租税法第1問解説付き

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受験番号シール貼付欄
平成 27 年度論文式本試験解答・租税法・第1問
第 1 問 答案用紙<1>
(租 税 法)
問題 1
問 1
本問の法人税の納税義務は、A社が負う。法人税法第 61 条の 13 第 1 項により、平成 25 事業年度におい
てA社がB社に甲土地を譲渡した際の譲渡益 4,000 万円は一旦損金に算入され、平成 26 事業年度において
B社がC社に甲土地を売却した取引は同条第2項によりA社において上記同額の譲渡益が益金に算入され
る。
問 2
B社がC社に対して行った 2,000 万円の贈与は、法人税法第 37 条第2項により、その全額が損金に算入
されないことになる。なお、C社では、受取った 2,000 万円について、同法第 25 条の2第1項の規定によ
り益金に算入されないことになる。
問 3
PがA社に対して乙土地を贈与した取引は、所得税法第 59 条第 1 項第1号の規定により、譲渡があった
ものとみなされる。この場合の取得費は、同法第 60 条第2項により、3,000 万円となり、贈与時の時価 6,000
万円から 3,000 万円を控除した 3,000 万円を譲渡所得としてPは確定申告を行うこととなる。
問 4
A社の特許権は、日本国で登録されたことから、消費税法第4条第3項により国内取引に該当する。ただ
し、販売先のD社が外国法人であることから、同法第7条第 1 項に規定する輸出免税取引に該当することと
なる。
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受験番号シール貼付欄
平成 27 年度論文式本試験解答・租税法・第1問
第 1 問 答案用紙<2>
(租 税 法)
問題 2
番号
○×欄
記
述
欄
法人税法第 39 条の 2
①
○
消費税法第6条第 1 項
②
○
B社による麻薬販売は、課税取引の要件を全て満たし、また、消費税法上非課税取引
③
×
にもなっていないため、課税取引となる。
消費税法第4条、同法第6条第 1 項
A社に対する土地の分配は、法人税法上の現物分配に該当し、残余財産の分配の場合
④
×
は、資本金等を超えた部分の額が配当とみなされる。法人税法第2条第 12 の6号、同条
第 12 の 15 号、同法第 24 条
Qは、16歳以上であり、その年間の合計所得金額が 38 万円以下であるから、Pの控
⑤
×
除対象扶養親族に該当する。
所得税法第2条第 1 項第 34 号、同条第 1 項第 34 の2号
評点
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平成 27 年度論文式本試験解答・租税法・第1問
第 1 問
全体講評
問題 1
及び
問題 2
ともに、昨年と同様の出題形式であった。
問題 1
は、グループ法人税制、所得税におけるみなし譲渡及び消費税における海外に対する役務提供に
関する出題であった。いずれも基本的な論点であり、十分解答可能な論点だったと考える。
問題 2
は、外国子会社からの受取配当等及び現物分配(みなし配当)に係る法人税の取り扱い、消費税
における課税対象並びに非課税取引に関する取扱い及び扶養親族の範囲にかかる所得税の取り扱いについ
ての出題である。いずれも基本論点であるため十分回答可能な論点だったと思われる。
合格ライン
配点 40 点中 28 点が合格確実、24 点がボーダーラインと思われる。
ICOフィードバック解説
問題 1
問1
解答参照
問2
C社では、法人税法第 25 条の2により、受取った現金にかかる受贈益が益金に算入されないこ
ととなる。
なお、A社において、B社株式及びC社株式の帳簿価額の修正を行う必要がある(法令9①七)。
問3
解答参照
問4
解答参照
問題 2
解答参照
以上
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