15闘華10月号 - ユニオン東京合同

ユニオン東京合同 機関紙
と う
闘
華
2015 年 10 月 10 日発行
No.99
発 行:ユニオン東京合同
発行人:佐藤陽治
か
闘 華
東京都千代田区三崎町 2-17-8 皆川ビル 301 朔気付
TEL&FAX 03-3262-4440
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[email protected]
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9月19日午前2時18分、与党は参院本会議で戦争
法案の採択を強行した。採択のシーンはテレビ中継さ
れたが、議長の声も聞こえない状態であった。安倍政
権の採択強行に怒りが沸騰している。戦争法が成立し
ても、労働者階級はあきらめない。戦争法廃止への動
きは、採択直後からスタートしている。
解釈改憲で、
「武力攻撃」を可能にした。
2014年7月1日。集団的自衛権行使を容認する
ための憲法解釈の変更を閣議決定し、歴史的に日本の
在り方、私たち自身の暮らしをも変える大きな転換点
となった。安倍首相は、閣議決定から早速、関連する
現行法の変更を宣言したのであった。
「戦争をしない
国」から「戦争する国」への法整備のことである。そ
れは、日本の労働者階級への挑戦状を出したものだっ
たと言えよう。労働者階級はじめ多くの人民は大きな
反撃を開始した。
「集団的自衛権」とは、ある国が武力攻撃を受けた
場合に、直接には攻撃を受けていない第三国が協力し
て共同で防衛を行う国際上の「権利」である。その本
質は、
「自国が攻撃を受けてなくても、理由をつければ
他国を攻撃していい」というところにある。これが、
原理的な転換であり、戦争法である所以である。
憲法9条を亡きものとする暴挙
従来は「日本は日米安全保障条約で、アメリカ軍に
日本の基地を提供して、その代りにアメリカ軍と自衛
隊が協力して日本を守る。だから、日本の自衛隊は武
力行使しない」という構図の説明になっていた。とこ
ろが、集団的自衛権を行使することを認めると、自衛
隊も海外で武力行使するようになる。他国への「攻撃」
(テロを含む)でも、直接攻められていない日本が「参
戦」するという話だ。安倍政権の「説明」には無理が
-
あった。日本の憲法の範囲内での解釈の変更など無理
なところから、どんどんおかしな答弁とその迷走が続
出した。しかし、どのように説明してもその解釈が、
憲法9条にはおさまらない。
戦争、経済破綻で、安倍は日本の未来を破壊する。
一度戦争となれば、
「集団的」であり、
「集団的自衛
権に基づいて攻撃した」ことで、
「日本が戦争に巻き込
まれる」のである。安倍首相は答弁でそのようにはな
らないと断言したが、集団的に攻撃したら、いやそう
でなくても、いつ攻撃されるかわからなければ、
「反撃
がある」と考えるほうが道理なのである。この道を進
んだ先は、どうなるだろうか。
「想定外」では済まされ
ない、
「戦争呼び起こし法」なのだ。
「軍備費の拡大」
「戦争」
「言論弾圧」が、私たちの
暮らしに押し寄せてきている。国会前で「戦争法案反
対」と言っていた人たちが、何人も逮捕された。
「言論
の自由」
「表現の自由」も闘わなければ、力によって封
じられるものなのだ。
「弾圧」は特別な人に向けられる
ものではなく、立ち上がった人に対し、すなわち、私
たちに襲いかかってくるものなのだ。
労働者の闘いで、安倍を打倒しよう
経済状況は極度の悪化に向かい、マイナンバーや消
費税増税などの矛盾は高まるが、労働者階級の闘いが
留まるはずもない。高揚した闘いは続く。非正規ばか
りにされた労働者群の怒りは、戦争法の下で噴き出す。
反戦・反基地、反原発、反TPPを闘い安倍を労働者
の力で打倒しよう。
ユニオン東京合同は、職場闘争と解雇撤回闘争の勝
利で労働者の権利を護り、弾圧に抗して闘い、安倍打
倒と戦争法の廃止を勝ち取るまで闘っていくものであ
る。
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■■ブ リ タ ニ カ 分 会 か ら■■
のうち準備書面(8)への認否・反論と、両会に対す
る釈明要求への回答である。この釈明を求めている内
容は、7月22日の第8回調査の時に、解雇の正当性
を示す証拠などが出ていないこと、組合の準備書面で
の主張について誠実に認否していない項目の実態。ま
た、全国育成会連合会に対しては、事業を承継してい
ないと主張するも、実態として事業、役員等を承継し
ていること(あるいは、していないということならそ
