国家公務員「非常勤職員の勤務条件はいま…」 非常勤職員の介護休暇について 1.無給の休暇について 「無給の休暇」と「欠勤」は一見同じようですが、大きく異なる部分があります。例 えば、子どもに予防接種を受けさせるために仕事を休まなければならない、というよう なとき、「欠勤」の取扱いになるのか、「無給の休暇」(※人事院規則 15-15 第4 条第2項第4号)の取扱いになるのかは、意味が異なります 「無給の休暇」には次のような特徴があります。 ○「職務専念義務」が免除される点 無給の休暇は、職務専念義務が免除されますが、欠勤は、職務専念義務が免除され ていません。よって、欠勤は「懲戒の事由」になります。 ○「年次休暇付与の要件」で出勤した日数として扱われる点 無給の休暇は、年次休暇付与の要件上出勤したものとしてみなして取り扱われます が、欠勤はそのような扱いにはなりません。 ○「退職手当の継続勤務期間」に算入される点 退職手当の算定基礎となる勤続期間及び共済組合の加入要件としての継続勤務期 間のそれぞれの計算の際、無給の休暇は勤務したこととして取り扱われますが、欠勤 は計算の対象から除外されます。 2.概要 要介護者の介護をする非常勤職員が、当該介護をするため勤務しないことが相当であ ると認められる場合 要介護者の各々が介護を必要とする一の継続する状態にある間において連続する9 3日(暦日)(当該状態となった日前において当該非常勤職員が当該要介護者について この号の休暇を使用したことがある場合にあっては、93日からその使用の状況を考慮 して人事院が定める日数を差し引いた日数)の範囲内の期間 (無給の休暇) ○ 配偶者(届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)、父母、 子及び配偶者の父母 ○ 祖父母、孫及び兄弟姉妹(非常勤職員と同居しているものに限る) ○ 父母の配偶者、配偶者の父母の配偶者、子の配偶者及び配偶者の子(非常勤職員 と同居しているものに限る) ※ 対象となる非常勤職員 要介護者の各々が介護を必要とする一の継続する状態にある間(以下「要介護者 各々に係る一の要介護期間」)に初めて当該休暇の承認を請求した時点において、 1週間の勤務日が3日以上とされている職員又は週以外の期間によって勤務日が 定められている職員で1年間の勤務日が121日以上であるものであって、任命権 者を同じくする官職(以下「特定官職」)に引き続き在職した期間が1年以上であ り、かつ、当該要介護者各々に係る一の要介護期間において初めて当該休暇を使用 しようとする日から起算して93日を経過する日を超えて特定官職に引き続き在 職することが見込まれるもの(当該日から1年を経過する日までの間に、その任期 が満了し、かつ、当該任期が更新されないこと及び特定官職に引き続き採用されな 国家公務員「非常勤職員の勤務条件はいま…」 いことが明らかであるものを除く) ※ 「同居」の解釈 非常勤職員が要介護者の居住している住宅に泊まり込む場合等を含む ○ 今まで別居していた要介護者の住居に泊まり込んで介護に従事する場合や、 職員の自宅に引き取って介護する場合も含まれます。 ※ 「介護」の解釈 食事、入浴、着替え、排泄等の身のまわりの世話を行うこと。 ※ 休暇の単位 1日又は1時間です。但し、1時間を単位とする当該休暇は、1日を通じ、始業 の時刻から連続し、又は終業の時刻まで連続した4時間の範囲内です。 ○ なお、兄弟姉妹などで、交代で介護を行う場合も、職員が実際に介護する日、 時間について介護休暇を利用することができます。 3.関係条文等 人事院規則15-15(非常勤職員の勤務時間及び休暇) 第4条 2 各省各庁の長は、次の各号に掲げる場合には、非常勤職員(第四号から第六号 まで及び第九号に掲げる場合にあっては、人事院の定める非常勤職員に限る。) に対して当該各号に定める期間の無給の休暇を与えるものとする。 六 要介護者の介護をする非常勤職員が、当該介護をするため勤務しないことが 相当であると認められる場合要介護者の各々が介護を必要とする一の継続する 状態にある間において連続する93日(当該状態となった日前において当該非 常勤職員が当該要介護者についてこの号の休暇を使用したことがある場合にあ っては、93日からその使用の状況を考慮して人事院が定める日数を差し引い た日数)の範囲内の期間 3 前2項の休暇(前項第一号及び第二号の休暇を除く。)については、人事院の 定めるところにより、各省各庁の長の承認を受けなければならない。 人事院規則15-15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)の運用について(通知) 第4条関係 1 年次休暇以外の休暇の取扱いについては、それぞれ次に定めるところによる。 (1)・・・(中略)・・・第2項の「人事院の定める非常勤職員」は・・・(中略)・・・ 第6号の休暇にあっては要介護者の介護をする非常勤職員が要介護者の各々が介 護を必要とする一の継続する状態にある間(以下「要介護者各々に係る一の要介 護期間」という。)