京都大学フォーミュラプロジェクト KART 月例活動報告書

2015 年度 7 月期(第 10 号)
京都大学フォーミュラプロジェクト KART
月例活動報告書
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コース走行を行う 13 号機(関西合同試走会にて)
今月の活動概要
ご挨拶
蝉の声に暑さを覚える今日この頃,皆様におかれまし
てはますますご健勝のこととお慶び申し上げます.
今月は走行会を重ね,車両のセッティングおよび,ブラッ
○関西支部合同試走会
○ビジネスロジックプラン
提出
シュアップを行いました.車両は大会仕様へと着実と近づ
○学自研中部支部主催
いております.一方で,初搭載となる機構やデバイスが多
「走行技術トレーニング」
く,走行会中には様々な不具合が生じておりました.万全
今月ご支援頂きました方々
の態勢で大会に臨めるよう,トラブルの種は根本から解決
し,信頼性の高い車両を目指します.大会まで残り 1 か月
となりましたが,チーム一丸となって,とりこぼしのないよう
準備を進めてまいります.
今後とも京都大学フォーミュラプロジェクト KART をよろし
くお願いいたします.
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今月の各班報告
2015 年度 7 月期(第 10 号)
今月の活動概要
関西支部合同試走会
4 日,5 日の 2 日間,関西支部学生フォーミ
しかしながら,初期トラブルを完全には拭い
ュラ委員会の合同試走会に参加してまいりまし
きれていない状況ですので,これからの走行
た.一日目には車検を行い,その後にブレー
会一つ一つを着実にこなし,すべてのトラブル
キテストを行いました.1 日目の車検では車検
の要因を洗い出して,より速く,より信頼性の高
員の方々に 6 月の関西支部主催の車検勉強
いマシンに仕上げていきたいと思います.
会では取り付けていなかったエアロパーツなど
の部品を主にチェックしていただきました.ブ
レーキテストではフルブレーキング中に右フロ
ントのロアアームが座屈し,その後のコース走
行には参加できませんでした.その日のうちに
アームの修理を行い,2 日目に備えました.
2 日目は,前日に大きなトラブルはあったも
ののコース走行に参加することができました.
小雨の中,ブレーキテストに備える
スキッドパッドの後にオートクロスを行い,無事
に走りきることができました.
ビジネスロジックプラン提出
7 日にビジネスロジックプランを提出いたしま
の整合性を確認する役割もあるため,コスト審
した.ビジネスロジックプランとは,今年度から
査やデザイン審査といった他の静的資料との
提出が必要になったプレゼンテーションの事
矛盾を防ぐ必要があります.あくまで事前資料
前資料です.この資料は大会本番で行うプレ
であり得点の対象とはなりませんが,チーム内
ゼンテーションの骨格となるもので,市場調査
でもプレゼンテーション審査の準備を本格的
や経営戦略,目標車両価格や販売台数といっ
に開始する重要な契機となりました.期日内に
た情報をまとめています.また,プレゼンテー
無事提出できましたのでご報告いたします.
ションの要約となるだけでなく,各静的審査間
学自研中部支部主催「走行技術トレーニング」
11,12 日に小笠山運動公園(エコパ)にて
していただきました.コース走行では,足回りの
走行技術トレーニングが行われ,KART からは
セッティングを変更しながら走行し,車両のデ
7 名が参加しました.
ータ収集に努めました.
1 日目は,午後から参加し簡易車検ののち
2 日目は,午前中にスキッドパッド,午後から
コース走行を行いました.車検では,車検員の
は再びコース走行を行いました.スキッドパッド
方に安全に走行できるように車両のチェックを
ではタイヤ空気圧,ダンパー減衰力の調整を
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2015 年度 7 月期(第 10 号)
主に行いながらセッティングを進めました.コ
ース走行では,前日と同様にセッティングを変
更しながら,車両のデータ収集を行いました.
また,大会当日のピットエリアの視察を行い,
車両の移動方法について確認を行いました.
今回の走行会は,車両のデータ収集を十分に
行うことができ有意義なものとなりました.
走行会を開催していただいた愛知工業大学
スキッドパッドの出走を待つ
様,および関係者の皆様にはこの場を借りて
お礼申し上げます.
今月支援していただきました方々
今月は以下の方々にご支援をいただきました.厚く御礼を申し上げますとともに,今後とも温かい
ご声援のほど,よろしく願いいたします.
