#8076 NEWS FLASH 第51回 米国臨床腫瘍学会 Poster Session 肺がん May 29-June 2, 2015 McCormick Place I Chicago,Illinois EGFR遺伝子変異陽性NSCLCに対するエルロチニブ治療において病勢増悪時の再生検 (Re-Biopsy)の忍容性と耐性獲得機序をプロスペクティブに検討する第Ⅱ相試験 A phase II trial of erlotinib for EGFR mutant NSCLC to prospectively assess biopsy feasibility and acquired resistance at disease progression. Dana-Farber Cancer Institute, Boston, MA Amanda J. Redig et al. Quick Review 2010年2月∼2015年1月に登録されたEGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺癌(NSCLC)を対象に、エルロチニブ(ERL)治療で 病勢増悪を認めた時点でのRe-Biopsyの忍容性と耐性獲得機序について検討したオープンラベル第Ⅱ相試験の結果が報告された。 EGFR-TKI初回治療の患者において、病勢増悪時のRe-Biopsyは73%で施行可能であり、獲得耐性機序の解析に十分な検体を採取 できた。Re-Biopsyは、非増悪部位から検体採取することで、 より安全に施行可能であり、獲得耐性の機序解明に寄与すると考えられた。 ただし、全例にRe-Biopsyを施行できるとは限らず、獲得耐性を非侵襲的に評価し得る方法の確立が望まれる。 図1 試験デザイン 患者 臨床試験 ・ECOG PS 0-1 ・組織学的に確定したステージⅢB(胸水)/ ⅣEGFR 遺伝子変異陽性の進行 NSCLC ・EGFR-TKI の治療歴無し ・未治療あるいは症状コントロール不能な 脳転移を有する患者 ・前治療歴:0-1 ・登録時に再生検の同意有り 図2 目的 ・ERL 150mg/ 日 経口投与、grade3 以上の 有害事象で 2 段階まで減量 ・ベースライン:既往歴、身体所見、臨床検査、 病期診断 ・28 日サイクル:治療経過、身体所見、臨床 検査 ・PD、許容できない有害事象あるいは試験の 同意撤回まで投与継続 主要評価項目 ・再生検の忍容性 ・獲得耐性機序の検討 副次的評価項目 ・再生検の質的評価 ・再生検不可の場合はその理由 患者内訳 Assessed for eligibility n=83 Screen fail n=23 Enrolled n=60 First patient: February 12, 2010 Last patient: January 8, 2015 Data cut-off 15 May 2015 Off study: Progressive disease n=21 Adverse event n=3 Erlotinib 150mg po daily Dose reduced n=31 Ongoing study treatment n=5 Ongoing study treatment n=7 Off study: Progressive disease n=21 Intolerable side effects n=1 Adverse event n=2 ・2010年2月∼2015年1月に60例が登録された。 ・データカットオフ(2015年5月15日)時点で60例中48例がERLの投与を中止していた(病勢進行:43例、有害事象:5例)。病勢増悪時のRe-Biopsyは48例中35例 (73%)で施行され、35例中32例(91%) においてEGFR遺伝子解析に必要な検体を採取できた。 企画・提供: この資材は学会の最新情報を掲載しています。 記載されている薬剤の使用にあたっては、各薬剤の添付文書を参照してください。 1 #8076 NEWS FLASH 第51回 米国臨床腫瘍学会 Poster Session 肺がん May 29-June 2, 2015 McCormick Place I Chicago,Illinois EGFR遺伝子変異陽性NSCLCに対するエルロチニブ治療において病勢増悪時の再生検(Re-Biopsy)の忍容性と 耐性獲得機序をプロスペクティブに検討する第Ⅱ相試験 表1 Median age(range) Sex 表2 患者背景(60 例) 62.5 years(34-90) Female Male 44(73%) 16(27%) Smoking status Never-smokers Former Current 34(57%) 25(42%) 1(1%) Distant metastases Bone Brain Visceral 24(40%) 3(5%) 27(45%) PFS(median) 11.1 months OS(median) 30.4 months EGFR 遺伝子変異の種類(エルロチニブ投与前) Exon 19 deletion 38 Exon 19 insertion 1 L858R 16 L861Q 1 G719A 3 L858R/T790M germline 1 ・年齢中央値は62.5歳、女性が73%、非喫煙者が57%を占めた。 ・無増悪生存期間(PFS)中央値は11.1ヵ月、全生存期間(OS)中央値は30.4ヵ月 であった。 ・ERL投与前に認められた主なEGFR遺伝子変異はexon 19欠失およびL858R であった。 図3 表3 病勢増悪時の Re-Biopsy の状況 n=44 Re-Biopsy 不能の理由 T790M(22) 3例 患者側の拒否 Sufficient tissue, unknown resistance(7) 2例 化学療法または放射線治療への迅速な移行を要したため SCLC transformation(3) 2例 Re-Biopsy 前に死亡 Insufficient tissue(3) 1例 生殖細胞系での T790M 変異 Did not undergo biopsy at progression(9) 1例 安全に Biopsy を施行可能な部位無し ・Re-BiopsyによりEGFR耐性機序が測定できた32例においてT790M変異 (22例)、未知の耐性機序(7例)、小細胞肺癌転化(3例)が検出された。 ・未知の耐性機序が示唆された7例中1例にMET増幅が認められた。 図4 診断時および病勢増悪時のBiopsy部位 (%) 100 80 60 5%(3) 8.3%(5) 20%(12) 5.7%(2) 11.4%(4) 22.8%(8) 11.7%(7) 20 0 Diagnosis biopsy Effusion Pleura 40 55%(33) Distant metastases 60%(21) Lymph node Lung lesion Repeat biopsy ・Re-Biopsy部位は、増悪部が30例、非増悪部が5例であった。非増悪部から採取した全例でT790M変異を認めた。 ・Re-Biopsyによる合併症はなかった。 企画・提供: この資材は学会の最新情報を掲載しています。 記載されている薬剤の使用にあたっては、各薬剤の添付文書を参照してください。 2
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