(5) 小流量・低落差を克服した用水路対応型水車の開発と 収益性の高い

(5) 小流量・低落差を克服した用水路対応型水車の開発と
収益性の高いビジネスモデルの構築
株式会社新日本コンサルタント
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古野 昌吾
氏
小流量・低落差を克服した用水路対応型水車の
開発と収益性の高いビジネスモデルの構築
いちもりともあき
あ
そ かつし
ふ る の しょう ご
市森友明1・阿曽克司1・古野 昌 吾1
1(株)新日本コンサルタント 設計計画本部 社会基盤部
(〒930-0142 富山県富山市吉作910-1)
マイクロ小水力発電は,発電出力に対して建設コストが高いため,事業採算性の確保が難し
いとされている.本稿では,マイクロ小水力発電設備の初期投資の抑制と,効率の良い水車の
開発の観点から,富山県富山市西番地内の筏川・横内用水路に設置した小水力発電設備につい
ての取り組みについて紹介する.用水路に直接設置が可能な構造で,流況に応じて水車規模を
最適化できるマイクロ小水力発電設備は,全国的に例が少ないと考えられ,低水量・小落差の
未利用落差地点において小水力発電の導入促進を図る必要がある.
Key Words : 再生可能エネルギー,マイクロ小水力発電,単独事業,事業収支
1. はじめに
2.マイクロ小水力の導入課題
一般的に小水力発電において,事業採算性を確保
するためには,規模大きく売電収益を確保する必要
がある.しかしながら,落差・水量が確保可能で,
収益性の高い有望な開発地点は,残り少なくなって
おり,小水力発電の導入促進のためには,小流量・
低落差である地点においても事業採算性が見込める
モデルの開発が必要である.富山県内には、扇状地
を流れる用水路等の未利用落差が無数に存在するた
め,小流量・低落差でも効率よく発電する水車等の
開発により初期設備費の抑制が図れれば,事業採算
を確保できるモデルとして全国に展開できる可能性
を秘めている.
農業用水路においては,土地改良区が事業主体と
なり,小水力発電の開発が進められている例が多い.
土地改良区が発電事業を行う場合,①公的性格・
事業性質に鑑み,免税の措置がとられている.②流
水占用料を要しない場合があることから,事業収支
上のメリットとなっている.
平成25年に新エネルギー導入促進協議会(NEPC)の
調査業務で,小水力の導入障壁に関する調査を当社
で行っており,コスト構造の分析によると,小水力
開発は,①調査・設計費,②電気・機械設備費,③
土木建設費,④用地費等の多額の事業費を要すため,
一般的に補助が無いと事業成立が困難である.
また,補助を導入した場合,得られる売電収益は,
予め計画された維持管理費目しか充当できず,余剰
金の返還義務がある.これに対して単独事業の場合
は,その制約が無いため,より柔軟に水路維持管理
費に充当できるメリットがある.よって開発ハード
ルが低いマイクロ水力を,単独事業で行った方が土
地改良区としては良い.しかし,小水力発電に必要
な機器は一品生産が多く,箇所によっては土木建設
コストが大きく嵩む.年間発電量当たりの建設単価
として,250~300円/kWh程度が経済性を見る一つの
指標となっているが、マイクロ水力発電の場合,指
標を下回るケースは少ないため,採算性確保が課題
である.
こうした需要に応えるためには,施設の一層の合
理化,簡素化による初期投資の抑制と効率の良い水
車の開発の必要があり,バランスの良い計画を行う
必要があった.
用水路の未利用
落差を利用
写真-1 筏川・横内用水路(常西合口用水路)
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3.発電計画
4.発電計画における対応策
本発電計画は,富山県富山市西番地内の常西合口
用水の支流である筏川・横内用水路の未利用落差を
利用し,単独事業により実施するもので,完全従属
発電である.(写真-1)
筏川用水,横内用水(常願寺川水系常願寺川)の
許可水量を表-1に示す.筏川用水と横内用水路は,
取水口より300m程度下流で分岐することから,発
電水量を確保するため,取水口から水路分岐間の落
差工において発電施設を計画した.落差は2.5m,最
大水量は4.3m3/s(代掻期)である.