の事実)
、その点について、実態を明らかにするように
項目を上げて、釈明を求めたのである。
ところが、書面提出締切日の9月9日には、全日本
育成会は、組合の準備書面(8)への認否・反論と、
釈明要求に答えるものではなく、事実を明示すること
もなく全日本育成会の従来からの主張をくり返し行う
ことに終始した。
判決を書くのに必要な事実を明らかにしない、とい
う手法は、全日本育成会代理人弁護士の「お得意」と
するもので、賃金カット裁判の控訴審の時でも、高裁
の裁判官が注目し説明を求めた点である「就業規則の
変更で、公民権の行使・公の職務の執行の項目を無く
したことに対する代替措置があったのか、どうか」
「旧
就業規則第15条を無くして、その後どうするつもり
だったのですか」という質問に、全日本育成会代理人
伊藤昌毅弁護士は、
「頭の整理がつかない」など、しど
ろもどろになり、提出する準備書面では何度も同じ趣
旨=控訴理由書の内容をくり返し、結局、高裁の裁判
官の宿題に答えられなかった時の再来を思わせるので
ある。ことごとく一昔前の表現で言えば擦り切れたレ
コード状態になるのが、こちらの団体(もしくはその
代理人)の独自の特徴なのだろうか。つまり、全日本
育成会はその固有の「必敗パターン」に入りはじめた。
そして全国育成会連合会は、同じく9月9日に「ご
連絡」と題するA4サイズの用紙1枚で、今回、準備
書面を提出しない「いい訳」
(にもならないもの)を提
出した。
第9回調査では、全日本育成会の示した財務の資料は、
「倒産状態」を示していないことを説明。
さて調査の中で組合は、被申立人全日本育成会の主
張の中で、財務問題を解雇の理由の1つに上げている
が、労働委員会に提出された財務に関わる「全日本育
成会の一般会計 過年度概略収支一覧」と、全日本育
成会の準備書面(5)
「一般会計 経常収支における主
たる勘定科目の推移」なる2つの一般会計の表につい
て、各表にはそれぞれ不備があることを説明した。
「倒
産状態」
、
「債務超過」を示すことができるのは決算書
や貸借対照表であるがそれに相当するものではなく、
9月28日(月)12時から1時間、社前情宣を行
った。
奥井社長が出勤していた!
この日、我々は開始時間の1時間前から社前に到着
していた。すると、11時40分頃、奥井社長が脇目
も振らず会社ビルの中へ入っていくのが、待機場所か
ら見えた。奥井社長は上着を片手に持ち、カバンを持
っていなかったので、出社してきたのではなく、外出
先から戻ってきた様子であった。待機場所からすぐに
駆け寄ることができなかったので、捕捉はできなかっ
た。
12時~13時まで、社前で地域の仲間と共に情宣
を行った時に、団交開催要求書の提出行動を行った。
2階のブリタニカ社入口まで団交要求に出向いた。
インタホンで社長を呼び出したが、応答した女性は「留
守」だと言う。そんなはずはない、会社に入っていく
社長を現認していると食い下がったが、
「外出した」と
いう。外出した姿は見ていないので「いるはずだ」と、
なおも食い下がったが、
「社長はいない」との一点張り
でらちが明かなかった。それではと、労務担当の原尻
氏を呼び出したが、こちらも「いない」とお定まりの
返事。完全な居留守だ!こちらもいつになく粘ったが、
最終的にはいつもの女性事務員に団交要求書を託して
終わった。
■■手をつなぐ育成会分会から■■
(1)9月16日 都労委 第9回調査が行われた
第9回調査を前に、被申立人全日本育成会と全国育
成会連合会は、書面の提出が求められていた。内容は、
申立人組合がすでに提出している準備書面(7)~(9)
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一般会計だけ、しかもその任意の科目の合計額を計算
にして収支を示すことと財務状況についての判断とは、
概念が全く違うものであることを指摘し、したがって、
未だ「倒産状態」を裏付けるに値する証拠は、労働委
員会に提出されていないことを明らかにした。
そして全国育成会連合会については、2014年1
2月26日提出の証拠説明書で作成日が空欄であるこ
とをその場で指摘されて「丙13号証の作成日を調べ
てくる」として以来、すでに9か月を経過しても回答
できないのである。丙13号証とは、全日本育成会と
全国育成会連合会両会における「著作権譲渡契約書」
のことで、その契約書では解雇強行の翌日である「2
014年6月1日」付けとなっている。全国育成会連
合会の代理人富田弁護士が、
「実際の押印日は8月にな
ってからであった」と、発言したことから、この迷走
