20151008osaka290

第290号
2 0 1 5 年 9月 1 7 日
発
行
大 阪 市 港 区 築 港 1 − 1 2 ー 2 7
全日本港湾労働組合関西地方大阪支部
発行責任者
林
繁 行
ていたからです。
日米安全保障条約は、50年
代、60年代は「米軍は日本の
米艦船や戦闘機に燃料や弾薬
見過ごすならば、子や孫の時
全港湾は、北海道から沖縄
を補給することが、日本の防
代に「戦争する国」が現出し
までの全国統一行動(30分の
衛と言えるのか?
た時、大人の責任としてどの
時限スト)を決定した。団結
ように言い訳ができるであろ
の力で、戦争法案を粉砕しよ
うか。
う!
防衛にとって必要」、70年安
このように、戦争を合法化
保自動延長では、「極東
する極めて危険な戦争法案を
(「北朝鮮」・中国)の安全
にとって重要」と範囲が拡大
され、95年新安保宣言で日米
共同軍事協力へと、安保体制
の変貌がなされてきたとはい
2014年7月、民意を無視し
きた。しかし、日米政府が基
考えなければならないことは
え、それは現平和憲法下でぎ
て、辺野古新基地建設が強行
地建設を辺野古に押しつけて
「沖縄の県民は痛みを他人に
された。
いる問題をすり替え、新基地
押しつけない」と言い続けて
大阪で反戦運動をしている
は国外、県外という声が多く
いること。「ぬちどぅ宝」は
団体が呼びかけ、大阪でも運
なり、翁長知事がワシントン
一人の命も粗末にしないこと
動体をひとつにして、以後、
などのシンクタンクと交渉し、 だ。しかし、何一つ解決され
「大阪アクション」として活
ず戦後70年経った。基地が老
動することが確認された。
朽化し、米軍は新しい基地を
りぎり認めてきた「専守防衛」
「個別的自衛権」の範囲にと
どまっていたからに他なりま
せん。「集団的自衛権の容認
は憲法違反である」ことは、
執行委員長
山
元
一
英
誰の目にも明らかとなってい
ます。
7割以上に上る圧倒的多数
今は、法案の廃案と安倍内
上下院で日米軍事一体化・集
の民衆が反対をしている「戦
閣打倒の闘いを力一杯闘わな
団的自衛権の行使を宣言し、
争法案」が、参議院ないしは
ければなりません。
米国の侵略戦争に日本が「積
沖縄で開催された緊急集会
作りたいが予算がないので、
にあわせて関西集会を2014年
日本政府に予算を計上させ、
8月以降、5回開催してきた。
辺野古に基地を作ろうとして
また、神戸の第5管区海上保
いる。辺野古基地建設に10年、
衆議院で再可決(参議院で採
多くの憲法学者、文化人の
極的平和主義」で協力するこ
決されない場合、60日以内に
みならず、圧倒的な民衆が連
とを誓約したのです。安倍は
衆議院で3分の2以上の賛成
日国会前で抗議の声を上げて
日本の首相なのか?それとも
力的な拘束や過剰な警備につ
沖縄の問題を海外で訴え、政
しているという問題もある。
米国の首相なのか?日本の民
いて抗議を申し入れ、あるい
策を変えることを促していま
危険なのは嘉手納基地も449
主主義は、どこに行ったのか
は、基地工事を請け負ってい
す。
件の事故があるが、なぜ無視
と思います。
る大成建設関西支社と中央開
日本には133カ所もの米軍
するのか。ほとんどの事故が
発関西支店にも抗議行動を行っ
基地があるが、沖縄になぜ74
原因究明無くあやふやにされ
てきた。
%の基地の負担がされている
ている現状に、私たちは現地
安庁に対して、海保職員の暴
2つは、戦後70年間日本が
「平和国家」を維持できたの
は、米国が行った朝鮮戦争に
多数で可決成立)されようと
▲前泊博盛沖縄国際大学教授
3つに、今回の安保法案は、
1年間の活動の総括的集会
普天間基地撤去5年と、矛盾
のでしょうか。関西でも昨年、 と情報の交換をしながら、闘
も、ベトナム戦争にも、その
安倍や右翼推進派が言うよう
として8月23日、前泊博盛沖
他湾岸、アフガン、イラク、
な「日本の安全のため、日本
縄国際大学教授をお招きして、
国民を守るため」などと言う
「大阪アクション1周年とこ
に参加してヤマトでも訴えて
日本防衛を目的とするもので
れから」集会を開催した。
いくことが求められます。
いるのは何故か?
