発表資料 『JCMの最新動向』

OECC研修会
「COP20(ペルー・リマ)報告会」
12月17日
環境省 地球環境局 市場メカニズム室
鳥居 直樹
UNFCCCにおける市場メカニズム交渉
ADP(強化された行動のためのダーバン・プラットフォーム特別作業部会)
• 2020年以降の枠組みに向けて各国が提出する約束草案を提出する際に
示す情報(事前情報)に関連して市場メカニズムの活用についても議論
が行われた。
SBSTA(科学および技術の助言に関する補助機関)
• 様々なアプローチのためのフレームワーク、非市場ベースのアプローチ、
新市場ベースメカニズムを含む各議題に関する作業計画、とりわけ二重
カウントの防止等について意見交換がなされ、来年6月の次回会合にお
いて、引き続き議論することとなった。
SBI(実施に関する補助機関会合)
• CDM、JI等の京都議定書の下での市場メカニズムに関する議論が行わ
れた。いずれの議題も来年6月の次回会合において、引き続き議論する
こととなった。
2
JCM関連サイドイベントの実施
12月10日 JCM署名国会合(ハイレベル・ラウンドテーブル)
• 我が国より望月環境大臣が出席。各国から閣僚を含むハイレベ
ルの代表者が出席しJCMの進捗を歓迎、引き続き協力してJCM
を実施していくこと等を表明。
• 本会合を踏まえ、我が国とJCM署名国12か国による共同声明を
発出。
• その他、公式サイドイベント、日本パビリオン、インドネシアパビリ
オンにおいてJCM関連イベントを複数実施。
3
JCMの進捗状況
• モンゴル、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、
ベトナム、ラオス、インドネシア、パラオとの間で合同委員会
を実施し基本的なルール及びガイドライン類を採択。
• JCMウェブサイトを開設し運用中
• JCM登録簿を構築予定(2015年度中の見込み)
• 登録済みプロジェクト:1件
• 承認方法論:5件(モンゴル:1件、インドネシア:4件)
• 提案方法論:8件(モンゴル:1件、ベトナム:4件、インドネシア:
3件)
• 第三者検証機関を指定(各国ごと、複数の機関を指定済み)
• JCMの実施状況についてはCOP 18決定(19/CP18)に基づき
各年報告書でUNFCCCに報告・専門家によるレビューを完了。
4
環境省JCM設備補助事業
2014年度予算額:
年間12億円かつ3か年
(合計36億円)
日本国政府
MRVの実施によりGHG排出削減
量を測定。クレジットの発行後は
1/2以上を日本政府に納入
初期投資費用の最大
1/2を補助
国際コンソーシアム
(日本の民間団体を含む)
補助対象者
(日本の民間団体を含む)国際コンソーシアム
補助対象
エネルギー起源CO2排出削減のための設備・
機器を導入する事業(工事費、設備費、事務
費等を含む)
事業実施期間
最大3年間
補助対象要件
補助交付決定を受けた後に設備の設置工事に着手し、
平成28年度内に完工すること。また、JCMプロジェクト
としての登録及びクレジットの発行を目指すこと
5
参考資料:
• 承認方法論: 高効率チラー導入によるエネルギー消費削減
• 承認方法論: セメント産業における廃熱回収発電
承認方法論: 高効率チラー導入によるエネルギー消費削減 (1/2)
工場等に下記を条件とする高効率のチラーを導入する
COP値 6.0以上
一般的に、新たな設備投資を避けるため、JCMプロジェクトの実施でなけれ
ば、既存のチラー(COP値およそ5.0程度)が継続的に使用されることが想
定される
本方法論を適用して導入されるチラーのCOPはインドネシアにおいて一般
的に入手可能ないずれのチラーよりも高効率であり、JCMプロジェクトとして
適格
高効率チラー
7
承認方法論: 高効率チラー導入によるエネルギー消費削減 (2/2)
排出削減量はプロジェクト機とリファレンス機の電力使用量の差
プロジェクト機のCOPとリファレンス機のCOPの比率により計算
リファレンス機のCOPはデフォルト値として保守的に設定:
一定の冷凍能力において一般的に入手可能な機種の最大COP値
各冷凍能力における最大COP値
BaUにおける
排出量
BaUにおける
COP値
リファレンス
排出量
クレジット化され
ない排出削減量
により“ネット排
出削減”を確保
クレジット化され
る計算された排
出削減量
プロジェクト
排出量
冷凍能力(USRt)
モニタリングの簡素化(下記1パラメータのみ対象)
プロジェクト機の電力使用量
8
承認方法論: セメント産業における廃熱回収発電 (1/2)
セメント製造工場において廃熱回収(WHR)システムにより発電
インドネシアにおける25のセメント工場のうち、WHRシステムが導入
されているのは1カ所のみ.
インドネシアにおいてセメント産業におけるWHRシステムの導入は
一般的ではないことから、JCMプロジェクトとして適格
技術イメージ
蒸気
サスペンション
プレヒーター
グリッドへの電
力供給
SPボイラ
発電
キルン
クリンカ冷却装置
AQCボイラ
廃熱
蒸気
9
承認方法論: セメント産業における廃熱回収発電 (2/2)
排出削減量はWHRシステムによるセメント工場への電力供給量とWHRシ
ステム自体の最大電力消費量(計算値)の差
WHRシステムの最大電力消費量は、各付属機器が一日24時間稼働する
と仮定した場合のカタログにおける電力使用量の合計
電力供給量
計算上の正味発電量
最大電力消費量
実際の電力消費量
クレジット化されない発電量に
より “ネット排出削減”を確保
モニタリングの簡素化(下記2パラメータのみ対象):
WHRシステムからセメント製造工業への電力供給量
モニタリング対象期間の日数
10