に初めて当該休暇の承認を請求した時点において、1週間の 勤務日が3日以上とされている職員又は週以外の期間によって勤務日が定められ ている職員で1年間の勤務日が121日以上であるものであって、任命権者(国 家公務員法(昭和22年法律第120号)第55条第1項に規定する任命権者及 び法律で別に定められた任命権者並びにその委任を受けた者をいう。)を同じく する官職(以下(1)において「特定官職」という。)に引き続き在職した期間が1 年以上であり、かつ、当該要介護者各々に係る一の要介護期間において初めて当 該休暇を使用しようとする日から起算して93日を経過する日を超えて特定官職 に引き続き在職することが見込まれるもの(当該日から1年を経過する日までの 国家公務員「非常勤職員の勤務条件はいま…」 間に、その任期が満了し、かつ、当該任期が更新されないこと及び特定官職に引 き続き採用されないことが明らかであるものを除く。)・・・(中略)・・・とする。 (2)(1)の「引き続き在職」するものであるかどうか又は「引き続き採用」 されるものであるかどうかの判断は、それぞれその雇用形態が社会通念上中断さ れていないと認められるかどうかにより行うものとし、「引き続き在職すること が見込まれる」かどうか又は「引き続き採用されないことが明らか」かどうかの 判断は、要介護者各々に係る一の要介護期間に初めて第2項第6号の休暇の承認 の請求があった時点において判明している事情に基づき行うものとする。 (10)第2項第6号の「連続する93日」とは、連続する93暦日をいい、同号 の「人事院が定める日数」は、要介護者の各々につき、当該要介護者の介護を必 要とする一の継続する状態ごとに、初めて同号の休暇の承認を受けた期間の初日 から最後に当該承認を受けた期間の末日までの日数を合算した日数とし、当該休 暇の単位は、1日又は1時間とし、1時間を単位とする当該休暇は、1日を通じ 、始業の時刻から連続し、又は終業の時刻まで連続した4時間の範囲内とする。 4 年次休暇以外の休暇(この条の第2項第1号及び第2号の休暇を除く。)の承 認については、常勤職員の例に準じて取り扱うものとする。 国家公務員共済組合法 (定義) 第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に 定めるところによる。 一 職員 常時勤務に服することを要する国家公務員(国家公務員法(昭和22年 法律第120号)第79条又は第82条の規定(他の法令のこれらに相当する規定を 含む。)による休職又は停職の処分を受けた者、法令の規定により職務に専念す る義務を免除された者その他の常時勤務に服することを要しない国家公務員で政 令で定めるものを含むものとし、臨時に使用される者その他の政令で定める者を 含まないものとする。)をいう。 (介護休業手当金) 第 68 条の 3 組合員が介護のための休業(一般職の職員の勤務時間、休暇等に関 する法律(平成6年法律第33号)の適用を受ける組合員(同法第23条の規定 の適用を受ける組合員を除く。)については同法第20条第1項に規定する介護 休暇を、その他の組合員についてはこれに準ずる休業として政令で定めるものを いい、以下この条において「介護休業」という。)により勤務に服することがで きない場合には、介護休業手当金として、当該介護休業により勤務に服すること ができない期間1日につき標準報酬の日額の100分の40に相当する金額を支 給する。 2 前項の介護休業手当金の支給期間は、組合員の介護を必要とする者の各々が介 護を必要とする一の継続する状態ごとに、介護休業の開始の日から起算して3月 を超えない期間とする。 3 前条第2項の規定は、第1項の場合について準用する。 4 介護休業手当金は、同一の介護休業について雇用保険法の規定による介護休業 給付の支給を受けることができるときは、支給しない。 国家公務員「非常勤職員の勤務条件はいま…」 国家公務員共済組合法施行令 (職員) 第2条 法第2条第1項第1号に規定する常時勤務に服することを要しない国家公 務員で政令で定めるものは、次に掲げる者とする。 七 前各号に掲げる者以外の常時勤務に服することを要しない国家公務員のうち 、財務大臣の定めるところにより、常勤職員について定められている勤務時間以 上勤務した日(法令の規定により、勤務を要しないこととされ、又は休暇を与え られた日を含む。)が引き続いて12月を超えるに至つたもので、その超えるに至 った日以後引き続き当該勤務時間により勤務することを要することとされている もの 2 法2条第1項第1号に規定する臨時に使用されるものその他の政令で定める者 は、次に掲げる者とする。 一 国家公務員法第60条第1項の規定により臨時的に任用された者 国家公務員法 (臨時的任用) 第60条 任命権者は、人事院規則の定めるところにより、緊急の場合、臨時の官職 に関する場合又は採用候補者名簿がない場合には、人事院の承認を得て、6月を 超えない任期で、臨時的任用を行うことができる。