京都府にXバンドレーダー基
争することが重要である。
これからも大阪アクション
しています。この記事が出る
1つは、安倍首相の民主主
はなく、米国の戦争に日本が
前泊さんは、沖縄が植民地
大阪アクションは当初9団
ころには、強行可決され、成
義を蔑(ないがしろ)にした
支援・協力をするための法律
支配されてきた過去の歴史を
体で立ち上がったが、現在で
立している可能性があります
独裁的政治手法です。安倍は、
であることは、これまでの国
振り返り、政府が沖縄を見捨
地が作られたが、大阪府には
は18団体に拡大された。辺野
が、「平和国家」から「戦争
日本の国会で法案の上程もし
反テロ戦争にも自衛隊を参戦
会論議や法案の不備で明らか
ててきた結果、事件・事故が
ない。橋下市長が関空に引き
古基地建設を断念させるまで
する国」への転換を許さない
ていない、ましてや論議、決
させず、現憲法下では「集団
となっています。地球の裏側
後を絶たない。沖縄では以前
受けることを提案したが口先
がんばりましょう。
闘いは、決して終わるわけで
定もしていない段階での「安
的自衛権は認められない」と
まで自衛隊を送りこむことが、
から「基地は撤去」と訴えて
だけで終わっている。ここで
はありません。
保法案」を、訪米時に米国の
の立場が、参戦の歯止めとなっ
日本国民を守ることなのか。
(執行部 陣内)
だ
20 15.9. 17
支 部 第 1 0期 労 働 学 校
2015年8月29日(土)∼30日(日)の2日間、芦屋山荘で第10期労働学校
が4名の講師をお招きして開催されました。参加者は33名でした。
第1講座「弾圧に抗して」
第1 講座の講師 は市民運 動家
のHさん でした。
Hさ んらは昨年 9月、京 都X
バンド レーダー反 対集会に 行く
ための バスを用意 しました が、
これが 「白バス行 為違反( 道路
運送法 第4条)」 であると 、今
年6月 4日に3名 が不当逮 捕さ
れまし た。集会か ら9ヶ月 も経
て、当 事者たちも 自身の記 憶か
ら消え ている状態 での逮捕 でし
た。
家宅 捜索もずさ んなもの で、
パソコ ンも押収せ ず、ビラ など
を探し ていた様子 で、いっ たい
何を押 収しに来た のか不明 なま
ま、外 では朝日放 送とサン ケイ
新聞だ けが来てい た。「早 朝に
道路交通法違反として拘束する」
と、マ スコミにリ ークする とい
うこと は、Xバン ドレーダ ー設
置や戦 争法案に反 対する運 動へ
の弾圧 、萎縮効果 を狙って のこ
とです 。バスを出 していな い連
帯労組 までもが家 宅捜索に 入ら
れまし たが、連帯 は業務妨 害で
訴え る準備をしていま す。
西 警察署や大 阪府県警 本部に
対し て、不当逮 捕に対す る抗議
行 動 も 継 続 し て 取 り 組 み ま し た。
ん
20日 間 の 勾 留 は 免 れ な い と 思
われる中で、 弁護士同 席の会議
を複数回持ち 、準抗告 を申し立
て、結果、勾 留延長は 認められ
ず 、 13日 間 の 勾 留 だ け で 保 釈 さ
れました。
勾留期限中 に保釈さ れる統計
は犯罪白書に よると1 %程度で
す。勾留延長 できなか ったこと
で、不当逮捕 が立証さ れたこと
になります。
今後、刑法 改悪によ る盗聴拡
大や司法取引 などで運 動を萎縮
させることが 予想され ますが、
このような反 動立法に 対して、
断固とした闘 いを広範 に取り組
んでいきましょう 。
(執行委員 陣 内)
け
つ
ではなく 、一次予防 であるこ と
とし、「 病気になら ないよう に
す る 」「 メ ン タ ル ヘ ル ス 不 調 に
陥らない 」「ストレ スの原因 と
No. 290
なる職 場環境の改 善をする 」必
要がある と締めくくりま した。
(書 記 長
林)
第 3 講 座 「 団 交 へ の 第 三 者 の 介 入」
第3講 座は、近年 、新組織 の
会 社 側 と 団 体 交 渉 が 持 た れ る 際、
会社側の 弁護士が同 席するか 若
しくは弁 護士だけと いった場 面
がある。 こんな場合 に組合側 が
ど の よ う に 対 処 し た ら い い の か、
労側弁護 士から見た 会社側弁 護
士への対 応について 、「団体 交
渉 時 の 第 三 者 の 介 入 」 と 題 し て、
大阪労働 者弁護団の 喜多鉄春 弁
護士から講義 を受けました。
する意 思のないこ とを表明 して
いるに 等しく、不 誠実団交 ・団
交拒否 と評価され ると考え られ
ます。
