ユニオン東京合同 機関紙 と う 闘 華 2015 年 8 月 10 日発行 No.97 発 行:ユニオン東京合同 発行人:佐藤陽治 か 闘 華 東京都千代田区三崎町 2-17-8 皆川ビル 301 朔気付 TEL&FAX 03-3262-4440 メール [email protected] ブログ http://blog.union-tg.org/ ホームページ http://www.union-tg.org/utg/ 郵便振替 00110-8ー120661 暑い中連日、全国各地で戦争法案反対のデモが行われ、国会前には大勢の人が「アベ政治を許さない」 「戦争 法案NO!」を掲げて労働者階級の反戦の意志を表している。 安倍は数の力をもって衆院で戦争法案を強行採決し参議院に法案を送ったが、そのことは政権支持率をどんど ん低落させた。国立競技場問題の「白紙撤回」についても、文科大臣の責任を問われると文科省のスポーツ・青 少年局長を辞職させただけ、またも総理のお友達から問題が出てきた。そして磯崎首相補佐官の「法的安定性は 関係ない」発言にも労働者民衆は怒り心頭だ。憲法違反を承知でやっていることが、民衆に透けて見えた。 昨年7月にあたかもクーデターのように憲法解釈をすり変えて、日本を戦争する国にしようとする事態が誰の 目にも明らかになり、 「60日ルールを使っても今国会で通したい」というような、安倍の強行姿勢に、絶対反 対することを1年間かけて日本の労働者階級ははっきりさせたのだ。それを安倍は、 「国民の理解が進んでいな い」と自民党「理解促進委員会」を立ち上げ、各地の議員に説明できるようにしようとしているが、若者、学生、 労働者は安倍の説明を理解しているからこそ、猛然と反対に立ち上がっているのだ。 7月28日から、戦争法案を審議する参議院の特別委員会が始まったが、連日の特別委員会での野党からの質 問に対する安倍の答弁は、憲法の解釈変更という歯止めを欠いた法案の危うさを露呈している。安倍は答弁で、 「戦争に巻き込まれることは絶対にない」 「徴兵制、全くあり得ない今後もない」 「専守防衛、いささかの変更も ない」と断言するようになってきたのは国民の「理解が進んでいる」ことへの焦りからだが、労働者階級が明確 にしているのは、解釈で戦争できる国に変えることが可能になってしまうことへの明確なNOなのだ。明らかに 集団的自衛権の行使はできないとしてきたことを、憲法解釈で変更できると安倍政権で変えさせてはならない。 アベとその政治を許したら、民主主義社会、法治国家は護れない。そこまで、理解は進んでいる。 安倍政権は強行姿勢であるが、我々労働者はあきらめてはだめだ。ユニオン東京合同は、安倍政権を打倒し、 戦争法案を廃案にするために闘う。広く多くの人が合点いくスローガンひとつで闘いは動く、そうした時代と取 り組んで闘う。労働者の階級的意志として「戦争絶 対NO! 集団的自衛権絶対許さない」を示そう。 戦争法案反対のデモに参加しよう、参議院で野党は、 戦争絶対反対のために闘え、参議院で事態をひっく り返せ。60日ルールの事態になったら、野党は戦 争絶対反対の立場で、安倍とそのとりまきへの不信 任決議案の連発を行え。決着は、階級的実力でつけ る。 安倍政権と対決し、絶対に戦争する国にしてはい けない。国会前に集まろう。各地で戦争法案反対の デモで怒りを突きつけ、戦争法案を廃案にしょう。 - 1 - ユニオン東京合同 機関紙 闘 華 2015 年 8 月 10 日発行 ■■ブ リ タ ニ カ 分 会 か ら■■ 7月23日(木)午後3時から4時まで、ブリタニ カ団交要求行動を行った。この7月23日は、先の6 月27日に行った奥井社長の自宅への団交開催要求書 提出闘争で、奥井社長に直接手渡しした団交要求書で の、団交開催要求日であった。その日の午後7時から、 会社会議室での開催を要求していたが、奥井社長は相 変わらず無視する対応で、何の回答も無かったので、 開催を確認する意味も込めて午後3時から行った。奥 井社長は団交要求書を受け取る際に、 「受け取りまし た。 」と言いながら受け取ったので、回答する一抹の期 待もあったが、やはり、 「関係ない」という意図での無 視を続けたのだ。 案の定、奥井社長への申入れに対して、これまでと 同じ「奥井社長はいません」との応答で、労務担当の 原尻氏も「いない」との決まり文句の返事であった。 