筑西市の地方創生への 取り組みについて

視
点
筑西市の地方創生への
取り組みについて
筑西市長
須藤 茂
筑西市は今年3月、誕生10周年の節目を迎えました。この間、東日本大震災という
かつて経験のない大災害に遭遇し、以来、復旧と安心・安全なまちづくりに取り組ん
でまいりました。更に現在はもう一つ、「少子高齢化・人口減少」という危機が止むこ
となく進行しており、その対策は喫緊の課題となっております。
本市の人口は、合併時には11万3千人余りでしたが、現在では10万5千人を割り込
み、年間千人近くの人口減少が続いております。
「国立社会保障・人口問題研究所」の
推計では、25年後の2040年には約7万8千人、そして2060年には現在の約半分の約
5万5千人まで減少すると予測され、
「日本創成会議・人口減少問題検討分科会」が昨
年5月に公表した全国896の消滅可能性都市の一つにも数えられてしまいました。
人口減少は、農業・中小企業など労働力人口の減少による産業の衰退をはじめ、消
費活動の低下による中心市街地の衰退、急激な高齢化による一人暮らし高齢者や老老
介護等の増加、空き家の増加、地域コミュニティ活動の低下などによる集落の衰退、
税収の減少など、様々な問題の起因となり、その結果「まち」としての成り立ちが極
めて困難な状況へと繋がってしまいます。
こうしたことから、本市では昨年7月、「筑西市人口減少・定住促進対策推進本部」
を設置し、子育て支援、婚活、定住、雇用、魅力発信の5分野にわたって施策の検討
を進めてまいりました。そのような中、昨年11月には「まち・ひと・しごと創生法」
が制定され、地方自治体も「地方人口ビジョン」と「地方版総合戦略」を策定し、自
らの創意工夫に基づいた人口減少対策への取り組みが求められることになりました。
本市では現在、定住しやすい都市環境の向上を目指し地域医療体制の確立を図る新
中核病院の建設や、若者の働く場の確保を目指す企業誘致の推進、少子化・人口減少
に対応した学校等の適正配置や小中一貫教育の導入などを重点事業に位置付け取り組
んでいるところです。今般の「まち・ひと・しごと創生」を、人口減少時代における
まちづくりの好機と捉え、行政のみならず、市民や企業、有識者等各界・各層の皆様
からもご意見をいただきながら「少子高齢化・人口減少」の危機を乗り越えていきた
いと考えております。
15.6
’
3