ユニオン東京合同 機関紙 と う 闘 華 2015 年 9 月 10 日発行 No.98 発 行:ユニオン東京合同 発行人:佐藤陽治 か 闘 華 東京都千代田区三崎町 2-17-8 皆川ビル 301 朔気付 TEL&FAX 03-3262-4440 メール [email protected] ブログ http://blog.union-tg.org/ ホームページ http://www.union-tg.org/utg/ 郵便振替 00110-8ー120661 8月30日、年齢を超え階層を超えて、多くの人が 国会包囲行動に集まった。集団的自衛権に対応する戦 争法案の成立を阻止する、その1点で。 9月中旬は、この8月の高揚を越える大闘争になろ う。戦争・安保をテーマに階級的な大闘争が繰り広げ られる時代のただなかにいることを確認して闘おう。 どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりま せん」と本音をむき出しにしている。まさに安倍の戦 争へと突き進もうとする地金が出ているのだ。 安倍が語る「戦後レジームからの脱却」とは何か。 集団的自衛権の行使によって憲法9条を実質的に破壊 し、自民党改憲案に行き着く狙いをもっていることは 明白だ。沖縄の民衆や、朝鮮半島に民族分断を強いら れた朝鮮の民衆にとっては、 「戦後レジーム」とは日米 安保条約―地位協定―思いやり予算というものだ。 だから、このような安倍談話を具体的に進める戦争 法案を廃案にするためには、日米安保条約をなくす闘 いが絶対に必要だ。つい最近の相模原米軍施設の事故 を調査することも出来ない地位協定の本質をつかむ必 要がある。赤字国債を頻発しながら思いやり予算を数 十年にも渡って垂れ流してきた現状の中で、オスプレ イの事故、沖縄少女暴行事件が起きているのである。 戦争法案の根底に日米安保があることを見据え、 「つぶ せ日米安保」を貫いて、安倍打倒を闘おう。 日米安保との闘い 8月14日。首相安倍晋三は「戦後70年談話」を 発表したが、その談話の冒頭「百年以上前の世界には、 西洋諸国を中心とした国々の広大な植民地が広がって いました」と述べる。日本が朝鮮や台湾を植民地支配 してきたことを棚に上げて、欧米列強の植民地支配だ けを客観的に述べているだけなのだ。この件りに早く も「アジア解放戦争」という靖国史観をしのびこませ ている。100 年前の植民地支配を「一般化」して日本 の加害責任を隠ぺいしてしまおうという基調なのであ る。 一見すると、1995年の村山談話のキーターム、 「謝罪」 「反省」 「国策を誤り、間違った戦争へと導き」 がちりばめられたかのように、 「ぬえ」的に表現してい るが、 「戦場の陰には、深く名誉と尊厳を傷つけられた 女性たちがいたことも、忘れてはなりません」と反省 する素振りを見せたものの「慰安婦・性奴隷」という 表現は使っていないことに、それが現れている。 このように、歴史の真実を歪め「反省」しない安倍 には、これまでの「確固」たる靖国史観があるからだ。 過去の戦死者の単なる慰霊ではなく「これから国のた めに命を投げ出す若者をつくり出す」ことをはっきり 宣言していたのである。 この談話の最後の方で「あの戦争には何らかかわり のない、私たちの子や子孫、そしてその先の世代の子 - 9月、国会包囲闘争で戦争法案をつぶせ。 9月は安倍と戦争法案をつぶす歴史的闘いだ。国会 前に押し寄せる労働者・民衆のその闘いのなかにユニ オン東京合同の旗をたなびかせて闘おう。 (2面参照) 1 - ユニオン東京合同 機関紙 闘 華 2015 年 9 月 10 日発行 ◆◆例会(組合全体会議)報告◆◆ No.98 るところは、実は批判が的中しているからまたもゴマ カシで大声を出すパターンであるかと思うべきである。 安倍の戦争法案強行の姿勢(勢力)と労働者階級を 8月25日に、組合の第4回例会(組合全体会議) 軸とするその法案阻止勢力が大きく激突する構図が浮 が行われた。今回は、安倍政権が強行採決の構えを変 かび上がってきた。私たちは小さな労働組合であるが、 えていない「戦争法案」について、組合内で討論し情 労働者階級の一翼にいる。一たび、戦争になれば引き 報の共有をはかった。 戦争法案と安倍への民衆の怒りが急激に盛り上がり、 返せないし、途中でやめられない。戦争では民衆が全 てを失うことになる。まして日本にはまだ原子力発電 反対運動が大きく広がっている。