この場合において、その任用 は、人事院規則の定めるところにより人事院の承認を得て、6月の期間でこれを 更新することができるが、再度更新することはできない。 雇用保険法 (介護休業給付金) 第61条の6 介護休業給付金は、被保険者が厚生労働省令で定めるところにより、 対象家族(当該被保険者の配偶者、父母及び子(これらの者に準ずる者として厚 生労働省令で定めるものを含む。)並びに配偶者の父母をいう。以下この条にお いて同じ。)を介護するための休業をした場合において、当該休業を開始した日 前2年間(当該休業を開始した日前2年間に疾病、負傷その他厚生労働省令で定 める理由により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかつた被保 険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかつた日数を 2年に加算した機関(その期間が4年を超えるときは、4年間))にみなし被保 険者期間が通算して12箇月以上であつたときに、支給単位期間について支給す る。 2 前項の「みなし被保険者期間」は、同項に規定する休業を開始した日を被保険 者でなくなった日とみなして第14条の規定を適用した場合に計算されることと なる被保険者期間に相当する期間とする。 3 この条において「支給単位期間」とは、第1項に規定する休業をした期間(当 該対象家族を介護するための休業を開始した日から起算して3月を経過する日ま での期間に限る。)を、当該休業を開始した日又は各月においてその日に応当し 、かつ、当該休業をした期間内にある日(その日に応当する日がない月において は、その月の末日。以下この項及び次項第2号において「休業開始応当日」とい 国家公務員「非常勤職員の勤務条件はいま…」 う。)から各翌月の休業開始応当日の前日(当該休業を終了した日の属する月に あっては、当該休業を終了した日)までの各期間に区分した場合における当該区 分による一の期間をいう。 4 介護休業給付金の額は、一支給単位期間について、介護休業給付金の支給を受 けることができる被保険者を受給資格者と、当該被保険者が当該介護休業給付金 の支給に係る休業を開始した日の前日を受給資格に係る離職の日とみなして第1 7条の規定を適用した場合に算定されることとなる賃金日額に相当する額(次項 において「休業開始時賃金日額」という。)に次の各号に掲げる支給単位期間の 区分に応じて当該各号に定める日数(次項において「支給日数」という。)を乗 じて得た額の100分の40に相当する額とする。この場合における同条の規定 の適用については、同条第3項中「困難であるとき」とあるのは「できないとき 若しくは困難であるとき」と、同条第4項中「第2号」とあるのは「第2号ハ」 とする。 一 次号に掲げる支給単位期間以外の支給単位期間 30日 二 当該休業を終了した日の属する支給単位期間 当該支給単位期間における当 該休業を開始した日又は休業開始応当日から当該休業を終了した日までの日数 5 前項の規定にかかわらず、第1項に規定する休業をした被保険者に当該被保険 者を雇用している事業主から支給単位期間に賃金が支払われた場合において、当 該賃金の額に当該賃金の額に当該支給単位期間における介護休業給付金の額を加 えて得た額が休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の100分の80に 相当する額以上であるときは、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の 100分の80に相当する額から当該賃金の額を減じて得た額を、当該支給単位 期間における介護休業給付金の額とする。この場合において、当該賃金の額が休 業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の100分の80に相当する額以上 であるときは、同項の規定にかかわらず、当該賃金が支払われた支給単位期間に ついては、介護休業給付金は、支給しない。 6 第1項の規定にかかわらず、被保険者が対象家族を介護するための休業につい てこの款の定めるところにより介護休業給付金の支給を受けたことがある場合で あって、当該休業を開始した日から起算して93日を経過する日後において、当 該被保険者が次の各号のいずれかに該当する休業をしたときは、介護休業給付金 は、支給しない。 一 当該休業を開始した日から引き続き要介護状態にある当該対象家族を介護す るための休業」 二 当該対象家族について当該被保険者がした休業(対象家族を介護するための 休業をいう。以下この号において同じ。)ごとに、休業を開始した日から休業を 終了した日までの日数を合算して得た日数が93日に達した日後の休業 (2014年6月 公務労協・国公連合作成)
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