本用水路の特色は,灌漑期と非灌漑期との流量差
が大きい上に,普通期・灌漑期の流量が少ないこと
である.また代掻期の期間が短いため,経済性の比
較検討より普通期Ⅰの流量を対象に,発電施設規模
を決定した.同ケースにおける発電出力は30kWであ
る.本事業は「再生可能エネルギーの固定価格買取
制度」の利用を想定している.本事業の経緯を表-2
に,発電所諸元を表-3に整理して示す.
(1) 開発水車の条件
小水力発電設備を計画する場合,定期点検等の維
持管理や,出水時において水車が治水上の支障にな
らないよう,バイパス水路を設けて,同水路内に水
車を設置するのが一般的である.
このため取水口地点に分水のための堰や,制水
ゲート,流入調整ゲート,余水吐等を計画する必要
があり,マイクロ水力の場合,全体工事費に対する
機械・土木関係費用の占める割合が大きくなる要因
となっている.
このような課題に対して,土木工事を減らし初期
コストを抑制するため,バイパス水路を省略するこ
とを提案し,これを満足する水車を水機工業株式会
社と共同開発した.
安全・合理的・効率的な発電設備開発の条件として、
以下を満足するものとした.
① 維持管理・出水時は用水流下に阻害しない構
造とする.
② 水車・発電機の導入コスト削減と,維持管理
費を低減する.
③ 期別流量に対応した可変型構造とする.
表-1 発電規模と年間発電量(設計時)
(2) 水車の形式
小流量・低落差に対応する代表的な水車形式は,
縦軸プロペラ水車,らせん水車,上掛式水車,下掛
式水車が挙げられる.設置箇所において各水車を据
えた場合の適応性は,以下のとおりである.(表-4)
① 圧力式水車は,低流量・低落差である計画箇
所では,設備コストに比べて得られる発電量
が小さいことから適用性が低い.
② プロペラ水車は,期別流量に対応した可変型
構造とするのが困難である.
表-2 事業経緯
H25年04月
H25年05月
H25年11月
H25年12月
小水力設計委託を受注
1/5実験設備製作,性能確認試験
河川法:水利使用許可申請
農水省:水利使用の同意
H26年02月
H26年03月
H26年04月
H26年05月
H27年05月
水利使用許可(国土交通省)
系統接続許可(北陸電力)
設備認定通知(経済産業省)
工事着工・実機による性能試験
供用開始
表-4 水車形式比較
表-3 発電所諸元
水力発電
方式
出力
水量
落差
発電形式:水路式
発電方式:流れ込み式
認可最大出力:30.2kW
想定年間発生電力量:158MWh
最大使用水量:4.3m3/s
有効落差:2.2m
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③ 開放型上掛水車は,有効落差は上流側取水位
と水車回転軸との高低差であるため,発電出
力が劣る.
④ らせん水車は水を通す樋が半円形構造であり,
用水路に直接設置する場合は,代掻期流量に
対応して樋断面を大型化する必要があるため
コストが嵩む.
⑤ 下掛式水車は,昇降機能の設置により可変型
構造に対応可能であることから,本用水路へ
の設置の適合性が高い.
以上より,昇降機能の設置により,期別水量の変
動に対応可能で,コスト削減が可能である下掛式水
車が総合的に優れるため,本形式を採用した.
(3) 試作機製作
開放型水車の性能は,上下流水位条件,水車形
状・回転数等の様々な条件により影響する.
よって,1/5スケールの試験機を製作し,水車羽
根・枚数等の形状,ゲート形式を変更させて,流量
調整が可能で,所定の性能が発揮できる最適形状を
確認した. (写真-2)
当初設計では流量調整ゲートは,水門形式で一般
的であるスライドゲートによる制御としていたが,
以下の課題が生じたため,ゲート形式を転倒ゲート
に変更するものとした.(図-1)
① ゲートからの放流速度が速いため,水車回転が
速く,また放流後の流況が安定しない.
② ゲートでゴミ詰まりが生じる懸念がある.
③ 流量が変動しても効率を確保するために,水車
口径を拡大しキャパシティを確保した上で,さ
らにゲートを越流方式にして水車に流入させる
必要が生じた.
流水安定のため
のゲート形式
の変更(越流)
図-1 水車仕様変更
口径大型化による水変
動の対応,羽根形状工
夫による発電効率向上
ゲート形式変更と,水車口径の拡大による羽の形
状の工夫,枚数の確保により,所定の水車効率を満
足させることが可能となった.