が始まっていた。9か月経過しても、
「全日本育成会の
久保厚子理事長」と「全国育成会連合会の久保厚子会
長」が押印した日を明らかにできない理由はなんであ
るのか説明してほしいものである。契約の相手に聞い
てみたらどうですか? 「全日本手をつなぐ育成会(久
保厚子理事長)
」も「全国手をつなぐ育成会連合会(久
保厚子会長)
」も契約書に押印した月日を忘却・失念し
たまま覚醒することなく9カ月を経過するという、ブ
ラック団体だからと言ってジョークまでブラックとな
ってしまったのである。
また、丙16号証については、証拠説明書が未だに
提出されないので作成日、作成者、全国育成会連合会
の立証趣旨が不明のままである。丙16号証は、
「第1
回権利擁護セミナーの開催要綱」
(チラシ)である。セ
ミナー開催日は2014年6月16日であった。では、
このチラシを作ったのは、いつ、誰であるか、これは
重要である。なぜなら、第1回権利擁護セミナーの案
内は2014年5月11日にはインターネット上に出
たので、いつから全国育成会連合会が始動していたか
という問題に関わるのである。6月1日(規約上の設
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立日)以降に作成したものなら、わざわざ「
(仮称)
」
とする必要もない。6 月16日のセミナー当日には
「
(仮称)
」ではなく、大きく団体名を張り出していた
のである。
結局、5月31日以前にしたら、久保厚子元理事長
というところに齟齬が生じるし、6月1日以降にすれ
ば、6月16日の企画の案内を6月1日以降に、しか
も「
(仮称)
」にして作ったという間の抜けた話になり、
どちらに転んでも真正性に疑いが生じるので、証拠を
提出したものの、こちらも説明がつかずに立ち往生し
たまま4カ月経過しても足1歩も前に出せないのだ。
ことごとく思考も作業も停止するのがこちらの団体
(もしくはその代理人)の独自の特徴ということにな
るだろうか。
被申立人全日本育成会の「赤字」の説明は、収入を少
なく見せる「ねつ造」だった!
さて組合の次に、被申立人全日本育成会と全国連合
会に対し、調査が行われた全日本育成会に対して、審
査委員は、2つの「一般会計の表」で組合が指摘した
点(一般会計の表に、平成23年、24年度が補助金
の事業収入(0円)となっている、またもう一つは事
業所協議会の会費収入が、平成22年までは 4,025 千
円あった平成23年に0円になり、平成24年 100 千
円、平成25年 335 千円という、どうしてかという理
由を聞いた。そうしたところ、三上正浩補佐人は「特
別会計に移したからだ」という事を説明したらしく、
審査委員も3人腰ぬかさんばかりにびっくりしてしば
し絶句のうえ、公益委員は、
「キャッシュフローがわか
るものを提出するよう」言ったとか。そもそも表の作
成は任意の科目の合計にしてあり、
「収支」の数字にど
ういう意味があるのか不明の表であるうえ、一般会計
から特別会計に項目を移したことを隠して、
「赤字」が
あるようにして収支バランスが悪くなったように見せ
かけていたのだった。
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(2)9月26日 全国育成会連合会
社 (1)第一種社会福祉事業(入所施設の経営) ⇒ 2003年に茨城県の
第2回全国大会名古屋大会で情宣
は「
地元の法人に移管
主 会
組合は、2010年から毎年、育成会全
な
た 福
廃
国大会情宣をしてきた。今年は、大会初日
い
る 祉 (2)第二種社会福祉事業
止
2014年3月31日
事
である土曜日の朝、受付が始まる前の時間
⇒
事
(相談事業と、団体との連絡・助成事業)
をもって廃止
業」
帯で情宣を行った。幸い名古屋は、前日ま
で 業
での雨も上がった。
全国から集まってくる
(1)社会啓発事業
主
2014年6月1日か
全
公 機関誌「手をつなぐ」の発行
育成会の会員に声をかけながら、
分会ニュ
た
ら事務所を移転し、全 で 国
益 大会・セミナーの開催
ースの配布を行う。分会ニュースの配布、
る
⇒ 国手をつなぐ育成会連 継 連
事 (2)調査研究事業
その後マイク情宣をやりきった。
今年の分
事
合会として、事業を始 続 合
業 (3)図書刊行事業
業
動
会
会ニュースは、1,2ページをわかりやす
(4)関係団体との交流・協力事業
い言葉にし、漢字には振り仮名を付けた。
12ページもあり、ちぎるのも大変なようすだった。
(知的障がいのある)
「本人大会あてのメッセージ」と
