萩 本 和 男 氏 (NTT伝送システム研究所 光通信研究部 主幹研究員)

〔2 〕高 柳記 念 奨 励 賞
1 1 )
萩 本
示日
男
氏
(NTT伝
送 システム研究所 光 通信 研究部 主 幹研究員)
光増幅器 を用いた超 高速光伝送技 術 の研究業績
1. E]的
本研究 の 目的 は、 多 チ ャ ンネルの 各種映像│ ; 号
千を経済 的 に伝送す る速度 フ レキ シブルな超高速
光伝送技術を実 現す ることにあ る.
2 方 法、特 色等
多用な映像信 号の経済 的 な長距離伝送を 可能 とす るには、 伝送速度 に依存 しない超 高速光伝送
路 の実現が望 まれ る。 しか しなが ら、現状の光 伝送路 は中継器で電気信 号 に変換 して パ ルスを再
生す る必要が あ るため、 固 有の伝送速度を持 ち拡張性が 限 られ る. そ こで 本研究で は、従 来 の超
高速伝送技術 とは異 なる光増幅器を 用 いた伝送技術 の研究 に取 り組み、低雑音で高利得 ・高 出力
な光増幅器を実 現 し、速 度 フ レキ シブル な伝送路 を作 る上での 有用性 を実証 した。得 られ た結 果
を以 ドに示す。
( 1 ) 伝 送 システ ム に用 い ることので きる低 雑音光増幅器 の具体的構成法を考案 した。 具体的 には
、
ー
誘電体多層膜 フ イル タによる低雑音化、光 アイソレ タを用 いた高利得化等であ る。
( 2 ) 中 間中継器 と して用 いた場合、伝送速度 に依存 しない超 高速光中継路 の 実現が可能であ るc
( 3 ) 光 増幅器を前置増幅器 と して 用 い ることによ り輝度変調 ・直接検波方式 において もヨ ヒー レ
ン ト変調 ・検波方式 に匹敵す る受 信感度が得 られ ることを実証 した。
( 4 ) 高 出力動作 において も波形 劣化が ほとん どない 出力増幅器を実現 し、 前置増幅器 と組合せ る
ことによ り無 中継で の伝送距離をおよそ 2 倍 に改善す ることに も成功 した。
さ らに本技 術 は、デ ジタル伝送 システムだけでな く多重 アナログ信号を扱 うC A T V へ
の適
用 も進 め られて い る3
以上述 べ たよ うに本研究 は、経 済 的に映像信号を伝送で きる超 高速光伝送技術の実現 にむ けた
とり くみのなかで 、そのキ ー デバ イスとなる低雑音 ・高出力 の光増幅器 の構成法を考案 し、 と同
時 にその有用性 を世界 にさ きがけて実証 した もの であ る。本技 術 は、従 来 の電 気領域 にお ける増
幅 の 概念を打 ち破 り、超 高速光伝送技術 の 新たななが れを作 った もので ある。本技 術 によ り、様
々な伝送速度 に対応で きる超 高速光伝送路 の実現が可能 とな り、 多 チ ャンネルの 多様 な
映像信号
を経済 的 に伝送で きるc さ らに、 本技術 は、通 信分野 だ けでな く光信号処理 技術や計測技術等の
幅広 い分野で もその 有用性が注 目され、応用が進 め られているな ど本研究の超 高速光伝送技術 に
関す る研究 業績 はきわめて 大 きい。
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