さらに,試験結果を踏まえ,製作した実機を現地
に据付を行い性能確認試験により,羽形状・枚数,
水車や水位調整ゲートのリフトタイミング等の最終
調整を行った.
(4) 開発水車の対応
a) 発電規模の設定
水車と発電機とを一体化し,昇降機能を付加する
ことで,直接水路に設置可能な水車構造を提案した.
異物巻込みの際は,水位検知により水車が上昇する.
水車とガイド板との離隔を早期に確保し,通水支障
とならないように,水車は45度上方に昇降させるも
のとした.
写真-2 試験装置概要
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b) 昇降機能活用による効率の良い水車の設計
昇降機能の追加は,コスト増加の要因となる.
このトレードオフ回避のため,さらなる工夫を
行った.設備の削減,コストカットは削り代がない
ので,事業収支を良くするためには、設備利用率の
高い水車を開発する必要がある.そこで、通水障害
回避の昇降機能を活用し,水量の変動に対応して水
車位置が変化できる構造とした.これにより,水量
増加時は,水車を上昇させ,余剰の水を水車の下に
逃がすことで,水車規模の最適化が図れ、効率が高
い状態で発電が可能である.(図-2)
このように,流況に応じて水車規模を最適化でき
ることが,この水車形式の特筆すべき点と考える.
5.まとめ
今回、常西用水土地改良区の管理用水路で水車開
発を行い、同改良区の単独事業でこれを導入した.
建設コストは150万/kW程度を目標としており(土
木費除く),今回の発電出力30.2kW規模の場合の工
事費は45百万になる.土地改良区が同ケースの発電
事業をFIT適用により単独で実施した場合の利払
前・償却前・税引後利益は,72百万円,NPV(正味現
在価値)13.4百万円,IRR(内部収益率)4.3%,単純回
c) 落差の確保
収年15年である.
更なる工夫として,水位調整ゲートを水車上流に
これにより,灌漑用水路の小規模落差の場合でも
設置し,流量が変化しても調整ゲートが変動して上
事業採算性が見込めるモデルを開発することが出来
流側水位を一定に保つことにより,流量が少ない場
た.今後は部材の低規格化,シリーズ化,小型化等
合でも落差を確保することにより出力の低下を抑制
により,製造コストを低減し, より収益性をより高
できる構造とした.
めて,適用範囲拡大を進めたい.
こうした工夫により,代掻期水量を最大使用水量
開発の際は、羽根形状の微妙な調整,調整ケゲー
とする場合は,設備利用率が36%であったのに対し, ト等、試作機を何度も製作し,所要の性能を満足さ
ダウンサイジングを図り,最適規模とした場合の
せるのに苦労した.現在、開発水車は特許申請中で
設備利用率は53%まで向上させることができた.ま
あるが,初号機故に耐久性を高めたため、更なる費
た年間発電量は代掻期並を確保できた.供用後の発
用削減を図りたい.
電効率の検証結果では,効率が若干上回り,設備利
用率は56%まで改善している.
謝辞:施設の設計・施工管理の遂行にあたり,御指
また,設備削減と開放型による維持の単純化によ
導・支援賜りました常西用水土地改良区の皆様,水
り,運開後の維持管理費用の削減ができたことから, 機工業株式会社の皆様に,心より感謝申し上げます.
事業収支性の改善に大きく寄与した.
図-2 流量変動に対応した水車制御
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目次
1.はじめに
2.マイクロ小水力の導入課題
3.発電計画
4.開発水車の対応策
5.経済性
6.おわりに
小流量・低落差を克服した
用水路対応型水車の開発と
収益性の高いビジネスモデルの構築
2015年 8月 7日
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1.はじめに
2.マイクロ小水力発電の導入課題
小水力発電における事業採算性の確保
初期投資額が大きい.(土木施設、電気・機械設備)
売電収益の確保.(発電規模大きくする)
有望地点の選出.(高落差、水量が確保可能な地点)
収益性の高い有望な地点は少ない.
事業収支上のメリット
①公的性格から免税の措置.
②流水占用料を要さない.
マイクロ小水力導入の課題
①多額の事業費を要する.
②発電量が小さい.
③採算が確保できない.
小水力発電の導入促進にむけて
①用水路等の未利用落差を活用.
②小流量・低落差である地点.