育成会分会ニュースをよく読んで、偽装解散劇の実態
位置づけ、3~12ページは、育成会会員、関係者の
を認め、不当解雇の責任をとりなさい。
皆様あてとして具体的な説明のページとした。
(3)10月9日。解雇無効裁判では、次回の10月
全国育成会連合会の会員も、運営委員も通っていく。 16日弁論準備に向けて全日本育成会は、準備書面
分会ニュースを配布していると、声をかけてくれた会
(3)と、決算書と、理事会、評議員会の議事録を提
員さんからは「私はここに書かれていることが全部本
出した。ちなみに、提出締切日までに全国育成会連合
当か、正しいかはわからないが、労働者の権利を損な
会からは提出されていない。
って障がい者の権利は護れない。労働者の一斉解雇な
①ここで特別監査報告書を持ち出してきた!巡り巡っ
ど、こんなことをしていたら障がい者運動がダメにな
て、やはり「悪の根源」に舞い戻る。全日本育成会は、
る」とか、障がい者本人からも、
「自分の職場も数人残
準備書面(3)の中で、
「特別監査報告書」
(※)を持
して、解雇された。僕らも同じだ」という声や、
「がん
ち出した。給与体系のことについて2007年の特別
ばってますね」など会員さんたちと交流することがで
監査報告書を持ち出して、
「このような給与体系に基づ
きた。
く給与の支払いについて、理事会から委嘱を受けた特
大勢の会員さんの中にまじって、三上正浩氏、副島
別監査チームは」と、特別監査チームが指摘したこと
宏克氏、東富夫氏、奈須野益氏ら、全日本育成会の「偽
が正しいように扱っているが、特別監査チームに委嘱
装解散劇」に加担し、労働者の解雇に至らした「ブラ
された内容に財務内容は入っていない。にもかかわら
ック団体全日本育成会」の関係者にもしっかり手渡さ
ず給与体系が、当時から問題となっていたことを演出
れた。
しているのだ。
残念ながら、全国育成会連合会の運営委員は、偽装
ゾンビのようによみがえった「特別監査報告書」
、そ
解散劇に手を染め、全日本育成会のブラック団体化へ
もそもでっち上げで作った「特別監査報告書」を解雇
の加担を深めているのである。中には、あまりに図星
事件に出してくるとは、その時からの問題として解雇
な指摘に我を忘れて激高し、高知大会に続いて人前で、 事件もつながっている構図を作ってくれた。この解雇
分会ニュースを引きちぎって、回りの人を驚かせた御
裁判を通じて、特別監査報告書がでまかせであったこ
仁も約1名いたとやら。今回の分会ニュース80号は
とを明らかにする。
2007年から人件費が問題となっていたよう
に演出しているが、2008年12月1日には、就
業規則、給与規程の改悪を行い、その後、職員の給
与は、ダウンしている。実際に人件費が年々ダウン
していることにも表れている。
そして、
それ以後に全日本育成会
(使用者)
から、
給与規程の変更は職員に提案されていなかった。2
008年以降、使用者から労働条件に関する話し合
いや、説明はなかった。給与規程の変更も、提示さ
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れていなかった。こうして職員にも組合にも、決算書
を見せなくなったので、今回乙号証で出される決算書
の内容を待ちたいと思います。
※特別監査報告書とは、職場でパワハラがあったとで
っち上げ、その責任をとって元飯島勤事務局長をやめ
させることが目的で作られたものだった。理事会は、
特別監査報告書を根拠に、即日飯島事務局長を解職す
る処分を行った。当時の職員はあまりに、事実に合わ
ない内容であったので、すぐに抗議し、特別監査報告
書の撤回、飯島事務局長の解職の撤回を求めて、組合
の分会を作った。その後、飯島元事務局長は退職し、
分会を離れて労働審判で特別監査報告書に基づいた事
務局長の解職の誤りを明らかにした。
組合は、法人が団体交渉の中で事務局長の解職の理
由を説明しなかった点について、不当労働行為として
東京都労働委員会命令の中で認定させた(2014 年 2 月
26 日交付)
。
②「倒産状態」
「債務超過」は出てこない。
「赤字と会
費の減少」これは公益事業の話。
社会福祉法人は、社会福祉法に規定されて、社会福
祉事業を「主たる事業」とすることとなっているが、
全日本育成会の準備書面では、社会福祉事業の状況の
説明は、
「社会福祉事業で報酬を得られていない、社会
福祉法人の見直しが過去において必要であったが、手
つかずできた」とさらりと言って、
「累積赤字」
「赤字
だった、会費収入が減少」を繰り返しているのである。
「社会福祉法人の解散」につき、本来社会福祉事業
