個人を特徴づける持続的で一貫した
行動様式
個人差を捉える概念
Table 1 アメリカ心理学会(1963)による心理検査の利用規制(中村, 2008 )
―捉え方―
「類型論」・・・
「類型論」 何らかの原理に基づいて 典型的な性格を設
定し,これに当てはめて分類する立場
「特性論」・・・
「特性論」 細かい複数の基本単位(特性)に分け,その程
度の組み合わせによって記述する立場
2
類型論の例: Kretschmerの体型説
Figure 2 3つの体格型( Kretschmer, 1925: 渡部雅之, 2011)
• 肥 満型→躁鬱質(社交的,善良,親切,温厚)
満型
• 細 長型→分裂質(非社交的,静か,控えめ,ユーモ
長型
アを解さない)
• 闘 士型→てんかん質(硬い,熱中,几帳面,秩序を
士型
好む)
Figure 3 精神病と体格型の分布( Kretschmer, 1925: 渡部雅之, 2011)
類型論の例:Jungの向性型
Table 2 ユングのパーソナリティ類型(Lazarus & Monat, 1981 藤岡・村松(訳), 2006)
• リビドーが客体に向けられていることを「外向」,主体に
向けられていることを「内向」とする。
• 通常両方を併せ持つが,外向しやすい者を「外向型」,
内向しやすい者を「内向型」とする。
• この二つの型は 生まれつきの個人的素質である。
• 向性型と反対の態度は,甚だしい疲労をもたらす。
類型論の 長所と短所
長所:
長所
• 個人の全体像を捉えやすい
• 日常的な理解の枠組みに近い
短所:
短所
• 過剰に単純化・画一化する恐れ
• 実際には大多数を占める中間型が無視さ
れやすい
3
特性論の例:Allport & Odbert(1936)
1925年版Webster’s International Dictionaryの全
ての単語から,性格に関連する語を抽出
源泉特性(最少必要数)
ex.
⇒ 17,935語
語
• Guilfordの13因子
その中から,比較的恒常的な一般的行動傾向を
表す語を抽出
• Cattellの16因子
⇒ 4,504語
語
• Goldbergの5因子
…etc.
= 4,504個の特性
個の特性
特性論の 長所と短所
長所:
長所
• 程度の違い→個人差を説明しやすい
• 背景要因の詳細な検討がしやすい
短所:
短所
• 必要充分な特性の数と幅が不明
• 全体像や独自性を直感的に把握しにくい
性格検査の例:質問紙検査法によるもの
いくつかの質問項目に対する,言語的な回
答から判断する方法。
ex.
「ミネソタ多面人格目録(MMPI)」
「矢田部-ギルフォード(Y-G)性格検査」
(+):集団的に実施できる。解釈が容易。客観性が高い。
(ー):文章理解力が必要。意識的側面しか捉えられない。
反応歪曲が起こりやすい。
4
性格検査の例:作業検査法によるもの
一連の決められた作業を行なわせ,その結
果や経過から判断する方法。
ex.
「内田-クレペリン精神検査」
(+):反応歪曲が少ない。客観性が高い。国際比較がしやすい。
(ー):被験者の負担が大きい。一側面しか捉えられない。解釈に熟
練を要する。
性格検査の例:投影検査法によるもの
あいまいな刺激に対する反応を元に,性格
の深層部分を判断する方法。
ex.
