農 業 技 術 情 報

十勝農業改良普及センター
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農 業 技 術 情 報
平 成 27年 5月 15日
池田町農業構造政策推進協議会
農 作 物 の 生 育 ・ 作 業 の 遅 速 ( 5 月 1 5 日 現 在 ) ( )内 は平 年 値 、てん菜 直 播 は昨 年 値
作物名
遅速日数
秋 まき小 麦
+5
馬 鈴 しょ
-
植付期
大 豆
-
てん菜 (移 植 )
+2
てん菜 (直 播 )
-
は種 始 5/13(5/15)
草
丈 7.2(6.1)㎝
移 植 期 5/2(5/3)
草
丈 1.0(0.8)㎝
葉 数 5.5( 5 . 3 ) 枚
移 植 終 5/6(5/12)
葉 数 0.1(0.1)枚
牧 草
+3
草
萌 芽 期 4/13(4/12)
飼 料 用 とうもろこし
-
草
茎
生 育 および作 業 状 況
丈 34.3(25.8)㎝
幼 穂 形 成 期 5/4(5/8)
数 1,047(1,714)本 /㎡
5/1(5/3)
丈 38.4(32.1)㎝
は種 期 5/11(5/19)
畑
植付終
5/6(5/14)
は種 始 5/4(5/13)
作
1 秋まき小麦
幼穂形成期は 5/4 で平年よりも4日早くなりました。5月15日現在の草丈は平年
よりも大きく、弱小茎の減少は進み、生育は平年よりも5日早まっています。
今後の生育と葉色に注意して葉色が淡くならない限りは、窒素の追肥を控えま
しょう。
(1)雑 草 処 理
雑草の発生が懸念されるほ場は、次の除草剤で処理します。
対象
雑草
一
年
生
広
葉
薬剤名
エコパート
フロアブル
使用時期
使用量
(/10a)
使用
回数
止葉抽出前まで
50~75ml
2
麦の幼穂形成期
300g
収穫45日前まで
麦の幼穂形成期 100~
バ サ グ ラン 液 剤
収穫45日前まで 150ml
ハーモニー75
麦の幼穂形成期
7.5~10g
DF水和剤 収穫45日前まで
MCPソーダ塩
1
1
1
使用上の注意
薬害を助長するので、乳剤・点着剤と混用しない。
止葉が出始めたら使用しない。
晴天・高温時(日中20℃以上)に散布する。
(低温状態では効果が劣る)
好天が2~3日連続するときに散布する。
(散布後降雨があると効果が劣る)
キク科(イヌカミツレ、コシカギク)に効果が高い。
飛散に注意し、使用後専用洗浄剤でタンクを洗う。
(2)倒 伏 予 防 の 徹 底
早 期 に 倒 伏 す る と 製 品 収 量 が 大 き く 低 下 し ま す 。倒 伏 の 恐 れ が あ る 場 合 は 、窒
素の追肥を控えると共に成長調整剤を適正に使用し、倒伏を回避してください。
① 過繁茂で倒伏が懸念されるほ場では、植物成長調整剤( サイコセル、エスレル 10、カルタイムフ
ロアブル )の使用を検討してください。
② 成長調整剤を使用する場合は、散布時期が遅れると効果が劣るので、麦の生
育をよく観察し適期に使用して下さい。また、他剤との混用は避けてくださ
い。
< 散 布 要 否 の 判 断 に 迷 う 場 合 は 、 JA ま た は 普 及 セ ン タ ー に ご 相 談 く だ さ い >
(3)止 葉 期 以 降 の 追 肥
「き た ほ な み 」の 粒 重 ・ 収 量 ・ タ ン パ ク の 上 昇 に 、 止 葉 期 以 降 の 追 肥 は 有 効 で
すので、窒素追肥を検討しましょう。
た だ し、過 繁 茂時 や 過 度 な窒 素 施 肥 を 行 っ た 場合 は 、上位 茎 数 900 本 /㎡以 上 で
倒 伏 の危 険 が 高 ま り ま す ので 、 追 肥 量 ・ 施 肥 方法 は 生 育 に 応 じ て 判断 し ま す 。
【止葉期以降の追肥法の例】
◎ 上 位 茎 数 900 本 /㎡ 未 満 の 場 合
① 止 葉 期 に 窒 素 4 ㎏ /10a を 上 限 と し て 追 肥 。
② 開 花 期 以 降 に 窒 素 3 ㎏ /10a を 上 限 と し て 葉 面
散布で追肥。
葉 面 散 布 例 : 尿 素 1.5% 液 3 回
※ 高温時の葉面散布は「ヤケ」やすいので注意
※ 高温時は尿素濃度を下げる(例えば1%に)