について廃止する場合は、社会福祉法に基づき廃止届
を出すことで社会福祉法人の解散手続きとなるのであ
る。ところが、全日本育成会の準備書面(3)では、
社会福祉事業がどうなっていたかが抜け落ち、明確に
されていない。社会福祉法人の主たる事業であるはず
の社会福祉事業の浮沈とは関係ないことを解散の事由
にしている。これは社会福祉法の趣旨に反する。つま
り、
「赤字だった、会費収入が減少」としていることは、
会費収入を主たる事業収入とする公益事業の話であり、
「社団法人的」な事業内容となっていたのであるから、
会費の減少が止まらずに、事務所を閉じたとするなら、
社会福祉法に反する理由で事務所の閉鎖を決めたとい
うことになるのである。
このように、社会福祉法人の解散手続きと、事業所
閉鎖は関係ないことが、今さらに明らかになってきた。
③社福の解散後について、全日本育成会の理事会、評
議員会で話し合っていた事実が出てきた。
全日本育成会は、社会福祉法人の解散後について、
全日本育成会の組織の中で議論してきたことを認め始
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めた。そして、2013年10月30日の労働委員会
の結審後の、2014年1月10日になって社福解散
の話を始めたこと、各ブロックを回って了解を取り付
けたとしている。そして、社会福祉法人解散後のビジ
ョンについても、4月、5月に新たな連合会の構想に
ついて、各ブロックを回って意見交換して、その後の
5月23日の設立発足準備会の資料を提出することと
した。これは、全日本育成会そのものの、組織変更で
あること以外、何者でもない。
次回10月16日は、解雇無効確認裁判の弁論準備です。
◆◆ユニオン東京合同はもの申す ◆◆
TPP(環太平洋経済連携協定)には反対!
参加する日米を含む12カ国は10月5日、米ジョ
ージア 州アトランタで開いていた閣僚会合で「大筋合
意に達した」と報道された。
しかし10月8日、TPP阻止国民会議などによる
現地報告会では、事実が次々に明かされた。報告者か
らは「日本と他国との認識にはどうもズレがあります。
閣僚合同記者会見で〈大筋合意したのか?〉と問われ
た米国のフロマン通商代表はイエスともノーとも答え
ず、言葉を濁していたし、貿易協定が一変する重要な
会合だったにもかかわらず、参加12カ国中の3カ国
は代理出席。質疑は空回りしていました。安倍政権は
来夏の参院選での争点化を避けるため、このタイミン
グでの形式にこだわってきた。
『大筋合意することを合
意した』というのが真相に近いのではないか」という
内容であった。
TPPが実際の協定となるには、たくさんの条件や
手続きがある。今回の「大筋合意」という報道があっ
たとしても、課題があるということであるが、TPP
による関税撤廃品目は、各種別に示されて、貿易競争
は加速される。それは非関税分野にも話は及ぶ。そし
て、すぐに関税が撤廃される物もあるという報道だか
ら、自由貿易が事実上スタートしてしまうことになる。
自由貿易を契期に、その地域ごと、仕事を失い、失
業者が増大することとなる。炭鉱閉鎖のときのような
ことになりかねない。世界中から物が入ってくるとい
う事は、国内の産業構造を破壊することになる。
ユニオン東京合同は、TPP反対の立場から、経済
問題も今後「闘華」で報告していきたい。
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いる。公務員の身分証に加えて、民間企業の社員証、
運転免許証、卒業証明書、医師免許・教員免許などに
も使うことが検討されている。
このように、共通番号の活用は年を追って拡大する。
そして、マイナンバー制度は個人情報漏洩のリスクが
ある点が大きなデメリットである。マイナンバーと類
似の制度を導入している海外の事例では、やはりマイ
ナンバー(国民番号)の流出が起きている。
米国では社会保障番号が日本のマイナンバーのよう
な機能を果たしているが、この社会保障番号を利用し
た犯罪が発生している。何らかの形で社会保障番号等
を入手した者が、本人になりすまして確定申告を行っ
て税金の還付金を詐取したり、クレジットカードや銀
行口座を不正に作成する事件が発生している。日本で
もマイナンバー制度のセキュリティが重要な問題だ。
2015年6月に日本年金機構がサイバー攻撃を受け
て個人情報が大量に流出した。行政から民間へ、個人
から企業へ、利用が拡大するごとに莫大な費用と、犯
罪、情報漏洩のリスクが増大する。
マイナンバーは、政府による国民情報一元管理制度で反対!