安倍政権が、戦争法 所があってこれが破損すれば更なる原発被害から免れ 案が憲法違反であることが誰にでも明白になっている られないだろう。だから、なおさら、絶対に戦争させ にもかかわらず、11の関連法案をまとめて「平和安 ないように闘おう。 全関連法案」などと言って「1つの法案」として衆議 この例会の確認として、8月30日の総がかり10 院を通過する前に本国会の会期末延長を先に決めたあ 0万人国会包囲行動に参加しようと呼びかけられた。 たりから情勢の潮目が変わった。 なお、例会の後半は、7 月、8月と進んできた育成 安倍の日本の在り方を180度変えてしまうことを、 会分会闘争の闘いについての報告があり共有を深めた。 1内閣、1国会で決めてしまう姿勢から、安倍の言葉 にいかに真実味が無いかを民衆は理解し危機意識もさ らに高まった。安倍のお友達、磯崎が「法的安定性は ■■ブ リ タ ニ カ 分 会 か ら■■ 関係ない」発言を行ったことによって、危惧と危機意 識は確信になったと言えようか。磯崎が撤回したあと 今年6月29日、中央労働委員会は、ブリタニカ不 で言った「法的安定性」とは、個別的自衛権と集団的 当労働行為事件の再審査申立を棄却した。 自衛権では全く質の異なる「必要最小限度の 実力行 組合は、日本ブリタニカの清算結了以前の団交拒否 使」なのだと示したことを見れば、労働者階級の戦争 という不当労働行為認定を中労委に迫り、あえて「原 反対への潮目の変化は実にトレンドに対応していると 状回復」として、再審査被申立人をブリタニカ・ジャ 言えよう。 「必要最小限度の 実力行使」というカテゴ パンに絞った。 リーが集団的自衛権となることによって全く異なるも とりわけ昨年(2014年)組合側証人申請を勝ち のになってしまうことに重要な問題があるのである。 取り、12月の証言で、団体交渉権は、憲法28条の 衆議院を強行採決で通過させて、参議院では、さら 労働基本権のうち優先的地位にあることを強調した。 に野党議員の質問に、安倍が自ら野次ったり、わけの 今年2月に提出した最終意見陳述書で、 「会社解散によ わからない答弁をくり返すその姿から、ますます民衆 っても、不当労働行為の責任がなくなる訳ではない。 の怒りは燃え広がり、労働組合、高校生、大学生、サ 日本ブリタニカとブリタニカ・ジャパンはともに同一 ラリーマン、ママさんたち、高齢の方々、学者の団体、 資本下にあり、奥井社長が両社の代表取締役であるの 作家の団体、アーチスト、また都心部だけでなく、日 で、ジャパンが被申立人足りうる。2001年5月に 本各地で、戦争法案反対の声が上がり、市民運動が活 340名の全社員解雇強行後も、ブリタニカ・ジャパ 発になって、各地で戦争法案に反対する集会、デモが ンに転籍雇用された労働者も存在している。 」等を明ら 繰り広げられている。 かにした。 戦争する国作りは、戦争法案だけではない。刑事訴 会社を登記抹消して無くしてしまえば、それ以前の 訟法の改悪で、他人を売ったら自分の罪が軽くなる司 不当労働行為も認定されないという、 「会社を潰して逃 法取引の導入や、子どもたちへの教育に竹島問題を持 げる」ことを助長する命令を認めるわけにはいかない。 ち込み戦前の愛国教育を思い出させるような教科書な 中労委山川公益委員は、日本ブリタニカの清算結了 どがあり、これらは戦争に反対しない人を作らないよ 以前の不当労働行為を認めなかった。結局、都労委の うに、また戦争に行きたくなくても駆り立てられるよ 岸上公益委員の命令をそのまま踏襲しただけであった。 うに日常的に政策的に行われているのである。安倍が 我々はこの不当な中労委の再審査棄却命令に屈する 言う「徴兵制はありません」は、最近「経済的徴兵制」 ことなく、今後も闘いを継続する。現在、行訴も含め とも言うべき、貧困ゆえに学費の肩代わりを餌に軍隊 て論議を開始している。いずれにしてもまず、ブリタ に「志願」させられる構造がアメリカから「輸入」さ ニカ社前闘争を継続していく。 れつつあり、この実態の進行を見れば、安倍が強調す - 2 - ユニオン東京合同 機関紙 闘 華 2015 年 9 月 10 日発行 ■■手をつなぐ育成会分会から■■ った。被告両会の各書面が出た後、それに対する原告 からの反論書面を出すこととされた。 