博多港と佐世保港 会長 池田良穂 7 月 15~16 日、佐世保にある西日本流体技研の回流水槽で、摩擦抵抗 50%減を目標とし た船底空気循環槽の実験のために、九州に出張しました。そのついでに、空き時間を見つけ て博多港と佐世保港も覗いてみましたのでご報告します。 博多港 15 日夕刻、福岡空港に着陸する飛行機から博多港に停泊するプリンセスクルーズの「サ ファイア・プリンセス」の姿が見えました。この岸壁は、最近の超大型クルーズ客船には岸 壁の長さが足りないために、係船柱用の施設を海の中に造って、船首の綱をとり、岸壁上を 整備して蒲鉾状の簡易施設を建設して、積極的にクルーズ客船誘致を進めており、今年の入 港船は 260 隻にのぼっています。この急激な増加には、韓国での MERS の影響があったと はいえ、驚異的な数字です。この結果、たくさんの中国人が、博多の街での観光を楽しんで います。出港する同船を見送ってから、私も中州に繰り出しました。 博多港のクルーズ埠頭に停泊する「サファイア・プリンセス」。船首の係船綱のとりかたにご注目されたい。博多港には、 今年、中国人乗客を満載したクルーズ客船が 260 隻余りも入港するという。 翌朝の博多港では、まず、九州郵船の壱岐・対馬航路のジ ェットフォイル「ビーナス」と。 クルーズ埠頭に新設された蒲鉾状のクルーズ用建屋。 給油船が朝から大活躍していた。 釜山航路のカメリアラインの「ニューカメリア」が停泊 していた。 佐世保港 レンタカーで佐世保港に到着する頃には、台風が接近して横殴りの激しい雨が降ってい ました。まずは、佐世保の郊外にある西日本流体技研での実験の立ち合いをしました。200m 級の船舶模型の船底に「空気循環槽」を取り付けての抵抗計測実験で、摩擦抵抗の低減効果 を少しでも上げようとあれこれ工夫をしてみました。その結果、かなり速いスピード(フル ード数で 0.16 程度まで)でも効くようになりましたが、まだ、抵抗削減量は 30%強で、目標 の 50%減までにはもう少しの工夫が必要です。 さて、本題の船の方に話を戻します。ご存じのように佐世保港は、自衛隊と米軍の基地、 佐世保重工をはじめとする造船所の町ですが、同時に上五島や沿岸の各地へのフェリー基 地、そして最近はクルーズ客船の寄港港としても機能しています。 フェリー埠頭は、JR 佐世保駅からすぐのところにあり、ウォーターフロントの整備が進 んでたいへん綺麗な一帯となっています。佐世保に着いた翌朝、フェリー埠頭を訪問してみ ましたが、ほとんどの航路が台風の余波で欠航しており、港にはたくさんのフェリーが停泊 中でした。ただ、湾内や大島に行く高速船だけが就航をしていました。スマホの AIS 探索 ソフト Find Ship で AIS を受信しながらのシップウォッチングでしたが、湾内航路では意 外に AIS を搭載している旅客船が少ないのにちょっと驚きました。旅客船の安全性向上に とって、AIS はかなり強力な武器になると考えていただけに。どんよりとした曇り空でした が、時々、太陽光線が船を照らす瞬間があり、その瞬間を狙って撮影をしました。 西日本流体技研での実験風景 崎戸商船が、佐世保起点の沿岸航路に就航させる「フェ リーみしま」 。なかなか綺麗な小型フェリーです。 九州商船の「シーホーク」と「フェリーなみじ」 海上保安庁の巡視艇と「フェリーみしま」と「フェリーみ しま」 五島産業汽船の上五島航路の高速旅客船「夢咲」。大阪市 港湾局の視察船がその前身のよう。 入港する西海沿岸商船の高速旅客船「れぴーど」。佐世保 と造船の島大島などを結ぶ。大島は橋で結ばれているが、 佐世保の中心からは海上の方が時間短縮となる。 佐世保湾内航路に就航する高速旅客船「せがわ」は、この 日も就航していた。 九州商船の「フェリーなみじ」 自衛艦も続々と入港してきました。こちらは、以外にも AIS でキャッチできました。
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