人ひとりに12ケタの番号を割り振る前代未聞の一
大国家プロジェクト、「マイナンバー制度」=国民総背
番号制度がスタートする。10月中旬に市区町村から、
人ひとりに12桁の番号を振り当て、表に番号、氏名・
住所・性別・生年月日が印刷されている「通知カード」
が世帯ごとに簡易書留で送られてくる。日本に住民票
を置いている人に限られる。赤ん坊も含め、生存して
いる人全てに送られていく。企業は、従業員の給与所
得の源泉徴収票、社会保険の被保険者資格取得届、支
払調書などにマイナンバーを記載する必要があるので
労働者は自分のナンバーを会社に届けなければ源泉徴
収票も発行されないなど、不都合があり、企業への番
号届け出は、労働者への事実上の強制である。
2016年1月以降は、望めば顔写真付きのICチ
ップ搭載カードを市町村が無料で発行する。有効期限
は20歳以上が10年、20歳未満が5年。
企業などの法人に対しては、法務局に登記されてい
る法人情報などから13桁の法人番号が付与されて、
個人同様に10月から書面で通知が開始する。法人番
号は、商号または名称、本店または主たる事務所の所
在地、法人番号がインターネット上で公開される予定
で、税務の申告書・法定調書への記載の必要が生じる。
― なぜ共通番号制か ―
世界各国は分野別に番号制をつけており、この日本
の包括的な共通番号制は異常である。システム導入の
初期投資で約2700億円、メンテナンスコストとし
て毎年300億円程度の支出が見込まれるという、巨
額な金がかかるマイナンバー制度。そのうえ個人情報
の漏えいのリスクが避けられないことが分かっている
マイナンバー制度をなぜ導入するのか?資本にとって
も一大情報源として利用するビッグチャンスになろう。
戦争国家に進むために国家が全ての国民の管理・支配
を強化しようとし、創ったものである。
― 「マイナンバー」制度利用の拡大 ―
「マイナンバー」は、2016年1月以降の①所得
税や住民税などの「税」
、②年金や雇用保険などの「社
会保障」
、③被災者台帳などの「災害対策」の3分野の
順に行政手続きで運用が開始する。確定申告、法定調
書、雇用保険、児童手当、生活保護などの手続き時に
マイナンバーを書類に書かなければならない。201
7年1月からは、各行政機関がマイナンバーによる情
報の連携を開始し、同7月からは地方自治体・健康保
険組合などとも連携する。
総務省は、個人番号カードの新たな活用法について
検討するため、有識者による懇談会を設けた。201
5年12月に懇談会が取りまとめる中間報告を踏まえ
て、総務省は来年の通常国会で必要な法律の改正案を
提出する予定だ。その他、法務省によると、戸籍・パ
スポート、
・証券分野、それぞれに法案提出などがある。
マイナンバーのインフラ制度活用として、健康保険
証、診察券、お薬手帳など公的保険だけではなく、ポ
イントカード、デビットカード、クレジットカード、
キャッシュカード、として利用することも検討されて
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― 我々の立場 ―
安倍政権が我々を管理・支配し、戦争国家に進もう
とすることを絶対阻止する。共通番号制は、全てを1
枚のカードで済ませようとするが、これにより国民の
全てを政府が握ることになる。国民の情報を一元管理
することは、国家秘密保護法とセットになっている。
国の情報は「何が秘密であるかも秘密」という秘密保
護法で処分を強化しつつ、国民の情報とは箪笥預金ま
で明らかにさせて管理する「国民情報筒抜け法」なの
だ。筒抜けにして一元管理を強化することに対し、漏
えいが危険だというだけでは、闘いが狭くなる。大き
な問題は、戦争の進行による情報管理の強化である。
労働者階級の闘いをつぶすための共通番号制を戦争法
もろとも廃止するために闘おう!