中労委の再審査申立は却下されたが、奥井社長の解 雇責任は消えることはない。引き続きブリタニカ・ジ ャパンに、団交を通じて争議を解決させるために、1 時間の社前情宣を通して、我々はあらゆる手段をつく して闘うことを訴えた。 ■■手をつなぐ育成会分会から■■ 7月16日(木) 。 組合は、都労委に準備書面(7)を提出。 主に被申立人育成会連合会は、準備書面(1)で、 「偽装解散の法理」 、 「実質的同一性の法理」の、2つ の法理をあげて、 「被申立人育成会連合会は、これには 妥当しない」と主張したので、その反論を軸に組合の 準備書面(7)では、解雇に係る法理の主張を行った。 育成会連合会は、妥当しない理由に「団体の性質、 団体の設立の経緯等」を上げたが、実体からすれば、 まさに「団体の性質、団体の設立の経緯」ゆえに、実 質的同一性が明らかである。なお、 「団体の性質が違う 点について、全日本育成会が社会福祉法人であった一 方、育成会連合会は、法人格を有しない任意団体であ る」ことを上げたが、全日本育成会の社会福祉法人格 が形骸化して、不適合化していて、実際は社団法人的 な活動内容となっていたことにより、いつまでも社会 福祉法人でいることは不適正な状態までになっていた。 すでに職員で社会福祉事業を担当している者はいない 状況で、ほとんどが公益事業を行っていたので法人格 の返上をすることになったことからして、団体の法形 - 2 No.97 式が違っているのは当然であるので、法形式の違いを もって言い逃れることはできない。 全日本育成会が社会福祉法人の解散を言い出した本 来の事情からは、活動の安定性や、社会的な信用度、 会費収入、分担金収入があるのだから、任意団体でい ることのほうが不自然である。実際の事情として、連 合会の法人格について、2014年3月20日までは、 「6月以降、社団法人」の案があったが3月25日ま でに、 「任意団体」へと計画が変わっているのは組合・ 労働者対策であったからで、もともとは、社団法人を 検討していたおり、社団法人的な活動と財政の実態に なっていたのだから、社団法人になるのが自然な流れ である。 また、団体の設立の経緯は、6月1日に規約上設立 し、事務所を移転、6月2日には口座の開設を行い、 会長ほか副会長、統括も6月1日から着任して活動を 開始しているにも関わらず、労働委員会には「設立の 経緯からして使用者性は妥当しない」としているのだ。 このように被申立人育成会連合会の主張は事実から 乖離している。事実から見据えれば、 (別団体の場合で も)偽装解散の法理の①組合潰しの意図、②実質的に 同じ事業が続いていることの2つがそろい、偽装解散 の法理が該当し、解雇を無効として、バックペイの支 払いを命じ、使用者としての地位が承継し雇用責任が 生じる。そして、実質的同一性の法理は、実質的に同 じ業務を行っている場合に、団交応諾義務が課せられ るという法理が成り立つのである。 これらのことを準備書面(7)において整理した。 7月22日(水) 。都労委の第8回調査。 この日、組合は調査において、被申立人両会が、偽 装性を剥ぐられることをガードして事実を隠蔽してい るので、事件の全面的解明が難しいことを明らかにし た。このことをめぐるやりとりから、まもなく提出す る予定の準備書面(8)に被申立人両会に対しての事 実の確認や、提出を求める釈明要求を加えることにな った。 そして、組合は次の準備書面(9)として、解雇以 外の不当労働行為を示す内容と、法的な位置づけ(労 組法7条の何号にあたるか)をまとめることにした。 このようにして、組合の準備書面(8)のすみやか な提出を前提に、組合は、次回までに準備書面(9) を用意し、被申立人両会には、組合の準備書面(8) への反論と、釈明要求に対し回答するように宿題が出 された。 次回の第9回調査は、9月16日(水)10時~ - ユニオン東京合同 機関紙 闘 華 2015 年 8 月 10 日発行 7月27日(月) 。 組合は、都労委に、準備書面(8)を提出した。被 申立人全日本育成会準備書面(3) (4)への認否・反 論と、被申立人育成会連合会準備書面(1)3~6ペ ージ、準備書面(2)に対し、認否・反論と、被申立 人両会に対し、事実を明らかにするための事実の確認 や、提出を求める釈明要求を行った。