このように、全体として、双方の主張と反論の取り まとめの段階にさしかかっているなかで、判決を書く 際に双方の主張の遺漏がないように取り扱おうとして いることが窺われる局面であることを実感する。詰め を怠らないように締めていきたい。 8月12日、解雇無効地位確認裁判の弁論準備 当該組合員を含む労働者2名(原告)を不当解雇し た全日本育成会の「社会福祉法人の解散」が「真の解 散」かどうか。裁判では、これがひとつの焦点になっ ていたが、社会福祉法人から実体的に逸脱してしまい 組織が形骸化・不適合化していた「社会福祉事業の廃 止の手続き」として「社会福祉法人格を返上」したの は、 「入所施設等の第一種社会福祉事業の経営のための 資格要件的な法形式である社会福祉法人ではなくなる 手続き」をしたということ、全日本育成会の職場で行 っていた業務の大半である「第二種社会福祉事業にも 該当しない」多くの社団法人的事業は、 「社会福祉法人 格の返上」とは影響がないものであり、また実際に、 事業は全国育成会連合会でそのまま継続しているとい う原告側主張が、ようやく裁判官にも理解され始めた らしい、と言えよう。事実・実態を重視するとしてい る裁判官から被告両会へは、 「被告両会が別団体を主張 しているが、久保理事長が育成会連合会設立の意思決 定になんらか関与している」 (不当解雇の翌日から初代 会長就任だから反論は困難)であろうことを示唆する 発言があった。 そして、被告全日本育成会に対しては「いつ解散し ようとし、いつ立ち上げようと考えたか、また組織変 更の提案したことなど、具体的な生の事実関係」を出 すこと、また、 「社会福祉法人の解散と、事業所の閉鎖 は必ずしも一緒である必要性はないのではないか」と いうことから「財政上の問題として具体的に何が問題 ということだったのか示す、すなわち、決算の書類な どを出す」こと、が課題として出された。 同様に、被告全国育成連合会に対しては、 「いつ頃設 立しようと決めたのか。 『事務所を持たない』 ・ 『滋賀県 育成会に事務局を置く』 ・ 『人は雇わない』などの形態 を決め、 『事業は各地の育成会で分担してやる』ことに するなどのフレームにした」ことについての主張を出 すことと、そして「事業について全日本育成会を承継 していないということであればそれを具体的に指摘す る」ように、課題が出された。 なお、 「事務所閉鎖、解雇の原因として債務超過、倒 産状態であった」とする被告全日本育成会の主張に対 し、原告として反論があれば主張するように、とのこ とであった。 次回の書面の提出は、被告両会に対し10月9日ま でとして、弁論準備を10月16日11時から、とな - No.98 8月27日、滋賀県庁前行動、団交要求手渡し行動 早朝、分会ニュース配布行動 組合は、8月27日に全国手をつなぐ育成会連合会 の事務局(滋賀県厚生会館にある滋賀県手をつなぐ育 成会内)への直接団交開催要求書の提出行動を行った。 滋賀県厚生会館は、大津駅と滋賀県庁を挟んではす 向かいに位置している。滋賀県庁は、全国育成会連合 会の事務局がある公益社団法人滋賀県手をつなぐ育成 会の監督官庁であり、久保厚子会長が地元滋賀県で経 営する「社会福祉法人しが夢翔会」の監督官庁でもあ る。 そうした事情も踏まえて、団交開催要求書提出行動 に先立って、通勤してくる滋賀県庁職員に対して分会 ニュースの配布活動を行った。台風の後の暑い朝。7 時30分から、滋賀県庁(滋賀県大津市)の前で地域 の労働組合の仲間の支援を受けての分会ニュース79 号の配布である。地元の事情を聞けば、滋賀県庁の前 でのビラ配りなどは受け取りが大変よいということで あったが、受け取り率がいいだけではなく、受け取り 方が実に丁寧なのだ。受け取ったその場で立ち止まっ て読みだす人もいた。日ごろの地元の労働組合の県庁 行動の蓄積が生きているのだろう。この日は20分で 300部が捌けてしまう状況であった。 周辺のオフィスの労働者も滋賀県庁敷地を通りぬけ て行く人がたくさんいて、県庁前で配布すると、県庁 職員だけでなく周辺の多くの労働者に渡すことができ る環境である。大津駅を使って滋賀県厚生会館に通う 労働者も県庁敷地を通り抜けるのだ。 分会ニュースの配布後、これから行う団交開催要求 書の提出行動について打ち合わせをしていると、その 横を、全日本育成会で障害者の事業所協議会の運営委 員であった白杉滋朗氏が通りかかった。白杉氏は地元 大津市で活動していることから、久保厚子会長や、滋 賀県手をつなぐ育成会とは懇意の中なのである。