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No.99
どんな判決が出ようと悪法は悪法だ。たたかいは続く
(同訴訟原告・フリーライター/丸田潔)
。
寄
「秘密保護法違憲訴訟」が
稿
いよいよ判決。傍聴に結集を!
◆ユニオン東京合同 闘争報告◆
「採決」され「成立」したとされる戦争法(安保関連
法)において、自衛隊の武力行使や海外派兵の要件と
される「重要影響事態」や「存立危機事態」の認定の
判断基準となる「事実」が特定秘密として秘匿されれ
ば、メディアをはじめ私たちになんら情報提供がされ
ないままに武力行使や戦争支援が行われる。国会がチ
ェックすることもできずにシビリアンコントロールは
失われ軍部独走が現実のものとなる。憲法の平和主義、
国民の知る権利や言論・表現の自由は完全に空文化す
る。安保関連法によって秘密保護法の違憲性、危険性
はより明確になったのではないだろうか?
「フリーランス表現者による秘密保護法違憲訴訟」は
フリージャーナリストや編集者、映像作家など、フリ
ーランス表現者 43 名が「秘密保護法は憲法違反だ!」
と東京地裁に提起した裁判である。本裁判は秘密保護
法の①違憲無効の確認、②施行差し止め(執行停止)
、
③原告の損害に対する賠償の3つを求めた民事訴訟で
ある。日本では、実際に起きた事件について違憲かど
うかを争うことはできても、成立した法律そのものの
違憲を争う裁判は困難とされている。この裁判も 1 回
か2回の弁論で終結、門前払いの判決が出されるだろ
うと考える人が多かった。しかし予想に反して提訴か
ら約1年半、弁論は 2015 年8月 21 日に7回を数え結
審した。6月3日の第6回口頭弁論では、林克明、寺
澤有の2名の原告の本人尋問が行われた。原告・林は
いわゆる「イスラム国」による日本人人質殺害事件に
ついて、人質解放交渉に関する文書の開示を内閣府と
外務大臣に行政文書の情報開示請求をしたところ、内
閣府はそのような文書は存在しないと回答、外務省は
内閣府に聞いてくれとの回答だった。この事件につい
て岸田外務大臣らが「特定秘密が含まれ内容を明らか
にできない」と発言しているが、文書が存在しないこ
とは考えにくく、秘密保護法によって取材の自由が侵
害されていることを改めて確認することとなった。最
終弁論では原告・黒薮哲哉が原告を代表して意見陳述
し、ジャーナリストが特定秘密を暴露した場合に起訴
の対象になるのかどうかを判決で明記してほしいなど
と訴えた。判決は 11 月 18 日(水)15 時〜、東京地裁
103 号法廷で下される。
秘密保護法違憲訴訟は横浜、静岡、広島でも提起さ
れているが本訴訟が判決のトッップバッターとなる。
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全都反弾圧闘争を闘った
9月12日に第40回を数える全都反弾圧集会が開
催され、集会終了後デモ行進を行った。例年では、昼
に集会、午後4時ごろからデモ行進が通常となってい
たが、今回は、午後から予定されていた辺野古新基地
建設反対の国会闘争のため前倒しをして午前10時か
らの集会開始となった。
集会では、一坪反戦地主会関東ブロック、組対法・
破防法に反対する共同行動、医療観察法を許すな!ネ
ットワーク、差別排外主義連絡会、経産省テント広場、
などの仲間から連帯発言があった。その後、全国の争
議団紹介があり、闘う仲間が紹介された。カンパ要請
の後、あわただしく基調報告がされ、続いて、大道測
量、立川テント村、労働法連絡会から報告と決意表明
があった。いずれも制約された短い時間の中での濃い
闘いの報告、決意表明であった。
渋谷の街を、弾圧反対でデモ!
