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鹿島市都市計画マスタープラン改定(素案)概要
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平成 27 年 11 月
1.改定(策定)の必要性
①なぜ今改定するのか
平成 13 年に鹿島市都市計画マスタープランを策定した後、以下の社会情勢の変化が起き
ている。
・人口将来展望においては、人口減少・高齢化に対応したコンパクトなまちづくりは国の重
点的施策となっており、鹿島市も人口減少が進み、超高齢社会に突入した。
・観光振興においては、重要伝統的建造物群保存地区へ「肥前浜宿」の選定、ラムサール条約
湿地へ「肥前鹿島干潟」の登録及び、重点道の駅へ道の駅「鹿島」の選定により、地域の取り
組みも活発化しており、観光・交流の機運が高まっている。
・道路整備においては、大牟田市から鹿島市をつなぐ有明海沿岸道路(福富鹿島道路)の整備
や国道 207 号バイパスの全線4車化が進みつつあり、生活・産業・観光などの面で多様な効
果が期待できる。
このような社会情勢の変化を踏まえ、都市の骨格となる「道路整備」、「観光・交流拠点の整
備」を行ってきたことにより、都市としての将来像が明確になりつつある。
さらに、
「人口減少・高齢化社会」への対応、
「安全・安心」と「便利な暮らしの提供」に応え
られる将来的な都市づくりを行うために都市計画マスタープランの改定が必要な時期に来て
いる。
②都市計画マスタープランとは
都市計画マスタープランとは、都市計画区域内の用途地域や地区計画、道路、公園、下水
道、土地区画整理事業など、都市計画決定を行う際の指針として、将来像や将来都市構造、
都市計画の基本的な方針を定めるものをいう。
①土地利用計画
②都市施設計画
③市街地開発事業
【兵庫北土地区画整理事業(佐賀市)】
※国土交通省HPより
※国土交通省HPより
※夢咲コスモスタウンHPより
鹿島市都市計画マスタープラン改定概要
2.改定のポイント
①持続可能なまちづくり

H12 年以降、人口減少が加速
50,000
・H13 年:市街地の拡大を想定
40,000
エリア
・鹿島市では人口減少が加速し、
土地や住宅需要の減少が予想される
9,288
9,670
10,032
9,945
9,806
-3.3%
10,000
-7.5%
9,000
30,000
8,000
18,252
・独居高齢者の増加
20,000
・空き地・空き家の増加
10,000
11,000
18,026
17,616
17,132
16,377
7,000
6,000
16,084
0
総数:人 H2
・全国的にも人口減少社会に対応した
地方創生の取り組みが活発化
16,057
15,599
14,985
14,343
H7
H12
H17
H22
5,000
4,000
男
女
世帯
世帯数
▲人口・世帯数の推移
資料:国勢調査
②新たな交流をはぐくむ拠点の形成
・H13 年:観光拠点として、
蟻尾山公園や祐徳神社、
干潟を位置づけていた

年間観光消費額は平成 14 年から約 1.3 倍の 24 億円に
拠点
・農業、商業、工業については
産業活力が低下
・働く場の確保が求められている
・H14 年以降肥前浜宿では
酒蔵ツーリズムなどによる
観光振興
・また、H27 年に肥前鹿島
干潟がラムサール条約湿地に
登録
▲観光消費額の推移
資料:佐賀県観光客動態調査
③交通体系の見直し

2022 年、特急列車本数が激減
・H13 年:国道 207 号バイパスの早期整備を
目指していた
・H15 年:国道 207 号バイパス開通
都市軸
・有明海沿岸道路の整備が進む
・一方、九州新幹線開通時の
JR 長崎本線の特急減便が予想される
51 本から
10 本へ
・通学等における歩道の安全確保が