そし て、全日本手をつなぐ育成会の清算人及び労働委員会 での補佐人として使用者側の「後衛隊」である三上正 浩氏は事業所協議会運営委員長であるが、今でも事業 所協議会で三上氏と白杉氏はつながりがある。白杉氏 3 - ユニオン東京合同 機関紙 闘 華 2015 年 9 月 10 日発行 は、大津市では「ねっこ共同作業所」を運営し、今は NPO法人「おおつ障害者働き・暮らし応援センター」 のセンター長になっている。この事務所は滋賀県庁の すぐそばにあったので、私たちは、実は白杉氏の拠点 の近くで打ち合わせをしていたのであった。被解雇当 該組合員は白杉氏に声をかけた。 白杉氏は、名称が「全国手をつなぐ育成会連合会」 になった今も「事業所協議会の運営委員であり、これ までと同様に事業所ニュースも発行している」と言い、 久保厚子会長が「団交開催要求書を久保会長への直接 手渡しではなく、事務所に届けるように」という趣旨 を言うから組合が事務局を訪問することを告げると、 「久保さんがそう言うなら持って行くしかないでしょ う」と、その点では理解を示した。 机もなく場所を占有していないので、滋賀県育成会は、 連合会からは家賃負担を受け取っていないし、滋賀県 厚生会館にも同居申請などを届けていない。 【連合会の 封筒には住所として使用しているなど、事務所機能性 は明白である。したがって、公益社団法人として利益 供与の疑いがあるとも言える。 】 ②全国育成会連合会の会計は、滋賀県育成会の会計 職員がやっている。連合会の電話が鳴ったら、滋賀県 育成会の職員が「全国手をつなぐ育成会連合会です」 と出ている。連合会の仕事は、滋賀県育成会の職員が 手分けしてやっている。そのため職員は業務量が増え ている。ただし、残業しても残業代は払っていない。 【この発言には、ここに雇用(その増加)がある実体 が垣間見えている。またこの公益社団法人において残 業代未払いという法律違反を平気で口にして憚らない のであった。 】 ③東富夫氏は公益社団法人滋賀県手をつなぐ育成会 の事務局長であるが、全国手をつなぐ育成会連合会の 事務局長ではない(と平然と言った) 【これは明白な虚 偽であり、東事務局長が滋賀県手をつなぐ育成会職員 労働者の前で明白な虚偽を組合に告げたことは重大な 問題を孕んでいるので後ろの別記を参照されたい。 ※1】 。全国手をつなぐ育成会連合会久保厚子会長に言 われたことをやっている。予算書、決算書は東事務局 長が作っている。全国手をつなぐ育成会連合会の出金 などの起案書には東事務局長が印をしている。 【東事務 局長及びその指示を受ける滋賀県手をつなぐ育成会事 務局労働者が、全国手をつなぐ育成会連合会久保厚子 会長の指示命令系統で業務に従事している実態がはっ きりした。 】 ④全国育成会連合会の事業計画は田中統括が立てる。 田中統括は、ほとんどここには来ない。滋賀にほかの 用事できた時に寄るぐらい。広報も事務局の滋賀県育 成会が担当となっているが、ここでは編集会議もやっ ていない。田中統括がどこかでやっている。編集委員 への交通費などの支払いは事務局に起案され、東事務 局長が決裁して支払っている。会員管理の担当業務は 「外でやっている」 。など。 【このように、さらに別の 雇用の存在がほのめかされた。 】 1時間ほど東事務局長にインタビューしたなかから、 実態がかなり見えてきた。育成会連合会の事務局の仕 事は、滋賀県育成会の職員が、 (全国手をつなぐ育成会 連合会久保厚子→)滋賀県手をつなぐ育成会東事務局 長の指示で業務時間中に滋賀県手をつなぐ育成会の仕 事と一緒にやっているということが明確になった。こ のように、滋賀県の公益社団法人の業務に紛れ込ませ、 いざ!団交開催要求へ! 団交開催要求書提出行動 9時50分。団交開催要求行動を開始する。滋賀県 厚生会館2階に「公益社団法人滋賀県手をつなぐ育成 会」の事務所がある。組合が全国育成会連合会に団交 開催要求書を持参するのは初めてだが、分会ニュース 配布の事実が伝わったか、白杉氏から連絡があったと いうことなのか、対応した滋賀県育成会の東富夫事務 局長は驚く様子もなく、事務所内もざわつく様子もな かった。 以下に、東富夫事務局長に全国手をつなぐ育成会連 合会事務局のことについてインタビューした返答のポ イントを紹介する。もちろん、東氏の言うこと全部が 本当のことではないつもりで読んでいただく必要があ る。 