解 答

数学検定 第266回準1級2次:数理技能検定
問題1
⑴ 常用対数をとって4563,5460,6357 の大
小を比較する。
解
答
J1−2−1
⑵ 最小の数は6357 である。
log106357 =102.5601の小数部分に着目
log104563 =63log10
10×32
2
=63
(1+2log103− log102)
=63
(1+2×0.4771−0.3010)
=63×1.6532=104.1516
log105460 =60log10
(2×33 )
=60
( log102+3log103)
=60
(0.3010+3×0.4771)
=60×1.7323=103.938
log1063 =57log10(3 ×7)
57
2
=57
(2log103+ log107)
=57
(2×0.4771+0.8451)
=57×1.7993=102.5601
よって
log106357 < log105460 < log104563
であるから
すると
log106357 −102=0.5601
ここで
log103=0.4771
log104=2log102=0.6020
に注意すると
log103< log106357 −102< log104
よって
102+log103<log106357<102+log104
すなわち
3×10102 <6357<4×10102
がわかる。
ゆえに,6357 の桁数は103,最高位の数字
は3である。
(答) 桁数103,最高位の数字3
6357 <5460 <4563
(答) 6357 <5460 <4563
問題2
⑴ △OABに余弦定理を用いて
cos∠AOB=
2
2
2
5 +6 −5
2・5・6
これと a・b =|a|
|b|cos∠AOBより
2
6
a・b = =18
2
cos∠BOC=
3a −4b −2c の大きさを2乗すると
(3a −4b −2c )
・
(3a −4b −2c )
2
2
2
2
−24 a・b +16 b・c −12 c・a
2
6 +7 −6
2・6・7
これと b・c =|b|
|c|cos∠BOCより
2
7
49
b・c = =
2
2
2
条件および ⑴ の結果より,これは
9×25+16×36+4×49
49
25
−24×18+16× −12×
2
2
=807
△OCAに余弦定理を用いて
2
より,−6MN =3a −4b −2c
=9|a| +16|b| +4|c|
△OBCに余弦定理を用いて
2
2
1
1
⑵ MN=ON−OM= b + c − a
3
3
2
2
7 +5 −7
cos∠COA=
2・7・5
これと c・a =|c|
|a|cos∠COAより
2
5
25
c・a = =
2
2
に等しいので
|−6MN|=6|MN|= 807
よって,線分MNの長さは
25
49
(答)a・b =18,b・c = ,c・a =
2
2
807
6
(答)
H2714G02
807
6
J1−2−2
問題3
2
1
π
1+
1+
n
n
8
⑴ (答) Sn =
1
1
⑵ 0<n <n +1より > >0,よって
n
n +1
1
1
1+ >1+ >1
n
n +1
2
2
1+ >1+ >1
n
n +1
π
π
Sn = (1+0)
⑶ lim
(1+0)=
n →∞
8
8
1辺が1の正三角形の面積は
1
3
・1・1・sin60°=
4
2
よって
π
3
3π
÷ =
4
6
8
1.73×3.14
6
辺々をかけて
=
2
1
2
1
> 1+
1+
1+
1+
n
n
n +1
n +1
=0.90536…
⑴の結果より
求める割合は91%である。
(答)91%
Sn > Sn +1
(答)Sn > Sn +1
問題4
⑴ A が逆行列 A−1 をもつとき
⑵ 命題2の対偶
AA =A A =E
「A3 が逆行列をもてば,A は逆行列をもつ」
(E は A と同じ型の単位行列 )
が真であることを示す。
が成り立つ。
A3 の逆行列をC とすると
−1
−1
3
B =(A−1)とおくと
A3C = CA3 =E
3
A B
すなわち
A−1A−1
=AAAA−1A−1A−1 = AA
(AA−1)
A(A2C )=E …①,(CA2)A=E …②
=AAEA−1A−1
が成り立つ。
A
=AAA A =A(AA )
①の両辺に左から CA2 をかけると
=AEA−1 =AA−1 =E
(CA2)A(A2C )=CA2
②を用いると,A2C = CA2 …③
−1
−1
−1
−1
BA3
AA
=A−1A−1A−1AAA =A−1A−1
(A−1A)
①,②,③より,A2C = CA2 は A の逆行列
=A−1A−1EAA
であることがわかる。
A
=A A AA =A (A A)
すなわち,A は逆行列 A2C = CA2 をもつ。
=A−1EA =A−1A = E
対偶が真より,命題2は真である。
−1
−1
−1
−1
すなわち B は A の逆行列である。
3
よって,A が逆行列をもてば,A3 は逆行列
をもつ。
問題5
⑴ 格子点を x ,y 両座標の偶奇で分類すると
(偶,偶)
,
(偶,奇)
,
(奇,偶)
,
(奇,奇)
の4種類になる。
相異なる5格子点の中には,同種の2点が
少なくとも1組含まれる。
この2点をP( a ,b ),Q( c,d )とすると,
a と c の偶奇は一致し,b と d の偶奇も一致
する。
よって a + c,b + d はいずれも偶数であり,
a +c b +d
線分PQの中点 も格子点になる。
,2
2
つまり,P,Qは( 条件A)を満たす。
よって,相異なる5個の格子点の中には,
( 条件A)を満たす2点が必ず含まれる。
⑵ (答)n =10
H2714G02
J1−2−3
問題6
x 2 +ax +4=0 …①
共通解が x =2のとき,② より a =−4
x 2 +2x +2a =0 …②
共通解が x =−1+ 3i または x =−1− 3i
の共通解が満たす方程式を求める。
のとき,いずれのときも x 2 +2x +4=0が成り
1
②より a = − ( x 2 +2x ) …②
2
1
立つので,② より a = − (−4)=2
2
これを①に代入して整理すると
よって,a のとり得る値は−4,2である
2x 2 −( x 2+2x )x +8=0
( a = −4のとき①と②の共通解は x =2のみ,
より
a =2のとき①と②は一致する)。
(x 2 +2x +4)=0
x 3−8=( x −2)
よって,共通解は
(答) a = −4のとき,共通解 x =2
a =2のとき,共通解 x = −1± 3i
x =2,−1± 3i
のいずれかである。
問題7
y = x 2 −2x = x( x −2)
よ り,①と x 軸 の 交
ここで
点は(0,0)
,
(2,0)である。
16
1
V1 = ×4π×4= π
3
3
y = x 2 −2x より y =2x −2,よってℓの方
程式は
y =(2・2−2)
( x −2)=2x −4
2
y=x 2 −2x =
( x −1)−1より,①の軸は x =1
①と直線ℓおよび y 軸で囲まれた図形は下の
図の斜線部分になる。
y =x 2−2x
y = x 2−2x を x について解くと
0≦ x ≦1のとき,x =1− y +1
1≦ x ≦2のとき,x =1+ y +1
( 定義域はいずれも−1≦ y ≦0)
よって
V2
y =2x− 4
y
0
0
2
−1
1
O
−1
−1
0
2
x
2
=π (1+ y +1)dy −π (1− y +1)dy
2
2
dy
=π {
(1+ y +1)−
(1− y +1)}
−1
0
=4π y +1dy
−1
0
−4
3
2
2
8
2 =4π −0 = π
=4π ( y +1)
3
3
3
−1
16
8
8
ゆえに,V = π− π= π 3
3
3
8
(答)V = π
3
よって,底面の半径が2,高さが4の円錐の
体積を V1 とし,y =x 2 −2x(0≦x ≦2)と x 軸
で囲まれた図形を y 軸のまわりに1回転してで
きる回転体の体積を V2 とすると
V =V1−V2
H2714G02