求められている
・長期未着手の都市計画道路が存在
▲特急減便の予想
2
鹿島市都市計画マスタープラン改定概要
持続可能なまちづくり
3.全体構想
新たな交流をはぐくむ拠点の形成
交通体系の見直し
主要課題
目指す
都市像
・人口減少・高齢化社会に対応し、ま
ちなかへの居住促進や都市機能の
充実を図り、高齢者などが歩いて暮
らせる都市づくりを目指す
持続可能な
まちづくり
をはぐくむ
拠点の形成
交通体系の
見直し
みんなが住みやすく、暮らしやすいまち
新たな交流
農地保全を前提とし、
現行法との調整を図りながら
土地利用を促進
展開方向
国道 498 号の整備を見
据え、土地の有効利用を
推進
・高齢者などが歩いて暮らせる都市
づくりとして、中心市街地への生活
利便性の充実・維持や、市民や観光
客のコミュニティ空間の形成によ
る、魅力的で住みよい住環境づくり
に努める
・本市の経済活性化の起爆剤として
期待される観光・交流拠点の形成
を目指す
・肥前浜宿の歴史的な町並みの保全・
活用による住まいと観光の両立を
目指す
・肥前鹿島干潟は市民や観光客が親
しみを持ちながら自然を守ってい
くことのできる干潟を形成
・祐徳稲荷神社は門前町の再生を図
り更なる集客を目指す
・蟻尾山公園は、
スポーツ合宿の誘致
にふさわしいスポーツ環境づくり
や防災機能の強化に取組む
・都市軸として、広域交通に対応した
新たな交通体系の形成を目指す。
・新たな交通体系として、周辺市町と
の快適で効率的な広域交通のネッ
トワークの実現を目指す。
・国道 207 号バイパス沿道の一部は
土地利用を検討し、広域交流や連携
の促進を図る
・都市の骨格となる道路に接続する
ように、道路や公共交通機関の充実
を図り、市民が快適で安全に移動で
きる交通体系を目指す
※第六次総合計画の内容修正によっては変更あり
広域的な交流や連携を
活発化させる軸として、
広域交流軸を位置づける
広域アクセスの
結節点に工業系
拠点を配置
市の玄関口として
交流・賑わい機能の強化
公共施設の集約と安全で利便性の
高いまちなか居住環境の形成
肥前浜宿の玄関口として
交流・賑わい機能の強化
持 続可 能な まち づく りの た
め、土地利用を適正に誘導
鹿島城址の歴史・
景観を活かした
周辺整備
ラムサール条約湿地等の
干潟の保全と活用
・スポーツ観光の
拠点形成
・防災機能の強化
干潟を活かした
レクリエーション
拠点の形成
農地保全を前提とし、
現行法との調整を図りながら
土地利用を促進
集客性・知名度を活かした
新たな観光拠点の形成
酒蔵や伝建を活かした
観光拠点の形成
3
鹿島市都市計画マスタープラン改定概要
4.地域別構想
地域区分
ワークショップ意見
・肥前鹿島駅は鹿島の
窓口なのに周りが暗い、
お店がない
・中心市街地では
働くところが少ない
・高齢者が一人で
住んでいるところが
増えてきた
・蟻尾山公園の歴史的活用
鹿島・能古見 地域
・若者の流出
・有明海沿岸道路が北鹿島に
入るところあたりに北鹿島
物産館をつくる
テーマ:昔ながらの町並みと都市機能が集まる街並みの調和を目指して
方針概要:本市の玄関口として、駅舎・駅前の整備により賑わいを創出する。また、商業施設の誘致に
よる産業の活性化を図る。
持続可能なまちづくり
新たな交流をはぐくむ拠点の形成
交通体系の見直し
中心市街地の活性化
JR 肥前鹿島駅
・日常利便性を向上させる
地区商業地を形成
・商業集積と高度利用を促進
・アクセスの向上を図る
・空き家・空き店舗を活用
した商業施設の誘致
田園集落地(重ノ木)
・駅舎整備
・駅前広場整備
・田園集落地の生活環境の保全
・アクセス道路の整備
まちなか
国道 207 号
・生活が便利なまちなかへの居住促進
・良好な市街地の形成
危険箇所の歩道拡幅や街灯整備
鹿島城址周辺
・祐徳神社の参拝客を有
効に活かしていない
・祐徳商店街が活用でき
ていない!