さて、東富夫・公益社団法人滋賀県手をつなぐ育成 会事務局長兼任全国手をつなぐ育成会連合会事務局長 が言うには、 ①この事務所は全国育成会連合会事務局の所在地で はあるが、その事務局機能はない。連合会の机もない が、電話は、滋賀県育成会の電話と並べて置いてある。 - No.98 4 - ユニオン東京合同 機関紙 闘 華 2015 年 9 月 10 日発行 混在させているが、 「全国手をつなぐ育成会連合会の仕 事が忙しくなると、滋賀県手をつなぐ育成会職員労働 者の残業時間が増える」をはっきり述べたことによっ て、実は、全国手をつなぐ育成会連合会の指示命令系 統があり業務・労働がここに発生しているのであり、 「雇用していない、ということの虚構」の種明かしが ここに露呈したうえ、さらに業務(雇用)隠しの可能 性もある、ということである。なお、訪問した時、滋 賀県育成会では、全日本育成会で毎年作っていた「要 覧」を作っていることが判明した。 【※2】 。東事務局 長へのインタビュー内容はこれから、丁寧に内容を検 討し、 「要覧」作成の事実などとも突合せをして、 「偽 装解散劇」の全体図を明らかにしていかなければなら ない。 インタビューのあと、団交開催要求書を読み上げ、 久保厚子会長に渡されることを確認した。この団交開 催要求行動も地元労働組合のなかまの応援のなかで実 現したことである。 るにもかかわらず、明確に、組合に虚偽を述べたので ある。すぐに嘘がわかる、とんでもない嘘つきである ことを恥じないキャラクターであることを組合に見せ たものである。もちろん、事務局長個人のキャラクタ ーの問題にはとどまらない。公益社団法人の事務局長 の立場としても問われる。制度改革により創設された 一般社団・財団法人は、準則主義(登記)により簡便 に法人格を取得できる一般的な法人制度であるが、法 人の自律的なガバナンスを前提に、一般社団法人及び 一般財団法人に関する法律において法人の組織や運営 に関する事項が定められており、特定の団体への利益 供与などの疑いなどでこのガバナンスが揺らぐことは、 公益社団法人にとって「命とり」になるのである。 次に、それを滋賀県育成会職員(労働者)の前で言 ったこと、である。すなわち、組合にだけではなく、 労働者を前にして平気で虚偽を述べたこと、である。 繰り返すが「全国手をつなぐ育成会連合会 事務局長 東富夫」という表現は既に公然と使われているので、 全国手をつなぐ育成会連合会の業務に携わっている、 その場にいた職員労働者にはそれが虚偽であることに すぐ気付くのである。そして、そうした虚偽をその場 で組合に伝えることは労働者には事実上できない状況 にあったと言えるので、 「虚偽が目の前で披歴されてい てもその訂正をできない」という苦痛を与える、パワ ハラが加えられたのである。とんでもない嘘つきのキ ャラクターなら気づきもしない可能性もあるが、誇り 高い労働者ほどこれは苦痛になる。そういう意味で、 東事務局長は自らのパワハラ行為について頓着しない キャラクターであることを端無くも組合(と職場の労 働者)に明らかにしたのでもある。 県庁前情宣行動 さて、11時30分から、炎天下の中、滋賀県庁前 で組合は地域の労働組合の仲間と一緒に、情宣活動を 行い、東京の全日本育成会で不当解雇した時の久保厚 子理事長が、労働者を解雇して事務局を移転した先は、 滋賀県厚生会館内の滋賀県育成会内であることを明ら かにし、ブラック企業の手法を持ち込んで話し合いを 拒絶し具体的なことを説明しないで、突然事務所の滋 賀県厚生会館への移転をしながらの不当解雇などは絶 対に許さず闘うことをアピールし、最後はシュプレ ヒ・コールで締め、行動を終了した。 【※2】全国手をつなぐ育成会連合会で、育成会で毎 年作っていたものと同様に、 「育成会要覧」を作ってい ることの意味は、まず、このことによって、 「全日本手 をつなぐ育成会」から「全国手をつなぐ育成会連合会」 への事業の承継が明らかとなるのである。全日本育成 会では毎年、各正会員育成会から会員数や、事業内容 などを書き込んだ基本情報と言える「要覧」を201 2年度まで作ってきた。2013年度の事業計画にも 「要覧」の作成はあったが、久保厚子理事長(当時) が、印刷代などの経費及び作成の作業量など(が無駄) を理由に、自分の判断で強引に「育成会要覧」を作る のをやめてしまった経緯があった。