しか し、弁護士 に団体交 渉を
委任す ることの是 非につい て、
判例は 見当たらず 、学説も 十分
に 論じたものは 少ないと 話され
まし た。
私は、使用者 の弁護士 を「利
用」するのか、あるいは「排除」
の 方向で臨むの か、その 時どき
の会社側及び弁護士の姿勢によっ
てわ かれると感じまし た。
(執行委員 赤保)
第 4講 座 「 全 港湾 を 取 り 巻 く社 会 情 勢 」
第2講座「メンタルヘルス」
講師に関西労働者安全センター
の西 野事務局長 を招いて 講義を
受け ました。
こ の講座は中 央本部方 針でも
あ る 本 年 12月 施 行 予 定 の 「 ス ト
レス チェック制 度」に対 する学
習 の 必 要 性 か ら の 取 り 組 み で す。
西 野氏は、「 こころの 健康を
守ろ う、働きや すい職場 作りの
ため に」と題し て、近年 の自殺
者の 増加の傾向 と分析、 とりわ
け、 様々なスト レス、人 間関係
の問 題について 取り上げ られま
し た 。 中 で も 40歳 代 か ら 60歳 ま
での 、いわゆる 「働き盛 り」の
年代 に自殺者が 多発して いるこ
とは 何を意味し ているの か。西
野氏 は、職場で のストレ スが大
きく 影響を及ぼ している との見
解を 述べました。
職 場における 上司との 関係や
業務 上のノルマ 、労働強 化等、
そし て、家族と のコミュ ニケー
ショ ンのあり方 など様々 な要因
があるとしな がらも、 「働き盛
り」の年代層 という問 題を考え
た場合、職場 での環境 改善が必
要と話されました 。
大阪支部の 各職場の ように、
しっかりした 労働組合 が存在す
る職場では、 上司との 関係は、
比較的対等の 立場を貫 いている
こともあり、 ストレス は少ない
のです。そう 仮定する と、職場
での人間関係 や仕事が 、「働き
盛り」の人た ちに最も ストレス
を与えている と判断せ ざるを得
ません。
最後に、 「ストレス チェック
制度」の目的 は早期発 見・治療
まず、 「団体交渉 」とは「 使
用者は労 働者の要求 に応じて 誠
実に交渉 することを 法的に義 務
付けられているというべきあり」、
この誠実 交渉義務は 「労働組 合
の主張に 対して誠実 に対応す る
ことを通 じて、合意 形成の可 能
性を模索 する義務」 があると 話
されました。
このこ とから使用 者は、労 働
組合に対 して労働条 件及び諸 問
題につい て誠実に団 体交渉を 行
う こ と を 義 務 づ け ら れ て い ま す。
従って弁 護士だけが 団体交渉 に
出席して 、組合と直 接向き合 う
ことは避ける べきである。
会社が 弁護士を「 防波堤」 と
する団体 交渉や会社 側が出席 し
ていても 弁護士任せ の形式的 な
団体交渉 は、誠実な 団体交渉 を
第4 講座は中央 本部・真 島書
記長の講 義でした。
書記 長は始めの 自己紹介 にお
い て 、 20代 の 頃 は 地 域 の 反 原 発
運動に 取り組み、 どちらか と言
うと全 港湾の労働 運動とは 距離
を置い た活動をし ていたそ うで
す。具 体的には住 民投票に 勝つ
ために 一軒一軒を 訪問した り、
市議会 を封鎖する ための座 り込
み行動 など、地域 における 大衆
運動の 活動が中心 であり、 その
経験が 全港湾にお ける労働 運動
の原点 になってい ると述べ られ
ました。
東 西 冷 戦 終 了 後 の 世 界 情 勢 は、
米・レ ーガノミク ス、英・ サッ
チ ャーリズムを 発祥とす る「新
自 由主義」とい う弱肉強 食むき
出 しの思想が台 頭し、格 差が広
が っている。し かし、こ うした
立 場の労働者を 救済しな い労働
組 合 が 存 在 し て い る 。 全 港 湾 は、
そ の出発点でも ある日雇 労働者
の 組織化、弱い 立場の労 働者を
救 済する運動を 進めるこ との重
要性 を訴えられた。
労働運動の原 点は職場 大衆で
あ り、既存正規 労働者の 組織拡
大 が急務である 。企業内 労使交
渉 から脱却し、 周りを見 渡して
非 正規労働者を 組織し、 産別運
動 を拡大するこ とが必要 だと述
べら れました。
最後に、印象 に残った ことと
し て「若者には 教育より 闘う精
神 があるかどう か」と「 聞く耳
は 持つが決して 迎合しな い」と
い う発言でした 。どちら も含蓄
の 深い言葉で、 今後の労 働運動
に活 かすべきと思いま した。
(大正埠頭分 会 吉本)