※ただし、高タンパクとなるようなほ場では、止葉期の
追肥を行わないか、追肥量を減らす必要がある。
◎ 上 位 茎 数 900 本 /㎡ 以 上 の 場 合 (倒伏の危険性が増す)
① 開 花 期 以 降 に 窒 素 3 ㎏ /10a を 上 限 と し て 葉 面
散布で追肥。
( 葉 面 散 布 例 : 尿 素 1.5% 液 3 回 )
(4)病 害 の防 除
赤 さび病 は高 温 乾 燥 状 態 で発 生 しやすいため、ほ場 観 察 に努 めてください。
2
てん菜
移植栽培は葉数が平年よりもやや多く、生育は2日早まっています。直播栽培も概ね出芽
しています。
中耕を効果的に行い、初期生育を促進してください。
(1)ほ 場 の 透 水 性 ・ 通 気 性 対 策
中耕や畦 間 サブソイラなどを施 工 して、土 壌 の透 水 性 と通 気 性 改 善 に努 めましょう。
(2)除 草 剤 散 布
気 象 条 件 や土 壌 水 分 などを考 慮 し、雑 草 処 理 を実 施 しましょう。雑 草 の種 類 ・薬 剤 の
特 徴 を把 握 し、薬 害 (高 温 時 の散 布 )に注 意 しましょう。
※ ほのぼの情 報 を参 考 に適 正 に処 理 してください。
3 馬鈴しょ
早 期 培 土 は土 壌 水 分 の乾 湿 状 態 を確 認 後 、実 施 してください
通常栽培の場合は、地温上昇のため萌芽直前と萌芽1週間後に中耕を実施し、萌芽と初期
生育の促進を図ってください。
※ 中耕は晴天の午前中に行うと効果が高く、降雨直前の作業は逆効果です。
※ 土壌処理の除草剤は土壌水分が過乾な 場合は、効果が劣ります。適湿な土壌 水分
時の処理に心がけてください。
4 豆類
晩霜予報に注意し地温の上昇を待っては種しましょう。は種時には深播きに注意しま
しょう。
(1)タ ネ バ エ に 注 意
牧 草 や 緑 肥 を 鋤 込 ん だ ほ 場 や 、未 熟 堆 肥 等 を 施 用 し た ほ 場 は タ ネ バ エ が 発 生 し
や す い の で 注 意 し ま す 。 土壌水分が高い時の無理なは種も注意が必要です。
(2)種 子 消 毒
種子消毒はしっかり行いましょう。
① クルーザーFS30使 用 時 の注 意
必ず殺菌剤と併用し、処理は クルーザー → 殺菌剤 → 根粒菌
の順としま
す。 使用例 → クルーザーFS30+ チウラム80ま た は 粉衣用ペアーカスミンD
※ 菜 豆・小 豆 は 薬 剤 処 理 後 に 乾 き づ ら い の で 、早 め に 作 業 を 行 っ て く だ さ い 。
② ク ル ー ザ ー M A X X 使 用 時 の注 意
クルーザーMAXXは殺菌剤との併用は必要ありません。
(3)大 豆 わ い 化 病 ・ 菜 豆 黄 化 病 ( ジ ャ ガ イ モ ヒ ゲ ナ ガ ア ブ ラ ム シ ) 防 除
池田町のジャガイモヒゲナガアブラムシ飛来始めは 6 月初旬頃と予想されま
す。山林や牧草地に近い畑では被害が多くなるので、注意が必要です。
<出芽後の殺虫剤茎葉散布>
クルーザーFS30使用時
出 芽 揃 期 の 7 ~ 1 0 日 後 に 薬 剤 処 理 し ま す (アブラムシ多発時は、出芽揃期の
防除も実施)
大豆使用薬剤:バイスロイド乳剤、ペイオフME液剤
菜豆使用薬剤:ペイオフME液剤、 ゲットアウトWDG
(4 )除 草 剤
使用基準を守るとともに、高温・降雨等、天候に十分気をつけて実施し て下さい。
「パワーガイザー液剤」は有機リン系殺虫剤および他の除草剤との10日以内の近接
散布は薬害の恐れがあるので避けましょう。
○春の農作業事故防止
★春は機上作業中や乗降時に足を滑らせ落下する例や、トラックのアオリで手や
指を挟む例が多く見られます。
○農 薬 の安 全 使 用
★ 農薬の安全使用基準を遵守し、周辺
作物への飛散防止に努めましょう。
★農 薬 を使 用 するときは、必 ず
ラベルの安 全 使 用 基 準 や注
意 事 項 を確 認 しましょう。
★農 薬 散 布 の際 は、マスク、ゴム手 袋 等 を着 用 し、しっかり安 全 対 策 をとりましょう。
★農 薬 は必 ず保 管 庫 にしまい、カギをかけましょう。
★使 用 した農 薬 容 器 や袋 は、適 切 に処 理 しましょう。