その「育成会要覧」 を全国育成会連合会となってから再発行するとは、全 日本手をつなぐ育成会の事業を本当に承継している証 左である。 敵の攻撃は仲間の団結促進の条件!団結して闘おう! 別記 【※1】まず、全国手をつなぐ育成会連合会の各文書 に、昨年6月から「全国手をつなぐ育成会連合会事務 局 東富夫」の名前は既に多く記載され、さらに20 15年になると「事務局長 東富夫」と明記されてい - No.98 5 - ユニオン東京合同 機関紙 闘 華 2015 年 9 月 10 日発行 次に、また、2013年度に「要覧」作成が、理事 会・評議員会の承認のうえで事業計画されていたもの を強引に中止した本当のわけは、組合員である担当者 の仕事剥がしという不当労働行為であり、社福解散を 理由に労働者を解雇したことにつながる意図であった ことが浮かび上がってきた、ということである。 「仮処分・間接強制・損害賠償請求攻撃を許さない」 「盗聴法拡大、共謀罪阻止」 「労働法制改悪阻止」 「原 発再稼動阻止」 「安保法制反対」 「辺野古新基地建設を 許さないぞ」を加え、今日の戦争と改憲・治安弾圧強 化に反対する反弾圧スローガンを確立した。 わが組合も、三年前から、組合はもとより、ブリタ ニカ、育成会両分会も積極的に実行委へ参加し闘いぬ く。ともにガンバロー! ◆ユニオン東京合同は訴える◆ 40回を迎える全都反弾圧闘争の意義 来る 9 月 12 日、出版労働者連帯会議、争議団連絡会 議他 10 団体の呼びかけによって発足した実行委員会 主催により、第 40 回全都反弾圧闘争が開催される。 本年はこの日午後、大規模な沖縄辺野古新基地建設 反対国会闘争がかねてより予定されていたため、集会、 デモを午前中に設定した。 1976 年 9 月 14 日第一回が開催されたので、当初 9・ 14 反弾圧闘争という名称でスタートしたこの反弾圧闘 争は、その前年末から都内の闘う争議団に集中的に刑 事弾圧がかけられ、それに対する共同の反撃が開始さ れたことによる。 したがって、76 年の第一回反弾圧闘争は、弾圧に屈 せず闘う、機械工業新聞社労組、光文社三労組など 6 つの争議団が呼びかけたものである。第二回は、翌 77 年、出版労働者連帯会議・争議団連絡会議の二者共催 で開催。しかし国家権力は、早くもこの反弾圧共同闘 争に弾圧をかけてきた。会場の清水谷公園を出発した デモ隊が、赤坂見附交差点に差しかかるやいなや、デ モ指揮者の 2 名を東京都公安条例違反容疑で、不当な 弾圧に抗議したデモ参加者を公務執行妨害で逮捕―勾 留―デモ指揮者 2 名起訴。 以降、 「9.14 弾圧統一救対」を結成、 「表現の自由」 に基軸をすえて無罪を主張したが、1979 年 2 月、東京 地裁堅山真一裁判長は、 「デモは潜在的に暴徒に発展す る」という「潜在的暴徒論」を主たる理由にして罰金 2万円の有罪判決。この反動判決にめげず、控訴―上 告。しかし、有罪判決を覆すことができず有罪確定。 こうしたデモ弾圧公判が闘い抜かれている最中でも、 1978年の第 3 回は、より広汎な労組・団体にも呼 びかけ、実行委員会方式で開催。途中から 9 月 14 日直 前の土曜日に闘争を設定し、名称も「全都反弾圧闘争」 に改め今日に至っている。 本年の反弾圧闘争のスローガンに 40 年にわたるこ の闘争の獲得目標が集約されている。新しい弾圧が広 がっていることに踏まえ、闘争開始の原点である「刑 事弾圧を労働者の力ではね返そう」を柱にしたうえで、 - No.98 6 第 40 回全都反弾圧集会・デモ開催要項 日時) 9 月 12 日(土)10 時集会、デモ出発 12 時 会場) 千駄ヶ谷区民会館 デモ) 会場―原宿駅前―渋谷区役所前―渋谷駅ハ チ公口―宮下公園 ◆◆ユニオン東京合同はもの申す◆◆ 刑事訴訟法改悪強行採決阻止! 戦後刑事司法を抜本的に転換させる、刑事司法改革 の関連法案が8月7日、衆院本会議で自民党や民主党 などの賛成多数で可決され、現在参議院で議論されて いる。法務省は当初、7月下旬にも採決する予定であ った。しかし予定は大幅に遅れ、法務委員会では、一 括法案の、取り調べの可視化、司法取引、証拠開示、 盗聴について野党ベースの審議が続き、さらに、安倍 政権は戦争法案の議論、採決を急いできた。このため、 延長国会の9月27日までに日程が少ないなか、この 刑事司法案は、ほとんど不成立の可能性がでてきたが、 政府自公が拙速審議で成立させる可能性もある。 