スポンサー様
医療法人啓信会京都きづ川病院 様
(運搬車両を貸与して頂きました)
山岸本舗 様
(運搬車両を貸与して頂きました)
株式会社ネクスト 様
(協賛価格での販売をしていただきました)
株式会社田中製作所 様
(協賛価格での加工のご支援をいただきました)
ヤンマー株式会社 様
(金銭的支援をいただきました)
サポーター様
澤田 勝利 様
中澤 知哉 様
武田 智行 様
小川 貴臣 様
今月の各班報告
シャシ班
今月シャシ班では,スキッドパッド及びコー
バー角,タイヤ空気圧,フロントのショック,ロ
ス走行におけるセッティングを中心に行いまし
ール剛性をパラメータとして変更しながら,タイ
た.
ムを見てセッティングを模索しました.後半で
先月末に主要なエアロデバイスが搭載され
はコース走行におけるセッティングが主な課題
た後,7 月前半にはスキッドパッド走行を主に
となりました.ドライバーのコメントを元にダンパ
行い,車両のステア特性を調べました.キャン
ーや空気圧を変更し,車載カメラの動画とロガ
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2015 年度 7 月期(第 10 号)
ーデータをドライバーのコメントと照らし合わせ
テアリングギア比のクイック化であり,大会まで
ながら,タイムの向上を図りました.
の残り 1 か月でこれらの問題を解決し,万全の
現在の課題は,ブレーキのフィーリングとス
体制で大会へと臨みます.
エンジン班
今月エンジン班では,吸気系の製作,ステ
次に,車両搭載時に発覚した問題点を解決
アリング電装系の再製作を行いました.
するためにステアリング電装系を再製作しまし
まず過給器の搭載に伴って新規設計した吸
た.以前の回路には,セルを掛ける際にフレー
気系の製作を進めました.過給器本体のギア
ムのグラウンド電位が変動し,マイコンやセン
およびギアボックスにつきましては,株式会社
サ素子が設計通りに作動しなくなるという問題
オキソ様に製作をしていただきました.その他
点がありました.また,プリント基板の設計時の
スロットルボディや,リストリクタ,吸気管等は現
配線ミス等もあり,これらを修正した基盤を設
在製作を進めております.これらが完成した後
計,製作いたしました.来月以降は,動作を走
は,実際に車両に搭載し,走行試験および制
行会で確認し,問題点がないかを確認してい
御マップの作成を進めていきたいと考えており
きたいと考えております.
ます.
エアロダイナミクス班
今月は,エアロデバイスを搭載しての実走
果を生かし切ることができなくなっています.
行と,それを踏まえてのプライマリシャシの最
12 日に行われたエコパ走行会では,一つ目
低地上高の調整及び剛性確保を行いました.
の地面との接触という問題の対策をとりました.
4 日,5 日に行われた関西支部合同走行会
具体的には,リアのマウント点の位置変更のた
が,主要なエアロデバイスを搭載後の初走行と
めにブラケットを再製作し,車両底面と地面と
なりました.コース走行中もプライマリシャシの
のクリアランスを調整しました.これにより,コー
姿勢変化はほとんどなく,今年度新たに採用
ス走行中の車両底面と地面との接触は解決で
したツインシャシ構造が機能していることが確
きました.
認できました.しかし,この走行会で 2 つの問
26 日の走行会では,左右のサイドスカートの
題点があることもわかりました.1 つ目は,車両
底面と地面が接触してしまうことです.レギュレ
ーションで走行中の車両と地面が接触しては
いけないと明記されているため,大会でこのよ
うなことが起きてしまうと失格となります.2 つ目
はフロントノーズとリア周辺のエアロデバイスの
剛性が不足していることです.これにより,エア
ロデバイスによって発生したダウンフォースを
ワイヤによる剛性の向上を狙う
安定してタイヤに伝えることができず,空力効
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2015 年度 7 月期(第 10 号)
間でクロスにワイヤを張ることによって,リア部
8 月の活動としては,フロントノーズの剛性向
の剛性不足の問題の解決を図りました.走行
上と,残りの細かなエアロパーツの製作,塗装
中にワイヤが脱落するという問題が発生しまし
を予定しています.大会本番に向けて,最大
たが,その対策をとれば,剛性不足の問題は
限の空力効果を得られるように仕上げていきま
解決できると考えております.
す.
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