用水路の
採算が確保できるモデル開発. 未利用落差
を利用
③開発できれば,小水力の展開
可能性が広がる.
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用水路における小水力発電事業
○事業主体:土地改良区
近年開発が増加.
全国土地改良事業団体連合会資料H25.8
施設の一層の合理化,簡素化による初期投資の抑制.
効率が良い水車の開発.
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2
3.発電計画
3-2.現地状況
3.発電計画
3-1.事業箇所位置図
上流側状況
横内
用水路
計画箇所①
旧発電施設
常西合口用水
筏川・横内用水
筏川
用水路
筏川・横内用水
事業箇所
下流側状況
筏川・横内用水路取水口
計画箇所②
落差工
1:25,000
500m
0
500
1000
1500
横断ボックス
3
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4
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3.発電計画
4.開発水車の対応策
3-3.発電規模と年間発電量
・期別の流量変動が大きい.
・最大流量である代掻き期の期間が少ない.
・普通期を対象に規模を縮小した方が経済的.
4-1.安全・効率的・合理的な発電設備開発の条件
① 出水時,維持管理時への対応
・ 維持管理・出水時は,用水に水車が阻害しない.
表1.発電規模と年間発電量(設計時)
検討ケース
代掻き期
普通期Ⅰ
普通期Ⅱ
非灌漑期
4/21~5/10
5/11~8/20
8/21~9/5
9/5~4/20
①筏川用水
1.695
1.016
0.799
②横内用水
2.614
1.669
1.333
0.534
4.309
2.685
2.132
1.026
発電出力(kW)
46.3
31.0
27.7
20.0
年間発電量(MWh)
161
158
153
135
kW当たり建設単価(千円)
1,080
1,292
1,442
1,750
kWh当たり建設単価(円)
310.6
253.2
261.4
259.3
最大使用水量(①+②)
概算工事費(千円)
設備利用率(%)
0.492
50,000
40,000
40,000
35,000
36
53
56
70
評 価
② 導入コストの抑制,維持管理費の低減
・付帯設備を極力省いた発電設備の検討.
・維持管理しやすい単純な構造の採用.
→開放型水車を検討.
③ 流量変動への対応
・期別流量に対応した可変型構造とする.
○
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4.開発水車の対応策
4-2.水車の形式
4.開発水車の対応策
4-3.試作機製作
表2.水車の形式
図1.1/5スケール設備
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4.開発水車の対応策
4.開発水車の対応策
羽根形状の変更①
羽根形状の変更②
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ゲート等形状の変更
変更による試験
10
4.開発水車の対応策
4.開発水車の対応策
表3.水車形状・調整ゲート
【変更1】 スライドゲートから転倒堰に変更
・ゲートからの放流速度が速い.
水車が回転速度が速く,振動の影響が懸念される.
・水車へ流入した際の流況が安定しない.
・ゲート下端でゴミ詰まりの恐れがある.
【変更2】 水車径の拡大
・水車羽根間の空間が狭い.
水量が多い場合に,水車外に溢水する.
・水量が少ない場合に,出力が低下する.
水車径の拡大と,転倒堰の採用により落差を確保,
出力低下を抑制する.
【変更3】 羽根枚数の増加,形状の最適化
・水車回転の安定.効率の向上.
流水安定のため
のゲート形式
の変更(越流)
口径大型化による水変動の対応,羽根形状工夫
による発電効率向上の変更(越流)
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4.開発水車の対応策
4.開発水車の対応策
4-4.開発水車の対応
流量調整
ゲート
昇降用
フレーム
スクリーン
水車
スクリーン
流量調整
ゲート
水位計
制御板
増速機
発電機
図2.平面図
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水車
ガイド板
増速機
発電機
図3.側面図
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4.開発水車対応策
4.開発水車の対応策
4-4.開発水車の対応
(2)バイパス水路の省略
水車と発電機とを一体化,昇降機能を付加し,
直接水路に設置可能な水車構造を提案.
4-4.開発水車の対応
(3)昇降機能活用による設備利用率の向上
図4.水車上昇時
異物巻込みの際は,水位検知により水車が上昇.
水車は斜め45度上方に上昇させ,通水断面を確保.