これらは、被申 立人両会が団交を拒否していることによって、事実を 明らかにしないがために起きていることである。団交 で説明責任を果たし、資料の提供など行っていれば、 このようなことになっていない。これらによって、4 9ページになったが、そのうち、釈明を求めるものの 内容の一部を紹介する。 1)全日本育成会に対して。 5月23日の参議院議員会館で行われた全日本育成 会の理事会、評議員会の各議事録と、同日行われた評 議員らによる会合で、田中正博常務理事が被申立人育 成会連合会の発足に向けた準備会の立ち上げや、正式 な発足見込み時期、手順などを協議し、同席者が賛意 を示したとする会議の議事録の提出や、国際育成会連 盟を含む関係諸団体への解散の連絡と、事務所閉鎖の 案内の内容など。 2)育成会連合会に対して。 5月23日に、参議院議員会館で全国手をつなぐ育 成会連合会設立発足準備会が開催された議事録の提出、 国際育成会連盟、日本発達障害連盟、全国心身障害児 福祉財団など関係団体への全日本育成会と、育成会連 合会の関係である。 a)全日本育成会が脱退し、全国連合会が加入したのか。 b)全日本育成会の継続とし、全国連合会が入ったのか。 ※ そして、重要な問題として、育成会連合会の業務 を誰がどこでやっているのか、である。直接雇用して なくて業務委託であっても、連合会の業務としてある のだから、業務分担を示すべきである。育成会連合会 の会計、会員管理をどこで誰がやっているか、機関誌 「手をつなぐ」の作成は誰が、 どこでやっているのか? など。 釈明を求めた点はほかにもあるが、被申立人両会は 明確に釈明に回答されたい、とした。 No.97 7 月末までが期限となっていたが、両会が期限破りを 足並みそろえたかのように、被告全国連合会が8月5 日提出、被告全日本育成会が8月6日に提出となった。 被告全日本育成会は、これまで裁判所に提出してき た主張のリフレインで、基本的に新たな説明はない様 子である。使用者側代理人弁護士が同じ内容をくり返 し書面にして水増し請求することは、もう珍しいこと ではないが、薄気味悪いこと、この上ない。ただ、そ の中で、 「4月以降会費収入を得られなくなったため、 理事有志から金員を借り入て急場をしのいだ。厚生労 働大臣の解散認可が得られるまでの間の諸費用のため の資金が不足することが考えられたため5月23日の 理事会でつなぎ的な融資として2000万円を借りる のであって運転資金ではない。 」としたのは新たな主張 で、これには呆れざるを得ない。 4月以降会費を新しい連合体に入れるように指示し たのは、久保理事長、田中常務理事である。つまり、 会費収入が入らないようにしたのだから、久保理事長 らの背任行為というべきであり、被告の「倒産状態」 「債務超過」の主張は、会費が入らないことを理由に したことで「偽装倒産」だったことになる。そして、 負債がいくらあるのかも、債権者リストも提出はない。 また原告2名は、勤続年数が長く、昔は職員の退職 金は中退金に積み立てていたので支払われたが、その ほかの労働者には2007年以降中退金には入ってい なかったらしく被告全日本育成会が支払うことになっ ていたが労働債権を優先して支払ったのかどうかだが、 今回の準備書面(2)を見る限り、理事有志らの借入 への返済を優先したことが明らかになっている。 なにより「ホップ、ステップ、ジャンプ」の組織変 更についての説明から逃げてしまっていること。 「社会 福祉法人が合わなくなった」という点だけの説明に留 めた。そして、事業の承継についても触れていない。 被告全日本育成会は、もう説明を放棄したようである。 被告全日本育成会の主張からしたら、確かに説明は不 可能なのだ。代理人弁護士らの思考停止とでも言わざ る得ないような、賃金カット事件控訴審での展開と極 似パターンである。第2ラウンドで早くも、リングで 8月5,6日 解雇無効裁判 被告側の各準備書面 足がふらつきだした。 (2)が提出されたが、その内容で「謀議」が明らか 一方、被告全国連合会は、準備書面(2)で、法的 になってきた。 枠組みの説明に終始し、事実実態についての説明は、 不当解雇された労働者2名が原告となっている解雇 「原告らの主張は事実に反する」というような、原告 無効確認裁判では、今回は被告両会からの準備書面は を否定する空文句ばかりで、事実・実態の説明は証拠 - 3 - ユニオン東京合同 機関紙 闘 華 2015 年 8 月 10 日発行 怒りの声と深く結びついて労働運動を甦らせる力にな ろうとしていることを恐れたのだ。