ハンブルク

ハンブルグ港シップウォッチング
事務局長 池田良穂
ドイツ最大の港町といえばハンブルグ港。エルベ川を河口から 100km 近く遡ったところ
にある河川港です。ずいぶん前から何度も訪問した港ですが、ここしばらくはご無沙汰状態
でした。
11 月末にハンブルグに来たのは、ここで開催される国際会議 Design for Safety で、自動
運航船の研究成果について発表するのが目的でしたが、久しぶりに港も見てみたいと思い、
金曜日夜に到着する飛行機にしました。毎週土曜日に、三菱長崎で建造されたアイーダプリ
マに初対面するも狙ったものでした。かつては夏の季節だけの運航だった北欧州でのクル
ーズが、冬場にも定期的に行われるようになったということなので、ぜひともその状況を見
てみたいと思っていました。
17 時にハンブルグ空港に到着した時には、真っ暗で、かつ濃霧の中での着陸でした。冬
のハンブルグは、16 時には日没、日の出は朝 8 時と、日照時間が短いのでシップウォッチ
ングにはあまり向いていません。アイーダプリマのスケジュールでは、毎週土曜日 8 時に
ハンブルグ港に入港し、18 時出港ですので、明るい時間帯での撮影は無理のよう。停泊中
に、港めぐりの遊覧船に乗って撮影するしかないと考えていました。
宿泊したのは、いつもハンブルグに来た時には宿泊するホテル・ハーフェン・ハンブルグ。
邦訳するとハンブルグ港ホテルとなります、かつての船員会館で、セントパウリ桟橋のすぐ
近くの丘の上にあり、港が眼下に見渡せる絶好の場所にあります。港の見える部屋と指定し
て予約をしておきました。
翌朝、時差ボケのせいで、5 時前に目が覚めました。外は真っ暗で、しかも濃霧で、セン
トパウリ桟橋の名物の時計もうっすらとしか見えない状況でした。スマホの AIS で調べて
みると、この濃霧の中、アイーダプリマは 12 ノット強のスピードでエルベ川を遡ってきて
いました。事前に調べたところでは、ハンブルグ港には 5 ケ所のクルーズターミナルが整
備されており、アイータプリマはシュタインヴェルダーのクルーズターミナルを起点にし
ているようでした。かつてはカイザー・ウィルヘルム・ハーフェン(ウィルヘルム皇帝港)と
呼ばれるハンブルグ港の中心的な場所に造られた新しいクルーズ客船用のターミナルです。
エルベ川の主流からは、南に少し入ったところにあります。
6 時半には、アイーダプリマは、この分岐点に到着し、回頭して後進で 2km ほど進んで、
このターミナルに到着しました。以上は、すべて AIS 情報によるもので、ホテルからは濃
霧でまったく見えませんでした。霧が晴れてから、ようやくはるか遠方に同船の姿が見えま
した。
既定計画通り、港内めぐりの遊覧船に乗ることにしました。ホテルから徒歩 3 分のセン
トパウリ桟橋から、驚くほどたくさんの港めぐりの遊覧船がでています。いずれも 1 時間
の航海で、大きな船では中で軽食や飲み物がとれます。たくさんの中から、デッキで撮影が
しやすそうな「ファンタシア」という船を選びました。チケットを買う前に、アイータプリ
マの近くに行くかを確認すると、
「間近でみられるよ!」とのことだったので、船賃の 20 ユ
ーロを支払って飛び乗りました。
船は下流に向かい、まずコンテナターミナルを回りました。驚いたことに 1 万 TEU を超
えるツーアイランダー型の超大型コンテナ船が 3 隻も荷役しているではありませんか。エ
ルベ川を 100km も遡ったところにあるにもかかわらず、欧州のハブ港として機能している
のです。東欧州へのコンテナのハブとしては、絶好の位置にあるせいでしょう。
翌日の日曜日には、同じ会議に出席する梅田会長と合流して一緒に、港めぐりの遊覧船に
乗りましたが、この日にも、超大型コンテナ船が 2 隻荷役をしていました。
さて、土曜日 18 時に出港する予定のアイーダプリマが、なかなか出港しません。深夜に
なっても停泊したままでした。眼下のブローム&フォス造船所の乾ドックには P&O クルー
ズの「オリアナ」がやってきて入渠しました。また、フレッド・オルセンの「ブラック・ウ
ォッチ」も同じ造船所の浮きドックに入っていました。
翌朝、8 時にアイーダプリマが動き出すのに梅田会長が気が付いて、知らせていただき、
ホテルのある丘の一画から、エルベ川を下る姿をカメラに収めることができました。
CMA CGM の超大型コンテナ船 2 隻が並ん
新クルーズターミナルに停泊する「アイー
で荷役中。
ダプリマ」
COSCO の超大型コンテナ船も荷役中
浮きドックで修理中の「ブラックウォッチ」
出港してエルベ川を下る「アイーダプリマ」
夜の間に乾ドックに入渠した「オリアナ」
ホテルの窓から見たセントパウリ桟橋の時
ルイジアナスターの船内
計塔
たくさんの遊覧船がつくセントパウリ桟橋
日曜に乗船した遊覧船「ルイジアナスター」
水上バスもたくさん運航されている
マースクの中大型コンテナ船も荷役中
クルーズターミナル・アルトナ
水上バス
タグボート基地
保存貨物船
砕氷船
保存帆船