法案は刑事訴訟法や刑法を改正するもので、大阪地 検の証拠改ざん事件をきっかけに、冤罪を防ぐ目的で 改革が議論されたが、提出された法案は「捜査の武器」 の拡充が目立ち、むしろ逆に冤罪を増長させる内容と なっている。 ― 通信傍受法(盗聴法)の大拡大 ― 1999年に制定された盗聴法の対象罪種は、①薬 物犯罪、②集団密航、③銃器関連犯罪、④組織的犯罪 に限られていた。ところが今回、犯罪の範囲は従来の ものに加えて児童ポルノの関連犯罪、殺人傷害、逮捕 監禁、略取誘拐、窃盗、強盗、詐欺恐喝、現住建造物 放火などに拡大されている。重大な犯罪といえないも のが多く含まれている。盗聴の方法についても、従来 はNTTの建物内において、職員の立会いの下に行わ - ユニオン東京合同 機関紙 闘 華 2015 年 9 月 10 日発行 No.98 れていたが、今回の盗聴法案では、警察署の中で行わ れる。警察ほど信用できないものはない。どんな改ざ んが行われるか分からない。国民がみんな監視される 社会になる。 労働委員会で命令がありました ― 戦争法と治安弾圧 ― 戦争と治安弾圧は一体のものとして進む。戦前でも そうであった。今後も当然そのようになるだろう。今 回の刑事訴訟法改悪法案もその一環として出てきてい る。断固阻止しよう! (2)一般合同労働組合東京西部鈴木コンクリート工 業分会(東京都労働委員会) 鈴コン分会が、平成21年から合計14件の不当労 働行為救済申立について、命令が交付された。 都労委HPによると、 「会社は、ストライキに参加し た組合委員長X1らを戒告処分とし、11月には組合 員X2を雇止めとした。さらに、会社は、22年に、 分会長X3が業務の円滑な遂行を妨げたとして、また、 X1が就業時間中に組合活動をしたとして、それぞれ 戒告処分とし、23年には、ストライキに参加したX 1ら組合員5名を出勤停止処分とする等、合計14件 の救済申立てをしていた事件で、会社は②平成21年 11月10日付雇止めをなかったものとし、翌日から 8月は、組合が支援・連帯する労働組合に対し、勝 利の労働委員会命令がありましたので、共有します。 ― 取り調べの録音、録画 ― (1)三多摩合同労組ホッタ晴信堂分会(中央労働 逮捕拘留中の被疑者に対する取り調べは、取り調べ 委員会) の全過程を録音・録画することを取調官に義務付ける 都労委は、会社に対し、A組合員に対する平成 21 ことで、冤罪の発生機会を大半防ぐことができるが、 年 11 月 30 日付け業務改善命令及び損害賠償請求、同 今回の案では、裁判員制度の対象事件と、検察官独自 日付け懲戒処分並びに同年 12 月 30 日付け業務改善命 捜査事件のみの義務化で、逮捕・勾留事件の2%程度 令をなかったものとして取り扱うことを命じたが、解 にしかならない。 雇の翌日から職場に復帰するまでの間の賃金相当額を 同人に支払うことは命じなかったため、組合は賃金相 ― 司法取引制度の導入 ― 当額の支払いを求め、会社は救済命令を不服として双 米国ではよく使われているが、日本では初めてのケ 方再審査を争っていた事件では、再審査により労組法 ースとなる。容疑者や被告が他人の犯罪を証言すれば、 7 条1号の組合員であることによる不利益扱いであっ 検察が起訴を見送ったり求刑を軽くしたりできるもの。 たと認めた。 これは、当該証人(証言した人)の自己負罪拒否権(何 本件は、民事裁判で平成26年3月18日に最高裁 人も、自己に不利益になることを強要されないとする で確定し、会社は解雇から、復職するまでの賃金を支 原則)を消滅させ、証言を強制する制度である。 払い、同年4月21日以降、復職をはたしている。 これにより被疑者、被告人が自らの利益のために、 ※本件については、解雇の直後に、会社が組合員の地 故意に他人を引き込む危険があり、米国ではしばしば 位が無いことを労働審判にかけて確定化させようとす このような例が出ている。日本でもそのような事件が る攻撃がなされた。そのため、組合は、組合活動の故 発生する可能性が大である。 の解雇であり、労働審判の目的である「個別労働関係 民事紛争」ではなく、 「集団的労働関係民事紛争」であ ― 広がる反対運動 ― るので該当しないとして労働審判を粉砕し、民事裁判 冤罪被害者が反対運動の先頭に立って、盗聴被害者、 に移行していた事件であった。 国会議員を巻き込んで積極的に運動の先頭に立った。 