CSR (2) 企業にまつわる様々な課題 2015・4・14 大室悦賀 Page 1/10 企業買収が問いかけたもの 1.企業買収の話が起きたとき 様々なステイクホルダ-が様々な反応を示す。 ・ライブドア ・村上ファンド 2.日本の独特の株式会社制度 ・株主持合制度⇒株主主義を前面に出されるこ とによる動揺 3.ワンマン経営 西武グループの様々な問題 Page 2/10 会社は誰のものか 1.長期雇用関係をベースとした内部労働市場 グループ内で人材構成されている ⇒会社は労働者のもの 2.株式持合い制度 銀行を中心として、株式の持合 ⇒安定株主工作 3.経営者の関心 中長期的な経営戦略 Page 3/10 日本の会社観を育んだ土壌とは 1.大きな契機は1964年のOECD加盟 自由化することの恐怖感 2.相互持合いグループの成立 芙蓉、第1勧業銀行、三和銀行、新日鉄、日立、トヨタ 3.持合の特徴 ・1社あたりの保有率を少なく ・株主に配慮した経営をすることがなかった Page 4/10 Page 5/10 日本企業とステイクホルダー Page 6/10 情報公開 http://blog.canpan.info/column/archive/78 Page 7/10 日本的企業社会の構図 1.ステークホルダーの内部化 1980年代まで株主、従業員、サプライヤーなどは企 業の内部システム化していた 2.コアメンバーと周縁メンバー ・コア⇒株主持合会社・男性・一次下請 ・周縁⇒個人株主、女性、障害者、2次・ 3.3次下請け企業 4.労働組合 労働組合さえも内部化されてきた Page 8/10 とまらぬ企業犯罪、不祥事 1.日本社会においてはステイクホルダーが企業に取り込まれ るように推移してきた。 コア→労働組合、従業員(長期雇用)、株主持合、一次下請 けなど。 周縁→個人株主、女性・障害者などの従業員など。 系列システム→サプライヤーを系列化し、内部化してきた 2.内部から社長を輩出することやステイクホルダーの内部化 が、監視・批判する機構を構築できないままにあった。 企業組織の風土・体質、社会に対するアカウンタビリティの欠如 Page 9/10 不祥事と「企業行動憲章」 1.経済団体連合会(1991年) 「企業の社会的役割を果たす7原則」 2.1996年に企業行動憲章の改定 副題に社会の信頼と共感を得るために 行動憲章を変えても何も変わらなかった Page 10/10 企業犯罪が消えぬ根底 1.過度の利益追求 問題は利益の量的多寡ではなく、資本主義市場シス テムを前提とした社会経済システムにおいて、企業 のあり方が問われている、ということである。 2.経営者や社員の倫理観の欠如 個人の倫理観やコンプライアンスに対する意識の低 さが原因とされるが、その多くは組織の問題と捉え る必要がある。 経団連等はこれらを倫理綱領等で防ごうとしてきた Page 11/10 近江(現在の滋賀県)に本店を置き江戸から明 治にかけて日本各地で活躍した近江商人。 彼らが信用を得るために大切にしていたのが、 買い手よし 売り手よし 世間よし という「三方よし」の精神でした。 近江商人は「三方よし」をモットーに、自らの利 益のみを求めることなく、多くの人に喜ばれる 商品を提供し続けました。そうして少しずつ 信用を獲得していったのです。 http://www.sanpoyoshi.net/ Page 12/10 さらに彼らは利益が貯まると 無償で橋や学校を建てたりと、 世間の為にも 大いに貢献しました。 つまり三方よしとは 「商いは自らの利益のみならず、 買い手である顧客はもちろん、 世の中にとっても良いものであるべきだ」 という現代の経営哲学にも 通じる考え方なのです。 http://www.sanpoyoshi.net/ Page 13/10
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