満腔の怒りをこめ て棄却決定を弾劾する。われわれは闘いの旗を降ろさ ない。解雇撤回の日まで闘い続けることを決意する。 (中略) と乖離するものとなっている。たとえば、 「全日本育成 会の役員が連合会の役員にスライドした」と、原告は、 2014年5月23日の評議員会議長を行った沖縄県 育成会の会報を証拠に提出して、役員の選出について は(議長であった人物の表現を踏襲して) 、 「スライド した」と記載したところ、全国連合会は「スライドで 最高裁は採用差別が不当労働行為であったことを認 めざるをえなかったのだ。上告棄却によって最高裁が 確定させた高裁判決は、次のとおり明確に不当労働行 為を認定している。 「国鉄は当初、動労千葉所属の組合員をも基本的には 採用候補者名簿に記載する方針で名簿の作成を進めて いたにもかかわらず、改革労協側の姿勢に触発される などして、国鉄分割・民営化に反対する姿勢を示して いた労働組合に所属する職員を、このような労働組合 に所属していること自体を理由として、差別して不利 益に扱う目的、動機(不当労働行為意思)の下に、本 件名簿不記載基準を策定し、JR東日本の採用候補者 名簿に記載しなかったものと推認するのが相当であ る」。 これは「国鉄改革」の正当性を根底から揺るがす事実 認定だ。なぜなら、国鉄分割・民営化は、国鉄改革法 により、新会社への国鉄労働者の異動を「新規採用」 とすることによって、中曽根の狙いどおり、戦後最大 の労働運動解体攻撃となったからだ。 その採用候補者名簿自体が不当労働行為意思の下につ くられていたことが明らかになったのだ。そして最高 裁もそれを認めざるを得なかったのである。虚構は全 部崩れ落ちたのだ。 ところが、高裁・難波判決は、「JRは雇用契約締 結の自由を有しており、採用候補者名簿に記載される ことが、直ちに同社に採用されることを意味するもの ではない」「名簿に記載された者が全員採用されてい るのは事実だが、名簿作成の前提が変われば全員採用 されていたかは明らかではない」「しかし、本件の事 実関係の下では、原告らが採用された可能性は相当程 度にあったことも否定できない」と言いつのり、解雇 撤回・JR復帰を否定して慰謝料の支払いだけを命じ た。「判決」の名に値しない詭弁だ。 不当労働行為によって解雇されたのになぜ解雇撤回で はないのか。しかも、われわれは「不採用基準」が、 井手、葛西ら当時の国鉄幹部とJR設立委員長が共謀 して作られたものであることをつきとめ、揺るがぬ証 拠を提出した。しかし、高裁も最高裁も、この重大な 事実を完全に無視した。なぜか。「不採用の責任はJ Rに及ばない」「国鉄とJRに同一性はない」という ない」と言ったきり、どのような役員の選出方法で選 出したかは、何も書いてないのである。事実・実態に 少しも近づくものでもなく、ただ「主張してみるだけ」 、 だ。 そして労働委員会で問題となっている「著作権譲渡 契約書」には6月1日付けとなっているが、これはバ ックデートであると主張し、労働委員会の第7回調査 では、実際の締結日は「8月に入ってからであった」 「詳細については調査中」としたので、組合が「7月 25日の救済申立てした後になって、両会で著作権譲 渡契約書を締結した」のであったと事実を整理したら、 今回の裁判の準備書面(2)では、実際の締結は「7 月下旬」と労働委員会での記載とはすり替えてきたも のだが、両会において契約書への記名押印の記録の記 憶がフラフラと定まらないという。愚が極まりない、 のた打ち回りである。両会の謀議と、そのしっぽはま すます明らかになってきている。 次回の裁判の弁論準備は、8月12日(水)である。 ◆1047名解雇撤回闘争報告◆ JR採用差別事件の上告棄却を弾劾する 闘いはこれからだ 以下は、動労千葉のHPに掲載されている声明文のダ イジェスト版です。是非、HPをご覧ください。 http://www.doro-chiba.org/ 6月30日、最高裁第三小法廷・大谷裁判長は、J R採用差別事件について、組合側、鉄道運輸機構側双 方の上告を棄却し、上告審として受理しないとの決定 を下した(7月2日送達)。 高裁・難波判決から1年9ヵ月を費やして出された 決定に書かれた「理由」はわずか7行。