天気は上々、デモ日和であった。日差しは暑いくら
い。集会会場の千駄ヶ谷区民館を出発し、原宿駅前を
通り、渋谷へ向かった。渋谷区庁舎前では、宮下公園
を強引にナイキに売り渡し、野宿者を排除した渋谷区
に対して抗議のシュプレをあげた。あいかわらず人通
りの激しい渋谷で、「弾圧反対!」「間接強制攻撃阻
止!」
「警察権力は争議介入するな!」
「警察はのさば
るな!」
「警察はみんなの味方ではない!」とシュプレ
をあげ、
「戦争法案反対、辺野古新基地建設反対!」
「差
別排外主義反対!と声をあげた。
デモの終結点、宮下公園に着いて、まとめの集会を
開こうと三々五々結集しているところへ、警察権力数
人が取り巻くように集まってきた。明らかに集会妨害
である。口々に怒りの抗議が上がり、
「警察出ていけ」
の激しいコールとなった。それでも権力は帰ろうとし
ない。同行していた3人の弁護団が離れるよう説得を
続けたが、少し距離を伸ばしただけで、しつこく居直
っていた。こうした妨害をはねのけ、総括共有でこの
日の闘いの成功を確認した。
今回、実行委参加団体が減った割には、121名の
参加で全都反弾圧闘争を闘った。
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ユニオン東京合同 機関紙
闘
華
2015 年 10 月 10 日発行
◆ ◆ ユニオン東京合同のお知らせ ◆◆
組合活動日誌
月 日曜
活動内容
10 木 戦争法反対国会闘争
第40回全都反弾圧集会・デモ
12 土
辺野古新基地建設反対国会行動
13 日 ニセ可視化、司法取引、盗聴法反対市民集会
いまこそ問われる戦争と言論弾圧
横浜事件国賠
■日時:10月15日(木)13:30~17:00
9 16 水 育成会分会、都労委調査
23 水 組合組織財政会議
26 土 育成会分会 育成会連合会全国大会情宣行動
28 月 ブリタニカ分会社前情宣 、三役会議
29 火 山田書院 千葉鎌取団交要求行動
■場所:東京地裁 611 号法廷 原告本人尋問
■主催:横浜事件を支える会
(中央区入船 1-1-1 松本記念会館 中山法律事務所)
阿佐ヶ谷市民講座
10
2 金 争団連総決起集会
7 水 定期執行委員会
スケジュール
戦争法制をいかに打ち破るか!
月 日曜
■日時:10月15日(木)18時
■場所:劇団展望(杉並区阿佐谷南 3-3-32)
■主催:阿佐ヶ谷市民講座
講演 金元重さん(千葉商科大学教授)
演目 「韓国民主労総20年の闘いとゼネスト闘争」
参加費 千円
全国労働者総決起集会
■日時:11月1日(日)正午
■場所:日比谷野外音楽堂
活動内容
11 日 三里塚全国総決起集会・デモ 正午現地集合
13 月 組合作業日
横浜事件原告本人尋問 13:30~地裁 611 号 ★
15 木
阿佐ヶ谷市民講座 18:30 劇団展望 ★
育成会分会解雇無効確認裁判
10 16 金
弁論準備 11:00~
18 日 差別排外主義反対集会・デモ新宿柏木公園
20 火 例会 19:00~組合事務所
24 土 全都反弾圧闘争総括会議
28 水 もんじゅ 西村国賠 13:30 地裁 703 号
1 日 労働者総決起集会 正午 日比谷野音 ★
5 木 定期執行委員会
11
6 金 裁判員制度廃止へ最高裁デモ 正午日比谷公園霞門★
11 水 育成会分会 都労委調査 10:00~
■主催:全日建運輸連帯労組関西生コン支部、
全国金属機械労組・港合同、動労千葉、
★印は左側に詳細があります
国鉄闘争全国運動
集会後デモ
「現代の赤紙」
裁判員制度廃止へ11・6最高裁デモ
■日時:11月6日(金)正午デモ出発
■場所:日比谷公園霞門 集合
(丸ノ内線霞が関駅B2出口すぐ)
■主催:裁判員制度はいらない!大運動
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