2015 年 6 月 3 日 一般質問 杉浦明道 南米開教と真宗の国際化 最 初 に 、南 米 開 教 と 真 宗 の 国 際 化 に つ い て 伺 い ま す 。1952 年 8 月 の 開 教 宣 言 に は じ ま っ た 南 米 開 教 は 、今 年 で 63 年 に な り ま す 。現 在 、南 米 開 教 区 に は 、ブ ラ ジ ル 別 院 南 米 本 願 寺 を 中 心 と し て 、南 米 大 陸 各 地 に 26 ヶ 所 の 寺 院 や 布 教 所 な どがあります。そして、その歩みの中で、たくさんの真宗門徒が誕生してきま した。しかし、その真宗門徒にとって大きな出来事が起こりました。それは、 1990 年 6 月 の 「 入 管 法 (出 入 国 管 理 及 び 難 民 認 定 法 )」 の 改 定 で し た 。 その改定入管法は、日系人の出稼ぎに拍車をかけたと同時に、アジア人労働 者に対しても大きな影響を与えました。それは、単純労働者の入国および定住 は認めないとする以前からの原則を維持する一方で、日系二世、三世やその家 族の就労が合法化されたのです。そのため、合法的な外国人労働者を雇用しよ うとする企業主側の需要が高まり、ブラジルなどの南米諸国から来日する労働 者が急増したのです。改定入管法では、日系二世、三世には、単純労働が認め られる身分資格としての「日本人の配偶者等」や新設の「定住者」という在留 資格が与えられたからです。 では、なぜ日系人であったのでしょうか。そこには日本人の「血」の問題が 見 え 隠 れ し て い ま す 。 そ の こ と を 端 的 に 示 し て い る の が 、 1989 年 11 月 に 、 政 府自民党の外国人労働者問題特別委員会がまとめた「進めたい日系人の特別受 け入れ」に見ることができると思います。そこには、次のような記述がありま す。「文化、風土の違うアジア人を大量に受け入れると人種差別など摩擦が起 こりやすく、単一民族国家が崩れてしまう。・・・しかし日系人ならば、たと え国籍が違っていても同胞として受け入れやすいはずだ」とあるのです。 このように、改定入管法は、アジア人の排除と同時に日系人や南米開教区の 真 宗 門 徒 に も 大 き な 影 響 を 与 え ま し た 。25 年 間 に 、の べ 200 万 人 を 超 え る 日 系 人 や そ の 家 族 が 海 を 渡 っ て き た の で す 。ま た 、2014 年 末 の 外 国 人 登 録 を し て い る ブ ラ ジ ル 国 籍 の 人 は 、全 国 で 175,410 人 で す 。し か し 、25 年 前 と 違 う こ と は 、 そ の 内 の 111,077 人 (約 62% ) が 「 永 住 者 」 と い う 在 留 資 格 で あ る こ と で す 。 このことの意味するところは、ブラジル国籍の多くの人たちが日本での長期の 定住、あるいは、永住を希望しているということではないでしょうか。 さて、私たち宗門は、これまで海を渡ってきた日系人や真宗門徒に対する支 援 、あ る い は 関 わ り を 持 っ て き た で し ょ う か 。確 か に 、90 年 代 に は 、一 部 の 地 域においてはそのような動きがありましたが、現在はほとんどないように思い ます。南米開教の課題とは、南米開教区だけの問題ではなく、日本国内におけ る問題も課題とされねばならないと思います。これこそ、真宗の国際化という ことの課題でもあると考えます。 現 在 、宗 門 は 、ブ ラ ジ ル 国 籍 の 日 系 人 や 真 宗 門 徒 の 日 本 国 内 の 実 態 に つ い て 、 どのくらい把握されておられるでしょうか。また、それらの人々に対する支援 や関わりについて、どのように考えておられるでしょうか。お答えいただきた いと思います。 辺野古支援と非戦平和の声明について 次に、辺野古支援と非戦平和の声明について伺います。