「民訴法の各 条項に規定する上告事由に該当しない、受理すべきも のとは認められない」。ただそれだけだ。最高裁は真 実に追いつめられ、権力者たちにとって不都合な真実 から逃げ、覆い隠すためにこの決定を下したのだ。 ついに 10 万筆をこえた解雇撤回を求める署名を提出 したばかりであった。最高裁は、国鉄闘争がいよいよ - No.97 4 - ユニオン東京合同 機関紙 闘 華 2015 年 8 月 10 日発行 主張が崩壊するからだ。 さらに最高裁は、「採用」過程で団体交渉権が喪失す ることや、労基法で禁止されている労働組合運動に関 する通信が公然と行なわれること等、改革法 23 条の違 憲性を示す様々な事実についても「違憲を言うが、そ の実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するもの であって上告事由に該当しない」というひと言で切り 捨てた。 つまり、真実の前にグラグラに揺らぎながら、どんな 手段を使っても国鉄改革法体制を護持するというのが 今回の棄却決定の正体に他ならない。(中略) No.97 ている。六ヶ所村再処理工場、むつ中間貯蔵施設、大 間原発がとりわけ核燃サイクルの主要環である。他に 東通村には、東北電力(一基は現在ストップ、再稼動 を狙いもう一基は計画中)と東京電力(二基とも計画 中)の原発がある。青森の仲間は、とりわけここ数年、 六ヶ所でできるプルトニウムを燃やすためにだけある といって過言ではない大間原発を止めるために町民の 多くの人にも働きかけ、反対運動を前進させてきた。 現在、建設工事は38%の進捗率であるが、電源開 発はあくまで工事を進めている。 炉心 300 メートルの直近に“あさこはうす”がある。 地元の反対の人々が次々と切り崩され、建設に同意 していく中で、あくまで“海を守ること”を固い信念 として闘ってきた熊谷朝子さんが残した抵抗の拠点で ある。 闘いは何ひとつ終わっていない。闘いの旗を降ろす ことはできない。闘いはこれからだ。全国からの暖か い支援・連帯の力によって支えられ、守りぬいてきた 国鉄闘争が本当の意味で力をもつのはこれからだ。わ れわれは、解雇撤回、外注阻止、第二の分割・民営化 攻撃粉砕、階級的労働運動の再生に向け、全力を尽く して闘いを強化する。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 以上は、最高裁棄却に対する動労千葉の声明の一部 であるが、高裁判決から、1 年9か月の時間をかけて、 7 行の「民訴法上の上告事項に該当しない」と切り捨 てた理由に込められた、「不当労働行為意思の存在」 は消すことができない。国鉄改革法の元で行われた国 家的不当労働行為であるため、不当労働行為も不当労 働行為ではなくなるから、民訴法上の上告事項に該当 しないということだろうか。 それでは、まるで戦争する国にしたい安倍を見透か した民衆が「戦争法案」と指摘し反対の声を上げたら、 「戦争法案ということ自体、事実と違う」という安倍 に似ている。 時はまさに、国会で戦争法案反対に多くの国民が立 ち上がっている中で、この決定が出てきたことが象徴 的であると思う。そして、今回の棄却が、国鉄とJR との謀議であることの証拠と主張を無視した形の命令 には、到底容認できない。闘いは、これからだ。解雇 撤回に向けて団結してがんばろう。 第8回大間原発反対現地行動は力強く勝ち取られた 第 8 回を迎えた大間原発反対現地行動は、これまで と違った町民の反応が感じられ、デモ行進にも元気が 湧く。この背景には、原発から津軽海峡をへだてて3 0㌔メートルにある函館市民の函館地裁への差し止め 請求裁判や、ついに函館市そのものが東京地裁へ差し 止め請求を提出、現在東京で審理中ということも大い にある。前夜、大間町内で開かれた講演会は、アーサ ー・ビナードさんのわかりやすい核と原発の話を聞け て、非常に良かった。 19~20日にかけて、同時に開催された“大マグ ロック”は闘うミュージシャンの熱意であふれていた。 ◆ユニオン東京合同闘争報告◆ 大間原発反対!7 月町内デモ成功! 7月19~20日にかけて、フルモックスの大間原 発反対のため、大間原発反対現地集会実行委員会主催 の現地行動を闘った。 青森下北半島には、とりわけ核と軍事基地が集中し - 5 今、九州の川内原発がまさに再稼動しようとしてい る。