小松和子社長 インタビュー 小松和子社長 インタビュー

2015 年 1 月 1 日 1 号掲載 Vancouver Shinpo Japanese Weekly Newspaper
2014年度「ビジネスパーソン・オブ・ザ・イヤー」受賞
2014年度「ビジネスパーソン・オブ・ザ・イヤー」受賞
パシフィック・ウエスタン・ブルーイング社
パシフィック・ウエスタン・ブルーイング社
小松和子社長
小松和子社長
インタビュー
インタビュー
多くの壁を乗り越えてきた 23 年間
け継いだ父から学んだことは、
「品質第一」という信念
1977年に単身で渡加し、起業家として活躍してい だった。酒造りにおいても、日々の生活においても、一
た小松氏は、ビールの輸出に携わったことがきっかけ 番大切なのは質。決して物事をいい加減にしてはならな
でパシフィック・ウエスタン・ブルーイング社(PWB) いと、子供の頃から厳しく教えられた。また、しっかり
Burnaby Board of Trade でセミファイナルに選ばれた時の
と出会った。1991年、倒産の危機に直面していたこ 者の母から学んだのは
「本質を見ること」
。母はいつでも、
小松和子社長
のビール会社を買い取り、7代目社長に就任。それ以来 表面的なきらびやかさやお世辞ではなく、人間としての
23 年間、多くの壁を乗り越えてきた。それまでの経営 素質を重んじる人だった。両親から学んだことは、小松
地域社会への貢献∼感謝の気持ち
者とは違い、小松氏は会社 氏の生き方、そしてビジネスへの取り組み方に大きな影
PWBの強みは、地域社会に溶け込んでいること。
「私
だけでなく、会社を取り巻 響を与えている。
たちは地域の人によって支えられているので、もちろん
くビジネス環境の改善にも
ビジネスをする上での心構え
それを感謝の気持ちを持って還元していかないといけな
積極的に取り組んできた。
い」と小松氏は話す。プリンスジョージでは松食い虫の
小松氏がBC州政府に働き ビジネスに携わる人へのアドバイスは、
「視野を広く
かけ、PWBのような中小 持ち、これからこの国で、この社会で、この地域環境で 被害を受けた地域で大規模な植林に取り組み、スポー
企業にとって不利な制度の 何が必要なのかを考えること」
。大切なのは適応性。私 ツの分野では「ホームタウン・ヒーローズ・プログラム」
「ビジネスパーソン・オブ・ザ・ 改革を実現してきたことで、 たち人間は自然の大きな流れの中に生かされている。そ
を通じて青少年の援助をしている。さらに近年は、がん
イヤー」を受賞したパシフィッ
他の中小企業も恩恵を受け れを理解し、環境や地域社会を生かしたビジネスをす と闘う人々とその家族への支援にも力を入れてきた。P
ク・ウエスタン・ブルーイン
ている。
れば、それは自然に伸びていく。経済の変動は激しく、 WBの従業員は、これらの活動に自主的に参加する人ば
グ社の小松和子社長
長期計画を立てても、それを頻繁に修正しなければな かりだ。小松氏は「とても立派な従業員です」と胸を張
両親から学んだこと∼
らない厳しい時代だ。それでも、何事も「挑戦(チャレ る。地域社会に貢献できることが、小松氏と従業員の喜
クオリティを何よりも大切に
ンジ)
」だと考えること。問題が起こってもそれをストレ びであり、原動力なのだ。
会社の製品については、品質を何よりも大切にしてき
た。小松氏の実家は酒蔵。跡取りとしてその伝統を受
スだと思わずに挑戦だと捉え、解決するために行動を
起こすことで、道は開けていく。
(取材 船山祐衣)