宗務総長演説にあり ま し た よ う に 、4 月 8 日 に は 、「 第 18 回 非 戦・平 和 沖 縄 研 修 会 な ら び に 沖 縄 戦 70 周 年 追 弔 法 会 」 が 開 催 さ れ ま し た 。 こ の 沖 縄 研 修 に は 里 雄 総 長 も 参 加 さ れ 、 そ の「 沖 縄 戦 70 周 年 追 弔 法 会 」の 挨 拶 の 中 で 、総 長 は 、「 こ こ 沖 縄 に お い て は 、 米軍基地の問題が、たいへん大きな、深い痛みをともなって、現実的に、問わ れ続けています」と述べられています。 ま た 、 私 た ち 東 海 ブ ロ ッ ク の 議 員 た ち も 、 4 月 21 日 か ら 23 日 ま で 、 沖 縄 研 修に参加し、辺野古や米軍基地の島である伊江島などを訪れました。その研修 の中で、辺野古新基地建設とは、世界一危険と言われている普天間基地の移転 ということではなく、より軍事力を持った新基地建設ということを改めて知ら されました。それは同時に、基地の固定化を意味するのです。沖縄戦終決から 70 年 、「 基 地 の な い 島 」を 願 っ て き た 沖 縄 の 人 々 の 思 い を 、ま た し て も 裏 切 っ てよいでしょうか。本土の日本人に安全を提供するために、沖縄の人々から安 全 を 奪 っ て も よ い で し ょ う か 。今 な お 、日 本 全 体 の 約 74% の ア メ リ カ の 軍 事 施 設 が 置 か れ て い る と い う 現 状 を 考 え れ ば 、お の ず と 理 解 さ れ る と こ ろ で し ょ う 。 そこで、私たち宗門は、辺野古新基地建設に反対を表明している沖縄の人々 への支援、また沖縄を見据えた「非戦平和の声明」をすべきであると考えます が、いかがでしょうか。さらに、もうまもなく、沖縄の人々にとって重要な意 味 を 持 つ 6 月 23 日 が や っ て き ま す 。 い ま 一 度 、 6 月 23 日 に 沖 縄 別 院 に お い て 「 沖 縄 戦 70 周 年 追 弔 法 会 」を 開 く べ き か と 思 い ま す が 、い か が で し ょ う か 。お 答えいただきたいと思います。 真宗教化センターの相談窓口業務について 次に、真宗教化センターの相談窓口業務について伺います。真宗教化センタ ー「しんらん交流館」で展開する事業の一つとして、相談窓口業務が開設され ます。これは、「しんらん交流館」が市民に開かれた運営を期していく上でも 重要な業務となると思います。 今回、宗会に提出されました資料「真宗教化センター業務について」にあり ま す 相 談 窓 口 業 務 の 中 に は 、 「 2015 年 度 上 半 期 を ス タ ッ フ 養 成 の 研 修 期 間 と し、下半期に窓口開設を目指して、首都圏で展開するココロダイヤルや名古屋 別院の老いと病の相談室等との連携、あるいは法律事務所や自死対策支援を行 っている窓口等の宗門内外との連携確立の準備を進める」とあります。 そこで、相談窓口業務としては、電話相談、メール相談、面談相談などが考 えられますが、相談スタッフとなっていただける人材はどのように発掘してい くのでしょうか。また、スタッフ養成はどのような研修のもと行われるのでし ょうか。相談窓口業務はいったん始めたら、とうぜん途中でやめることはでき ません。ですから、半年ぐらいの研修期間でスタッフ養成をするのではなく、 窓口開設の時期を遅らしてでも、きちんとしたスタッフ養成をすべきだと思い ますが、いかがでしょうか。 また、「しんらん交流館」が市民に開かれた運営を期していくということで あれば、臨床心理士の配置ということも大事ですが、京都弁護士会等との連携 をとり、無料の法律相談にも取り組んでいただきたいと考えますが、いかがで しょうか。以上のことについて、お答えいただきたいと思います。
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