141015 緑色 と 茶色 秋になると、 「バッタ」や「カマキリ」たちも大きく育ち、見つけやすくなりますが、 同じ種類でも「緑色型」と「茶色型」など、色違いの個体がいますね。 その代表的な種は「トノサマバッタ」と「ショウリョウバッタ」でしょう。 「緑色型」は緑の草や葉の上では目立ちにくいですし、「茶色型」は枯れ草や土の上では 目立ちにくいです…、つまり「保護色」として機能しているのでしょうね。 では、彼らは「アマガエル」のように、周囲の環境によって体色を変化させることが出来 るのでしょうか?? どうやら、そんな「離れ業」は体得していないようです、緑の葉の上に「茶色型」のショ ウリョウバッタがいても、いつまでたっても「茶色」は「茶色」のままですし……。 ということは、産まれながらにして、既に体色は決まっているのではないかと思います。 野外では、野草の生い茂った「緑色」主体の場所もあれば、地表面が枯れ草で覆われてい たり、土が露出している「茶色」主体の場所もあります。 でも、その割合は一定ではなく、その年の気象状況により変動するでしょうから、とりあ えず両方の色が産まれてくるようにしておけば、保護色機能により、極端に捕食されるとい う危険は回避することができる、一種の「リスクヘッジ」と言えるのかも知れませんね。 バッタやキリギリスの仲間で、これまで両方の色の個体と出会ったのは、「トノサマバッタ 」や「クルマバッタ」、 「ショウリョウバッタ」、「クビキリギス」、「オンブバッタ」などです。 同様にカマキリの仲間では、「オオカマキリ」や「チョウセンカマキリ」 、 「ハラビロカマキ リ」、「コカマキリ」です。 ただ、「ハラビロカマキリ」は大半が「緑色型」で、「コカマキリ」は大半が「茶色型」と、 偏りが著しい種もいますね。 憶測ですが、「ハラビロカマキリ」は樹上性の種ですので、樹木の枝葉で過ごす時間が長い ことから「緑色型」、そして小柄で地面を移動することが多い「コカマキリ」は「茶色型」の 遺伝子を持つ個体の生存率が高いことが、体色比率に影響してきたのではないでしょうか?? ■写真①・②: トノサマバッタ ◆①:緑色型 ②:茶色型 ■写真③・④: ショウリョウバッタ ◆③:緑色型 ④:茶色型 ■写真⑤: ハラビロカマキリ ◆⑤:左が「緑色型」 、右が「茶色型」 ■写真⑥・⑦: ツチイナゴ ◆幼虫は「緑色」ですが、成虫は「茶色」です。 ※「中間型」もいます 成虫で「越冬」するので、この方が有利ですね。
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