なお、ユニオン東京合同にとっては、使用者が労働 日本雑誌協会人権・言論特別委員会、日本書籍出版 審判制度を悪用する点において、教育と探求社分会(当 協会の自由と責任に関する委員会が、「通信傍受法の 時)と極めて似ていたため注目し、また交流・連帯を 対象犯罪拡大に反対する声明」を発した。 してきた闘いであった。 - 7 - ユニオン東京合同 機関紙 闘 華 No.98 2015 年 9 月 10 日発行 23年8月16日まで、従前と同様の雇用契約を同人 と締結したものとして取り扱い、賃金相当額を支払う こと、④組合員2名の21年10月6日付けの各戒告 処分をなかったものとして取り扱うこと。⑦22年1 0月8日付けの戒告処分をなかったものとして取り扱 うこと。⑩組合員5名に対する各出勤停止処分をなか ったものとして取り扱い、同処分がなければ同人らが 受けるはずであった賃金相当額を支払うこと。会社は、 下記内容の文書の交付及び掲示をすること。上記②、 ④、⑦、⑩及び24年1月11日付団体交渉申入れに 対する会社の対応が、都労委において不当労働行為で あると認定されたこと。今後このような行為を繰り返 さないように留意すること。そして、会社は、前各項 の履行報告をすること。 」などと掲載されています。 ※本件は、すでに裁判において、仮処分が認められ、 本訴においても解雇を無効するとする地裁判決、そし て高裁で勝利和解となり、職場に復職している事件で す。 ユニオン東京合同もこれらの闘いの勝利を糧に、闘 っていきます。 17日(木)13:00~17:00 戦争法案廃案・国会正門前座り込み行動 18:30~ 戦争法案反対!国会前集会 18日(金)13:00~17:00 戦争法案廃案・国会正門前座り込み行動 18:30~ 戦争法案反対!国会前集会 第40回全都反弾圧闘争 ■日時:9月12日(土)10時~集会 12時デモ出発 宮下公園まで ■場所:千駄ヶ谷区民会館 ■主催:第40回全都反弾圧闘争実行委員会 「辺野古・高江を守ろう!NGO ネットワーク」 設立集会&記念講演 [海は誰のものか-辺野古埋立承認の問題点 ] ■日時:9月26日(水)17:30~19:45 ■場所:参議院議員会館 講堂 ■講師:桜井国俊(沖縄大学名誉教授) ■主催: 辺 野 古 ・ 高 江 を 守 ろ う ! NGO ネ ッ ト ワ ー ク ■会場費:500円 ◆ ◆ ユニオン東京合同のお知らせ ◆ ◆ 許すな!戦争法案!総がかり行動 (9月9~18日予定) 9月9日(水)18:30~ 戦争法案廃案!日比谷大集会(仮) 日比谷野外音楽堂 組合活動日誌 月 日 曜 活動内容 12 水 岡庭組合員ほか解雇無効裁判弁論準備 10日(木)13:00~17:00 戦争法案廃案・国会正門前座り込み行動 18:30~ 戦争法案反対!国会前集会 11日(金)13:00~17:00 戦争法案廃案・国会正門前座り込み行動 18:30~ 戦争法案反対!国会前集会 8 23 日 上告棄却弾劾!8・23報告・決起集会 25 火 三役会議、例会(組合全体会議) 27 木 全国手をつなぐ育成会連合会に団交要求行動 9 1 火 定期執行委員会 止めよう! 辺野古埋立て 9・12国会包囲 スケジュール 月 日 曜 ■日時:9月12日(土)14時開始 11 金 ■場所:国会周辺 主催:止めよう!辺野古埋立て 9・12 国会包囲実行委員会 12 土 14日(月)13:00~17:00 戦争法案廃案・国会正門前座り込み行動 18:30~ 戦争法案反対!国会前集会 15日(火)13:00~17:00 戦争法案廃案・国会正門前座り込み行動 18:30~ 戦争法案反対!国会前集会 16日(水)13:00~17:00 戦争法案廃案・国会正門前座り込み行動 18:30~ 戦争法案反対!国会前集会 - 9 13 日 活動内容 動労総連合・出向無効確認裁判 11:00~東京地裁527法廷 第40回全都反弾圧集会 ★ 辺野古新基地建設反対国会行動 ★ にせ可視化・司法取引・盗聴法を許さない集会 日比谷図書館地下ホール 14時~ 14 月 三里塚 耕作権裁判 千葉地裁 10:30~ 16 水 育成会分会、都労委調査 10 時~ 23 水 組合組織財政会議 26 水 「辺野古・高江を守ろう!NGOネットワーク」設立&記念講演 ★印は、詳細案内あり。 8 - ★
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