一方、安倍政権は 9 月中旬まで延長してでも戦争 法案を参議院で成立させようとしている。 戦争と軍事基地の集中する青森の闘いは、県民はも とより、核と戦争をなくそうとする全国の労働者民衆 - ユニオン東京合同 機関紙 闘 華 2015 年 8 月 10 日発行 No.97 の必須の闘いである。 研究所などが、広島・長崎の被爆者を対象に、「協力し ないと米軍軍法会議にかける」と脅し、研究用モルモッ トにしてデータを集め、公表せずに米国防総省や原子 力委員会、エネルギー省へ集積した。これらのデータ が核兵器、原発の開発に利用されている。 7月25日午後6時半より、8・6広島-8・9長崎反 これと同じようなことが、2011年のフクシマで 戦反核闘争全国統一実行委員会主催の、反戦反核東京 行われている。放射能被災実態は隠され、復興資金か 集会が、渋谷区立勤労福祉会館で開催された。講師に、 ら500億円を使って東北メディカル・メガバンク機 大阪高槻市やまぐちクリニック医師、山口健一郎さん 構が発足された。100万人のゲノム調査が、当面は を迎え、 「長崎原発・被爆の実態と永井隆氏の功罪」と 宮城県、岩手県沿岸部の大地震被災者を対象として着 題する講演をメインに、2つの特別報告があり、2時 手され、いずれ福島の原発被爆者を対象とした遺伝子 間30分の短い時間ながら密度の濃い集会がもたれた。 調査も行われよう。そして、それらの研究成果は、製 冒頭に、主催者であり呼びかけ人の、第5福竜丸元 薬、医療機器,IT企業へと流れ、新薬開発の莫大な 乗組員、大石又七さんから、 「軍国主義につながる60 利益追求に使われることになる。「ヒロシマ・ナガサキ」 年安保を強行成立させた祖父岸信介から、アメリカの から「フクシマ」をみよう。 」と結んだ。 言いなりで戦争準備を推し進める現安倍首相につなが る安倍一族に、日本が滅ぼされようとしている。与党 原発並べて自衛戦争はできない 政治家の皆さん、関ヶ原の時代ではない、核兵器の時 次に、休憩、カンパ要請を挟んで、後半の特別報告 代です。目覚めてください。善良な日本人が危ない。 」 に移った。一番目は、元東芝原発技術者の小倉志郎さ という、悲痛な叫びのメッセージがあり、主催者あい んによる「原発並べて自衛戦争はできない」という議 さつに代えて読みあげられた。 題での発言。冒頭、小倉さんが日頃低学年に読み聞か 7・25反戦反核東京集会開催された せているという、自作の紙芝居を演じてくれた。放射 能の怖さを分かりやすくした紙芝居だった。小倉さん は山田太郎のペンネームで本も出版している。35年 間一貫して携わってきた原発技術者として、原発の基 本的な構造や本質的危険性について発言し、講演も行 っている。 「使用済み核燃料は常に冷やさなければならなく、 それには必ず電力がいる。しかし、原発の設計条件に は武力攻撃は入っていないため、電力設備と、非常用 自家発電設備は簡単に攻撃できるものになっている。 福島のメルトダウンも、冷却装置への電力供給ができ なくなった結果起こったものだ。このような原発を日 本列島にくまなく並べている現状で、自衛戦争は成り 立たない」と発言した。 特別報告の第2番として、大間原発反対現地実行委 員会事務局長の中道雅史さんから、 「核の焦点・青森か らの反撃」と題して、青森現地から「大間原発反対運 動の当初は、現地での反応が悪かったのが、現在は反 対運動が盛り上がって、現地の奥深くまで浸透してい る、運動参加者も増え、夢のような変わりように嬉し い思いでいっぱいです」との明るい報告でした。 最後に全国統一実行委事務局長の三角忠氏がまとめ の発言をし、閉会した。 長崎への原爆投下と、祈りの長崎の関係 次に、本日のメイン講演、山口健一郎医師から70 分にわたり、 「長崎原爆被害の実態と永井隆氏の功罪」 、 副題として「今こそ、ヒロシマ・ナガサキからフクシ マをみつめる」の講演が続いた。同じ原爆被災地でも、 「怒りの広島」に対して「祈りの長崎」といわれる所 以について、長崎の歴史的背景として16世紀から明 治まで続くキリシタン弾圧の歴史があったことをあげ た。