Y接合系におけるカレントの解析

Currents through Y‐junction
‐Y接合系におけるカレントの解析‐
1G04K0621
栗原研B4
西井 淳
Introduction(1)
‐Supercurrent pumping in Josephson junction‐
超伝導体とHalf Metalの接合系
ジョセフソン流
HMのスピンを光を照射して歳差運動させると、
マグノン励起でジョセフソン流が汲み出される。
S.Takahasi, et.al Phys.Rev.Lett 99 057003
超伝導体を常伝導体に置き換えれば、スピン流
を汲みだす駆動力として使えるのではないだろ
うか?
Introduction(2)
‐ハーフメタル(HM)‐
‐
アップスピンに対しては
金属的なバンド構造
ダウンスピンに対しては
絶縁体的なバンド構造
D:density of state at a Fermi level
HMでは理想的にはspin分極率はP=1となり、
アップスピンだけが伝導電子として存在する。
Y接合系
スピン歳差
マイクロ波
各リードを流れるカレント
を計算したい。
モデル‐ハミルトニアン‐
アップスピン
のみ伝導す
る
スピンフリップの
あるトンネル過
程を表す項
Y接合の系を流れるカレント
独立なカレント成分は6つ
結果(1‐1) チャージカレントとスピンカレント
の場合
ωはマイクロ波の周波数
チャージカレント
スピンカレント
一番簡単な場合を考える
ホッピングをカット!
さらに、簡単化。まずはスピンフリップの
ある過程だけを見てみる。
Y接合
HM↓
HM↑
HM↓
HM↓とHM↑の接合系に相当
通常金属とHMの接合系に単純化
HM
マグノン励起を表す は 今回
は平均場
として扱い、
対するスピンカレントの変化を見
てみる。
結果(1‐2) ダウンスピンの汲み出し
HM↓
HM↑
HM↓
ダウンスピンが汲み出されてスピンカレン
トが流れる。
結果(2) バイアスのかけ方とカレント
チャージカ
レント
チャージカ
レント
チャージカ
レント
スピンカレント
スピンカレント
スピンカレント
チャージカレントはポテンシャルの低いほうに流れ、ス
ピンもポテンシャルの低いほうへ汲みだされる。
結果の考察と今後の課題
1.マグノン励起によるスピンの汲み出しが可能。
マグノン励起の平均場近似の妥当性は?
2.電位差のかけ方次第でカレントは複雑
に変化。
Y接合系ならではの特徴をさらに調べる。
結果(2‐1)
チャージカレ
ント
スピンカレント
依存性
の場合
結果(2‐2)
チャージカレン
ト
スピンカレント
依存性
の場合
結果(2‐3)
チャージカレン
ト
スピンカレント
依存性
の場合
マグノン励起によるクーパー対のトンネル機構
マグノン励起による可能なトンネル過程
HM中ではアップスピンしか伝導できない
マグノン励起の伝搬の助けを借りて、クー
パー対がトンネルできるようになる。
S.Takahasi, et.al Phys.Rev.Lett 99 057003
マグノン励起によるカレントの汲み出し
マグノン励起
HM
HM中ではアップスピンしか伝導できない
円偏光のマイクロ波を照射
マグノン励起がスピンフリップのあるトンネ
ル過程を可能にし、スピンを汲み出せる
はず。
Appendix(1) スピントランジスタ
特徴
スピン軌道相互作用でスピン偏極したスピンの向きを回転
スピントランジスタの駆動力は磁化の非平衡
情報記憶機能とスイッチング機能を併せ持つ新しい etc
課題
強磁性体から半導体へのスピン注入効率の改善etc
Appendix(2)‐Notation‐
The retarded and advanced Green functions
The retarded and advanced Green functions in energy space
The lesser Green functions
The lesser Green functions in energy space
Appendix(3)‐Wide‐band limit‐
状態密度
る。
、フェルミ分布関数をf(ω)として、以下のwide‐band limit近似をす
に対しても同様に近似する。
Appendix(4‐1)‐運動方程式‐
運動方程式
Appendix(4‐2)‐運動方程式(行列形式)‐
まずretarded とadvanced に対する方程式を解き
求めたいlesser green関数に対する方程式を得る。
各行列要素は以下の通り
Appendix(5)
‐カレントのグリーン関数による表式‐
ただし
とする
The lesser Green functions in energy space
解析的表式の分析
フェルミ分布関数の差の形
になっていない
の場合
のとき収束しない
結果
各リードの状態密度を
ここで
また、
とおき、
と無次元化した量ξ1、ξ2、ξ3を導入した
はHMのspinの量子化軸をz方向にとったときの、
xy平面に対する傾き具合を表す。