「ソーシャルデザイン入門」が開講されました

やまなし未来創造教育プログラム 地域教養科目「ソーシャルデザイン入門」が開講されました!
9 月 12 日から 16 日の 5 日間、やまなし未来創造教育プログラムの地域教養科目「ソーシャルデザイン入門」が開講され、山
梨県立大学と大月短期大学の合計 10 名が履修してくれました。今回は、授業の様子についてお伝えします。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------初日のソーシャルデザイン概論の講義に引き続き、2 日目は、<視覚的なソーシャルデザインの実践>をテーマに、市販されている
ジュースのパッケージデザインを集め、その特徴等を観察しました。その上で新たなパッケージデザインを考え、各自のデザイン案を作
成しました。
後半の 3 日間は、ソーシャルデザインの基本技能であり、何より自分の人生を豊かにするものである「言葉」のコミュニケーションに
対する感覚を磨いてもらうために、インタビューの技法を学びあいました。その目的は 2 つです。1 つは、言葉のやり取りから自分の中
の”違和感”に気付くこと。もう 1 つは、発した言葉を通じて自分の思考の背後にある「文脈」を捉えることです。
3 日目は、<「共感の前に”違和感”を」インタビューを学ぼう>をテーマに、学生が互いにインタビューをし合い、その様子をビデオで
撮影し、言葉のやり取りやその時の表情を振り返りました。質問、答え、発した言葉の意味、発した理由、その時の心の動きなどを
丁寧に読み解いていきました。
4 日目は、<若手起業家にインタビュー「社会とは、仕事とは、自分とは」>をテーマに、若手起業家でプランナーの宮川史織さん
のオフィスを訪ね、インタビューをさせていただきました。「社会とは、仕事とは、自分とは」をテーマに、2 時間以上にわたって、学生全
員によるリレーインタビューをさせていただきました。インタビューというと、質問に意識が行きがちですが、宮川さんの言葉に耳を澄ませ
ること、その言葉に対する自分の反応を逃さないことを意識してインタビューを行いました。
5 日目は、<それぞれの「ソーシャルデザイン論」をつくりあげる>をテーマに、2 回のインタビューの経験から、言葉を発した時、言葉
を受け取った時の「思考」や「感覚」を振り返ってもらいました。その上で、学生全員が「それぞれのソーシャルデザイン論」を発表して
コメントし合い、講義を締めくくりました。
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【「ソーシャルデザイン入門」を終えて】
「言葉」を丁寧に使うこと、その感覚を大切にすることが他者と
のコミュニケーション、ひいてはソーシャルデザインの第一歩である
ことを学生共々実感できました。「貴重な夏休みを 1 週間返上
して(学生談)」の授業でしたが、市役所のオープンスペース
で、時折、赤ちゃんの泣き声が響き渡る中での楽しい授業でし
た。大学、学部、将来の夢など、異なるバックグラウンドをもつ学
生同士の議論が活発でおもしろく、私自身にもたくさんの”気づ
き”がありました。
(山梨県立大学 准教授 兼清慎一)
子育て支援コースのバスツアーを実施しました!
子育て支援コースでは、昨年度に引き続き、他大学の学生同士の学びの交流や実習先開拓に向けた情報収集を目的に、子
育て支援に興味・関心のある学生を対象とした第 2 回「施設見学バスツアー」を 9 月 8 日(木)に実施しました。
見学先は、甲斐市の竜王ふれあい館をはじめ、笛吹市の御坂児童センターと山梨英和プレ
ストンこども園の3施設を見学するとともに、学生同士のディスカッションも併せて行いました。
まず、竜王ふれあい館では、施設の概要や利用者数等の説明を受け、施設見学を行いまし
た。また、御坂児童センターと山梨英和プレストンこども園では、直接、乳幼児や幼児と触れ
合うことができ、学生にとっては有意義な体験となったようです。最後に学生同士のディスカッシ
ョンを行い、一人ひとりが見学して感じたことや自分たちでできる子育て支援について話し合
い、その中で「ボランティア」や「カウンセリング」、「親子の触れ合いの場の提供」などの提案をし
ながら交流を深めました。なお、学生のアンケート調査では、今回の企画について、ほとんどの
学生が大変有意義又は有意義と回答し、「こどもとかかわる場面で、どうしたら興味を持っても
らえるかなど、自分なりに考えることが出来た。」、「乳幼児とはめったに触れ合う機会がなかった
ので、とても貴重な時間だった。親御さんの意見を直に聞くことが出来た。」等の感想が寄せら
れました。
山梨大学(ものづくりコース幹事大学)工学部 電気電子工学科 教授 大木 真
福島県の出身です。子供のころから電子工作が好きで、趣味が高じて山梨大学で電子工学を
学び、その後東北大学大学院で学位を取得して山梨大学に戻ってきました。山梨県に住んで既
に 26 年になります。
私の専門は「信号処理」と呼ばれています。人間にとって有用な情報は何らかの物理量の変化
(音なら気圧,画像なら光の輝度など)によって伝達・記録されます。これらの物理量の変化の
ことを「信号」と呼び、信号を人間にとって都合の良いように変形することを「信号処理」と呼んでい
ます。現代では、信号の多くはセンサによって電気信号に変換された後、0/1 のディジタル信号に
変換されてコンピュータによって処理されており、「ディジタル信号処理」と呼ばれています。ディジタル
信号処理は、身の回りのテレビ、デジカメ、オーディオ機器、スマートフォンなどにも組み込まれて、広く利用されています。
私の仕事は、どのような処理をしたらより良い信号が得られるかを考えることであり、信号処理アルゴリズムの研究・開発ということに
なります。最近は、信号処理アルゴリズムを設計する際に人間の感覚特性をうまく考慮するにはどうしたら良いか、といったことを研
究しています。
話は変わりますが、山梨大学は COC+ものづくりコースの幹事大学です。ものづくりの根本には、動いているものの仕組みを知りた
いという好奇心と、自ら何かを動かしたいという制作意欲が存在すると思いますし、それは現代産業の存立基盤でもあります。
COC+ものづくりコースでは、「実践ものづくり実習」などの科目を通じてものづくりの実際とその考え方を学んでいただくことを目的に
活動しています。
朝夕はずいぶん涼しくなり始めました。秋は、食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋と、多くの楽しみがあるシーズンです。
初秋の風を感じながら、さわやかなシーズンを楽しみたいと思います。皆様も○○の秋を楽しんでください。