その「キリシタン(カトリック教徒)が多数住み、 中心地ともいえる浦上天主堂近くに原爆が投下された ことが、非カトリック教徒からは「天罰」 、カトリック 教徒の中から、特に永井隆が提唱した原爆投下は神の 摂理、御加護であり、被爆者は「祭壇に捧げられた子 羊」という主張がカトリック教徒に多大な影響を与え、 本来原爆の元凶である米国や、その下地をつくった日 本のアジア侵略政策、あるいは天皇制に対して、挙げ るべき拳を降ろすことに繋がった。祈りの長崎の誕生 なのだ」とした。 次に、 「原爆直後の長崎には、米軍(占領軍)と旧日 本陸軍、理化学研究所などによる被曝調査が行われた。 「投下直後放射性物質の存在は証明できず、9月上旬 現在原爆症は皆無」との声明が出され、一方では、米 陸軍大佐を所長とする、国立予防衛生研究所(旧73 1部隊元幹部含む) 、生物戦争研究の米陸軍406医学 - 6 - ユニオン東京合同 機関紙 闘 華 2015 年 8 月 10 日発行 労働法制全面改悪を許すな! 7・30講演と討論の夕べ No.97 ◆◆ユニオン東京合同はもの申す◆◆ 戦後労働法制の解体攻撃 7月30日(木)南部労政会館で、労働法制改悪阻止・ 安倍が「世界で一番、企業が活動しやすい国にする。 」 職場闘争勝利!労働者連絡会主催の講演と討論の夕べが、 講師に元朝日新聞記者、和光大学現代社会学科教授の竹 と言ったことで、労働者民衆はこぞって、怒りを込めて 信三重子さんを招いて開かれた。議題は、「極限化する生 安倍を弾劾するポイントをつかんだ。安倍がとんでもな 活と雇用の破壊~私たちは現場からどう反撃すべきか」 い奴という認識が広がっている今、戦争法案だけでなく である。竹信さんはまず、フランスの経済学者トマ・ピ 労働法制でも、とんでもないことに気づくのだ。 安倍が岩盤規制を取り払うというのは、労働法の規制 ケティの格差論を引き合いにして、 「現在、全世界的に格 差拡大が進んでいる。資産の収益率に比べて、賃金の伸 を取り払うという意味だ。敗戦後、日本の労働者民衆が びが追いつかない。このような状況が続いてきたため格 手にした労働組合法、労働基準法などの規制を全て取り 差が増大し、ますます金持ちの発言権が強くなり、もは 払い、企業が好き勝手に労働者を使い切るということだ。 や労働側が意見を言える状況ではないところにまできて 労働者は安倍の言葉をどんどん「理解」している。 いる。賃金においては、労働側が要求、ではなく、主語 敗戦後、1945年11月に労働組合法が制定された が転倒しており、使用者側が自分たちに都合良いように が、49年に改正された。これにはアメリカ側の要求が 決めている。派遣業パソナの会長をしている竹中らが、 あって、不当労働行為性が導入された。それにならって、 産業競争力会議で働く人を物化する政策を立て、閣議決 中央労働委員会、各地労働委員会が制定された。194 定でお墨付きを与え、労政審議会を形骸化させて労働法 7年に労働基準法が制定された。 こうした戦後の新たな労使関係が大きく破壊されるの 制の全面改悪を行っている。 」と断じた。 は、経済成長が進み、高度経済成長を経た後のことであ また、 「アベノミクスの基本は嘘。安倍は経済を全く分 かっていない。彼の主眼は憲法改正だが、いきなり持ち る。1991年にバブル景気が崩壊し、1995年に日 出すと激しい反発が予測されるので、まず大衆がとっつ 経連より「新時代の『日本的経営』 」が提唱されたのは、 きやすい経済成長を目玉にした。円安、株高で一部儲け これまでの日本的雇用関係である終身雇用、年功序列型 た人もあったろうが、全体では、逆進性の消費税の増税、 賃金体系が維持できないとして、労働者を、期間の定め 労働者の低所得化を進める派遣労働の拡大で格差を広げ のない雇用労働者、有期雇用契約(専門部分) 、有期雇用 た。大企業と中小企業の賃金格差は増大し、生活保護が 契約(一般職、技能職、販売部門)に分けた。正社員と、 切り下げられ、介護報酬が引き下げられた。では、私た 有期雇用に大きく分けられたのだ。この「新時代の日本 ちはどうしたらいいのか?過去において、格差が縮まっ 的経営」以降、非正規雇用が増大し、今や労働人口の3 た時がある。それは、戦争時、革命時で、資産家からの 8%が非正規となっており、国鉄闘争のような階級的反 資金徴収で格差が縮まり、世界恐慌では、資産家がダメ 撃がなければ今後も増大することが必至である。 ージを受けて格差が縮まった。