・重伝建地区として
大切にされている
・七浦駅の干潟が良い
・総合公園として活用
・樹林地を貴重な緑地として保全
・レクリエーション空間の利用推進
・スポーツ合宿のための周辺環境整備
・防災機能の強化
テーマ:人と干潟・田園環境の共生を目指して
方針概要:肥前鹿島干潟のワイズユース(賢明な利用)の促進を図るとともに、有明海沿岸道路の延伸
を見据えた企業の誘導による雇用の創出を図る。
都市計画道路
・長期未着手路線の廃止や
変更などの計画見直しを検討
・街路網整備
・圃場整備事業で整備した優良な農地の保全
・既存田園集落地の住環境の保全・整備
国道 498 号沿道
肥前鹿島干潟
・肥前鹿島干潟の
保全
・渡り鳥の飛来地
としての整備
・干潟の生物や野
鳥の観察が出来
る空間を形成
・案内看板の設置
や周辺整備
・干潟の生物や野
鳥の観察会
国道 498 号の整備を
見据え、土地の有効利用を
推進
田園集落地(森・中村)
国道 207 号
道路改良および危険箇所の歩道拡幅や街灯整備
整備検討
国道 207 号
・道路改良
・危険箇所の歩道拡幅や
街灯整備などの促進
農地保全を前提とし、現行法との調整を図りながら
土地利用を促進
・駅舎の整備検討
・駅前広場の整備検討
工業・物流地
・適正な土地利用の誘導
・既存工業の振興と集積
・住民と一体になって歴史的な景観を
保存
・歴史的建造物を活用した
観光型商業施設の誘致
・歴史的建造物を活用した
住環境づくりの促進
田園集落地(浜・七浦干拓)
・圃場整備事業で整備した
優良な農地の保全
・田園景観の保全
国道 207 号バイパス沿道
農地保全を前提とし、現行法との
調整を図りながら土地利用を促進
・用途地域の指定の検討
・適正な土地利用の誘導
乙丸・吹上線
整備検討
国道 207 号バイパス沿道
古枝・浜・七浦 地域
テーマ:歴史的な町並みの保存・活用と豊かな自然環境の保全を目指して
方針概要:祐徳稲荷・肥前浜宿・干潟などの観光名所が集積する観光地域であり、これら観光地域を繋
いで回遊性・滞留性を高めるとともに、暮らしとの調和・共存を図る。 肥前浜宿
古枝・祐徳稲荷神社周辺
・圃場整備事業で整備した
優良な農地の保全
・既存田園集落地の
住環境の保全・整備
乙丸・吹上線
JR 肥前浜駅
田園集落地(常広)
農地保全を前提とし、現行法との調整を図りながら
土地利用を促進
道路のバリアフリー化
蟻尾山公園
北鹿島 地域
国道 207 号バイパス
市役所周辺
・店舗の誘致や休憩スペース等の整備
・貴重な緑地空間の保全
・市民のレクリエーション空間として
の利用の推進
・観光拠点として大手門や武家屋敷な
どでの、歴史的景観整備
浜川
河川改修事業の推進
下水道
雨水排水施設の整備
干潟
・干潟を活用した
レクリエーション空間の形成
・干潟の生物や野鳥の観察会
祐徳稲荷神社
・歴史的な景観の保全検討
・門前町再生
回遊ルート
主要観光拠点間の回遊ルート
形成に向けた公共交通の整備検討
4
鹿島市都市計画マスタープラン改定概要
短期・・・平成 32 年
中期・・・平成 38 年
5.実現に向けて(事業スケジュールの検討)
長期・・・平成 48 年
□各分野の主要・施策における事業期間
事業スケジュール
方 針
目標・構成
主 要 施 策
短期
中期
長期
(5年) (10年) (20年)
土地利用の
方針
住居系
住宅地
・交通や生活に対して不便を感じる高齢者をはじめとする市民へ向け
たまちなかへの居住を促進します。
商業・業務系
商業地
・市の中心部として、市民や観光客にとって有意義な商品・サービスを