図5.流量変動に対応した水車制御
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4.発電計画における対応策
5.経済性
4-4.開発水車の対応
表4.事業収支
(4)流量調整ゲートによる落差の確保
・水位調整ゲートを水車上流に設置,
流量変動に対して上流側水位を
常に一定に保つ.
事業年度
発電量(MWh)
売電収入
落差の
確保
落差を確保,
出力低下を抑制.
2
3
4
5
6
7
8
9
金額:百万円
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 合計
148 148 148 148 147 148 148 148 148 147 148 148 148 148 147 148 148 148 148 148 2951
5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 100.3
維持管理費用
0.9 0.9 0.9 0.9 2.0 0.9 0.9 0.9 0.9 5.5 0.9 0.9 0.9 0.9 2.0 0.9 0.9 0.9 0.9 5.5
28.7
土地・流水占用量
0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
0.0
支払利息
0.5 0.5 0.4 0.4 0.4 0.4 0.3 0.3 0.3 0.3 0.2 0.2 0.2 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0
5.1
減価償却費
2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4
48.6
税引前利益
1.2 1.3 1.3 1.3 0.2 1.4 1.4 1.4 1.4 -3.2 1.5 1.5 1.5 1.6 0.4 1.6 1.6 1.7 1.7 -2.9
17.9
法人税
0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
0.0
利益
1.2 1.3 1.3 1.3 0.2 1.4 1.4 1.4 1.4 -3.2 1.5 1.5 1.5 1.6 0.4 1.6 1.6 1.7 1.7 -2.9
17.9
【資金計算】
図6.ゲート上昇時
収 入
3.7 3.7 3.7 3.7 2.6 3.8 3.8 3.8 3.9 -0.7 3.9 3.9 4.0 4.0 2.9 4.0 4.1 4.1 4.1 -0.5
66.5
支 出
2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4
48.6
余剰金(累計)
代掻期流量を最大使用水量とする場合:設備利用率36%
可変型構造
落差の確保
1
自己資金+借入金残高
14 .3
15.9 17.5 19.2 20.9 17.9
-
12 .2
9.7 7.3 4.9 2.4 0.0
-
【キャッシュフロー計算】
設備利用率は53%まで向上.
年間発電量は代掻期並を確保.
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1.2 2.5 3.8 5.1 5.3 6.7 8.1 9.5 10.9 7.8 9.2 10.8 12.3 13.8
46.2 43.7 41.3 38.9 36.5 34.0 31.6 29.2 26.7 24.3 21.9 19.4 17.0 14.6
17
利払前・償却前・税引後利
4.2 4.2 4.2 4.2 3.0 4.2 4.2 4.2 4.2 -0.5 4.2 4.2 4.2 4.2 3.0 4.2 4.2 4.2 4.2 -0.5
71.6
NPV
4.1 4.0 4.0 3.9 2.8 3.8 3.7 3.7 3.6 -0.4 3.5 3.5 3.4 3.4 2.4 3.3 3.2 3.2 3.1 -0.3
13.4
IRR
4.2 4.2 4.2 4.2 3.0 4.2 4.2 4.2 4.2 -0.5 4.2 4.2 4.2 4.2 3.0 4.2 4.2 4.2 4.2 -0.5
4.3
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18
5.経済性
6.おわりに
事業主体:土地改良区 ,FIT適用(34円/kWh)
・工事費:45百万(発電出力30.2kW,150万/kW)
・利払前・償却前・税引後利益:71.5百万円
・NPV(正味現在価値):13.4百万円
・IRR(内部収益率):4.3%
・単純回収年:15年
・性能確保ができず、試作を何度も製作.
(羽根形状の微妙な調整,ゲート等)
・許認可申請手続きに不測の期間を要す恐れがあった.
○河川法:完全従属発電は,登録制に移行.
(平成25年5月施行)
○電気事業法:土地改良事業に係わる農業用排水施設
→ 工事計画書、ダム水路主任技術者不要.
(平成27年4月)
成果:小規模落差地点でも,
事業採算性が見込めるモデルを開発.
流況に応じて水車規模を最適化できる.
課題:シリーズ化による適用範囲の拡大.
製造コストの低減.
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→ 小水力実施環境は整っている.
・マイクロ水力導入促進に向けて
供用中の発電施設の経過を確認し,初期コスト低減,
維持管理性の向上等,改良を重ねていきたい.
19
- 57 -
ご静聴ありがとうございました。
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21
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20