しかしそのような状況に 現在、厚生労働省の労働政策審議会では、公益委員、 ない今、力関係では負けており、マスメディアへの弾圧 使用者側委員2者の意見一致として、実態的に使用者側 が激しい今、我々が取れる手立てがあるのだろうか?」 の意見で答申を上げ、通している。また闘う労働者には、 と問いを投げ、SNSの活用だと回答した。 「税金が足り 仮処分、間接強制、損賠攻撃といった、金と雇用の双方 ないから社会保障を切り下げるのは仕方がないと思わな 向の攻撃がかけられ、裁判所、労働委員会の反動化が進 いで、ちゃんと高額所得者から税金をとれよ、と声を上 んでいる。 このような現状を打破するには、戦争法案の闘いと結 げ、SNSで声を広げ、マスコミを動かし、実現させて びついて一人でも多くの労働者が団結し、団結の力で跳 いくような運動こそ今求められている。 」と結んだ。 和光大学で実際に行っている講義を彷彿とさせるよう ね返す以外、道はない。安倍の虚が労働者の全部にわか な、ざっくばらんな語り口で、とても分かりやすい講演 るようになった。 「理解」は進んでいるのだ。今こそ労働 でした。 者は団結して行動しよう!国会前での戦争法反対闘争と 講演の後、刑事訴訟法改悪に反対する会と、間接強制 結合し、8~9月闘争で安倍を倒そう。戦後70年にし 対策会議からの発言が続き、最後に主催者からまとめの て、転機到来、労働者が職場と街頭で力を発揮する時と 発言があり、終会した。 なっている。 - 7 - ユニオン東京合同 機関紙 闘 華 2015 年 8 月 10 日発行 ◆ ◆ ユニオン東京合同のお知らせ ◆ ◆ No.97 組合活動日誌 いよいよ安倍を倒すとき 8・15労働者市民の集い 月日 曜 活動内容 16 木 育成会分会 都労委準備書面(7)提出 21 火 育成会分会会議 22 水 育成会分会都労委調査 23 木 ブリタニカ団交要求行動・社前 25 土 7・25反戦反核東京集会 27 月 育成会分会 都労委準備書面(8)提出 ■日時:8月15日(土)午後13時~ ■場所:すみだ産業会館サンライズホール 墨田区江東橋 3-9-10 JR 錦糸町駅南口 30 木 ■主催:戦後50年を問う 8・15 労働者・市民の集い 労働法制全面改悪を許すな!7・30講演と討論の夕べ 三役会議 8 4 火 定期執行委員会 全国統一実行委員会 ■会場費500円 スケジュール 安保法制・戦争法案反対 国会議員会館前連続集会 月日 曜 活動内容 8 12 水 岡庭組合員 解雇無効確認裁判弁論準備 13 木 安保法案反対国会議員会館前集会 18:30~ 14 金 反原発官邸前集会 18:30~ ■日時:8月20日(木)午後6:30~ 8月27日(木)午後6:30~ 15 土 ■場所:国会議員会館前 いよいよ安倍を倒す時・労働者市民の集い 12時すみだ産業会館 サンライズホール ★ 20 木 安保法案反対国会議員会館前集会 18:30~★ 21 金 反原発官邸前集会 18:30~ 三役会議 火 組合例会(組合全体会議)19:00~ 25 刑訴法等改悪阻止・新宿駅西口大街宣16時~18時★ ■主催:戦争をさせない1000人委員会 解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会 戦争する国づくりストップ! 憲法を守り・いかす共同センター 27 木 安保法案反対国会議員会館前集会 18:30~★ 28 金 反原発首相官邸前集会 18:30~ 刑事訴訟法等改悪阻止! 新宿大街宣 30 日 安保法案反対国会包囲行動10万人集会14時~★ 9 1 火 定期執行委員会 12 土 第40回全都反弾圧集会デモ10時~13 時 ★ 辺野古新基地建設反対国会行動14時~国会前 ■日時:8月25日(火)16:00~18:00 ■場所:JR新宿駅西口前 ★印は左側に詳細があります ■主催:盗聴・密告・冤罪NO実行委員会 とめよう!戦争法 集まろう!国会へ 8・30 10万人国会包囲行動 ■日時:8月30日(木) 午後14時~15時30分 ■場所:国会議事堂 周辺 ■主催:戦争させない・9 条壊すな!総がかり行動実行委員会 第40回全都反弾圧集会 ■日時:9月12日(土)10時~集会 12時デモ出発 宮下公園まで ■場所:千駄ヶ谷区民会館 ■主催:第40回全都反弾圧闘争実行委員会 - 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