「ロールシャッハ・テスト」
「バウム・テスト」
「絵画欲求不満検査(PFスタディ)」
「主題統覚検査(TAT)」・「CAT」
「文章完成法検査(SCT)」
・
(+):反応歪曲が少ない。無意識の側面も捉えられる。国
際比較がしやすい。
(ー):個別的にしか実施できない。被験者の負担が大き
い。解釈に熟練を要する。
心理検査は通常,テスト・バッテリー(長所・短所
を補うため,複数の調査を組み合わせて行うこと)を組
んで行うことが多い。
5
グループ討論(相談)
自己顕示性尺度 児童版(Paivio, A., Baldwin, A. L.,
Berger, S., 1961)から抜粋
―仮想事例―
「クラスの前に出て何かをするチャンスがあれば,
私はそれを逃さない。」
今年度からあなたが担当するAさんは,授業中の
発問で指名されないと怒り出します。常に人の注意
をひこうとし,トラブルを起こすこともしばしばです。
昨年度の担当者からは,「A君は自己顕示性が
強いから,気をつけてね」と助言されました。
『新・学年団のつもりで相談』
「クラスのみんなが注目している中で,何かをしてみ
たい。」
「自分の活躍ぶりをクラスメートに見てもらいたい。」
「掲示板に私の作文が貼られるとしたら,みんなに,
私の作品だとわかってもらいたい。」
ところで・・・
Rカードから_x
• 「正方形・長方形の問題を中1の弟に見せたところ,
一目見て『こうゆう問題って,どちらかが大きく見え
るけど実は同じ大きさってパターンちゃうの?』と言
われました」
次回
第 14回
『メタ認知・学習方略』
6
Appendix 1 ビッグ・ファイブ(下仲, 1999)
Appendix 3 MMPIの尺度(日本MMPI研究会, 1973)
ワーク
『別添の“質問紙法サンプル”に
回答してください』
Appendix 2 Y-G性格検査のプロフィール(辻岡, 1976)
Appendix 4 内田-クレペリン精神検査の定型曲線(村田, 1987)
Appendix 5 ロールシャッハ・テストの図版を模した図(牛腸, 1980)
7
Appendix 6 16歳の少女の樹木画(Koch, 1952)
Appendix 7 P-Fスタディ(住田・林・一谷, 1964)
Appendix 8 TAT図版
(Murray, 1938)
Appendix 9 CAT日本版(戸川ほか, 1955)
試してみましょう
【再配布版 注記】
①当日出席した受講者に話を聞いて,ノート部分を
補完する手順を忘れないでください。
②以下は,当日映写のみで(配布資料には載せずに)
運用したスライドです。ただし,前回までのスライ
ドを再参照する部分(リンク先)は省きました。
52008 6 2
520 0862
〒520‐
〒520‐ 0862
8
ある年度のRカード
• 「最も印象的だったのは,アーノルド坊やの実験で
す」・・・アーノルド? >第02回スライド
(2年生科目での質疑応答)
Aさん「古典的条件づけって,あ
れですよね? ワトソンとか
の・・・ええと・・・(小声:なに
坊ややったっけ?)」
(第03回のG討論を思い起こして)
(>第03,04回)
―仮想事例―
跳び箱の得意なAさんは,友だちに良い所を見せ
ようとして無謀な段数に挑み,怪我をしました。以来,
Aさんは跳び箱が跳べなくなってしまいました。
『どう指導・支援しますか?』
Bさん「(小声:ほら,ターミネーター
とかの・・・)」
ところで・・・
さきほどの“質問紙法サンプル”は・・・
【第13回公欠者用代替課題】
• 資料再配布ページから,配布資料(このPDF)と質問紙法サ
ンプル,課題記入用紙をダウンロードしてください
(http://www.re2.sakura.ne.jp/14sp/index.html)。
自己顕示性尺度 青年・成人版
• 代替課題の内容は,『第13回に紹介された性格検査の中
から2つ選び,調べて説明すること』です。
(Buss, A. H., 1986)から抜粋
• 情報の出典情報は「参考文献一覧」の形で必ず明記してく
ださい(書き方の例は次のスライドで示します) 。
• 資料に目を通し,当日出席者の話を聞いてから,課題に
取り組んでください。
• 次の出席時※ に,公欠届と,「公欠者用代替課題」を提出
してください(※理由と詳細は第12回に説明しました) 。
(出典情報の書き方)
• 辞典類の場合
著者名 (出版年). 「項目名」 辞典編者名 『辞典名』 出版社 掲載ページ
【書き方の例】
服部環 (1999). 「向性検査」 中島義明ほか(編) 『心理学辞典』 有斐閣
p.249
• 書籍の場合
著者名 (出版年). 『書籍名』 出版社
【書き方の例】
堀洋道(監修) (2001). 『心理測定尺度集Ⅰ』 サイエンス社
• インターネット上の情報の場合
著者名 「ページタイトル」 URL (閲覧日)
【書き方の例】
田中道弘 「自尊心,自尊感情,Self-esteem,自己肯定感について考える」
http://homepage3.nifty.com/self-esteem/ (2015年01月12日閲覧)
本科目では図書館(教育分館)の積極的な利用を推奨します。
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