提供する商業集積と高度利用を促進します。
工業系・物流系
工業・物流地
・国道498号等の整備を見据え、土地の有効利用を推進します。
公共公益地
沿道サービス系
沿道サービス地
主要幹線道路
(主要都市と結ぶ
道路の整備)
道路整備の方針
交通体系
整備の方針
・市民間の交流の中心となるコミュニティ施設の形成を図ります。
・国道207号沿いの一部は、当面の間は現行法での土地利用を図りつ
つ、将来的には、沿道サービス機能の立地を検討します。
・有明海沿岸道路(福富・鹿島間)の早期着手と延伸計画(鹿島市から
諫早市)の要望を図ります。
・国道498号の走行性の高い道路への整備要望を図ります。
幹線道路
(都市及び拠点と
結ぶ道路の整備)
・長期未着手都市計画道路の路線の廃止や変更などの見直しの検討
を図ります。
・交通の要衝であるJR肥前鹿島駅やJR肥前浜駅は、駅前広場の整備
を図り、賑わいを形成します。
公共交通機関
整備の方針
鉄道及び駅周辺の
有効利用
・JR肥前鹿島駅やJR肥前浜駅、JR肥前七浦駅は、歴史を活かした駅
舎の再整備を図ります。
公園・緑地・
景観整備の
方針
下水道及び
河川の整備
方針
観光・交流
まちづくりの
方針
・肥前浜宿では、歴史的建造物の積極的な活用に務めます。
景観整備の方針
・鹿島城址の景観の保全と、城下町らしい景観の整備を促進します。
河川整備の方針
観光・交流
まちづくりの
方針
干潟や河川に親しむ
・日常的に干潟に触れ合うことのできる空間形成を図ります。
空間の整備
歴史
・肥前浜宿や祐徳稲荷神社、鹿島城址は歴史的な景観を活かした観
光拠点を形成します。
スポーツ・
レクリエーション
・蟻尾山公園やその周辺については、スポーツやレクリエーション空間
としての機能向上を図ります。
自然
・肥前鹿島干潟や道の駅鹿島周辺は、自然環境を保全しつつ、観光
資源としての活用を推進します。
5
鹿島市都市計画マスタープラン改定概要
6.都市計画マスタープランの位置づけ
都市計画マスタープランは上位計画に即して定めることが必要であり(都計法第 18 条の 2)、本市の上位
計画である「鹿島市総合計画」とともに、佐賀県が定める「都市計画区域マスタープラン」に即して定める。
【上位計画】
【上位計画】
佐賀県
鹿島市
第六次鹿島市総合計画(案)
(H28 年/策定予定)
鹿島都市計画区域マスタープラン
(H16 年)
鹿島市都市計画マスタープラン
(H13 年/策定、H28 年/改定予定)
個別計画など
市民
・用途地域
・道路・公園・下水道
など
▲都市計画マスタープランの位置づけ
【参考】
都市計画法 (市町村の都市計画に関する基本的な方針 )
第18条の2
市町村は、議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想並び
に都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に即し、当該市町村の都市計画に関する基本的
な方針(以下この条において「基本方針」という。)を定めるものとする。
2
市町村は、基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、公聴会の開催等住民の意見を反
映させるために必要な措置を講ずるものとする。
3
市町村は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表するとともに、都道府県知事に
通知しなければならない。
4
市町村が定める都市計画は、基本方針に即したものでなければならない。
6