§7.8 関数のグラフの座標軸及び原点に関する対称移動 y xy 座標平面において,関数 y = f (x) の グ ラ フ と 関 数 y = −f (x) を 考 え ま す. y = f (x) のグラフ (u , v) y = −f (x) の グ ラ フ は y = f (x) のグラフに属す各点 (u , v) に対 0 x する点 (u , −v) の全体です. 点 (u , −v) は (u , −v) 点 (u , v) と x 軸 に 関 し て 対 称 で す か ら , y = −f (x) y = −f (x) のグラフは y = f (x) のグラフ と x 軸に関して対称です. xy 座標平面において,関数 y = f (x) の グ ラ フ と 関 数 y = f (−x) を 考 え ま す. y = f (−x) y = f (x) y のグラフ (−u , v) y = f (−x) の グ ラ フ は (u , v) y = f (x) のグラフに属す各点 (u , v) に対 する点 (−u , v) の全体です. 点 (−u , v) は 0 点 (u , v) と y 軸 に 関 し て 対 称 で す か ら , x y = f (−x) のグラフは y = f (x) のグラフ と y 軸に関して対称です. xy 座標平面において,関数 y = f (x) y のグラフと関数 y = −f (−x) のグラフ を考えます. y = −f (−x) のグラフは y = f (x) のグラフに属す各点 (u , v) (u , v) y = −f (−x) 0 に対する点 (−u , −v) の全体です. 点 x (−u , −v) は点 (u , v) と原点に関して 対称ですから, y = −f (−x) のグラフ y = f (x) (−u , −v) は y = f (x) のグラフと原点に関して 対称です. 定理 7.8.1 関数 f について以下のことが成り立つ. (1) xy 座標平面において, y = f (−x) のグラフは y = f (x) のグラフと y 軸に関し て対称である. (2) xy 座標平面において, y = −f (x) のグラフは y = f (x) のグラフと x 軸に関し て対称である. (3) xy 座標平面において, y = −f (−x) のグラフは y = f (x) のグラフと原点に関 して対称である. (even function) であるとは, 関数 f が f の定義域の任意の点 x について f (−x) = f (x) となることです. また,関数 f が (odd function) であるとは, f の定義域の任意の点 x について f (−x) = −f (x) となることです. 例 実数全体を定義域とする関数 x2 を f とおきます: f (x) = x2 . 任意の実数 x について f (−x) = (−x)2 = x2 = f (x) . 従って,関数 f つまり関数 x2 は偶関数です. この他,関数 x4 , 関数 x6 , 関数 x8 なども偶関数です. 例 終 実数全体を定義域とする関数 x3 を g とおきます: g(x) = x3 . 任意の実数 x について, g(−x) = (−x)3 = −x · (−x)2 = −x · x2 = −x3 = −g(x) . 従って,関数 g つまり関数 x3 は奇関数です. この他,関数 x5 , 関数 x7 , 関数 x9 なども奇関数です. 終 偶関数・奇関数のグラフは例えば次のようになります. y y u −u 0 −u u 0 x x 偶関数のグラフの例 奇関数のグラフの例 次の定理が成り立ちます. 定理 7.8.2 xy 座標平面において,偶関数のグラフは y 軸に関して対称であり,奇関 数のグラフは原点に関して対称である. 証明 関 数 f が 偶 関 数 で あ る と 仮 定 す る: f の 定 義 域 の 任 意 の 点 x に つ い て f (−x) = f (x) . xy 座標平面において, y = f (x) のグラフと y = f (−x) のグラフ とは一致する. 定理 7.8.1 より, y = f (−x) のグラフは y = f (x) のグラフと y 軸に 関して対称なので, y = f (x) のグラフは y 軸に関して対称である. 関 数 f が 偶 関 数 で あ る と 仮 定 す る: f の 定 義 域 の 任 意 の 点 x に つ い て f (−x) = −f (x) よって f (x) = −f (−x) . xy 座標平面において, y = f (x) のグラ フと y = −f (−x) のグラフとは一致する. 定理 7.8.1 より, y = −f (−x) のグラフは y = f (x) のグラフと原点に関して対称なので, y = f (x) のグラフは原点に関して対 称である. (証明終り)
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