非常勤職員の産前・産後休暇

国家公務員「非常勤職員の勤務条件はいま…」
非常勤職員の産前・産後休暇、保育時間について
1.概要
(1)産前休暇
6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)以内に出産する予定である女子
の非常勤職員が申し出た場合
出産の日までの申し出た期間(無給の休暇)
※
※
対象となる非常勤職員=女子の非常勤職員
出産が分娩予定日から遅れた場合、分娩予定日~出産した日までは、産前休暇と
して取り扱われます。なお、分娩日は産前の期間に含まれます。
(2)産後休暇
女子の非常勤職員が出産した場合
出産の日の翌日から8週間を経過する日までの期間(産後6週間を経過した女子の
非常勤職員が就業を申し出た場合において医師が支障がないと認めた業務に就く期
間を除く。) (無給の休暇)
※ 対象となる非常勤職員=女子の非常勤職員
※ 「出産」は妊娠満 12 週以後の分娩をいい、満 12 週以後であれば、流産となっ
た場合も、早産となった場合も産後休暇を取得することができます。
(3)保育時間
生後1年に達しない子を育てる非常勤職員が、その子の保育のために必要と認め
られる授乳等を行う場合
1日2回それぞれ30分以内の期間(男子の非常勤職員にあっては、その子の当
該非常勤職員以外の親が当該非常勤職員がこの休暇を使用しようとする日における
この休暇(これに相当する休暇を含む。)を承認され、又は労働基準法の規定によ
り同日における育児時間を請求した場合は、1日2回それぞれ30分から当該承認
又は請求に係る各回ごとの期間を差し引いた期間を超えない期間) (無給の休暇)
※
※
対象となる非常勤職員=生後1歳に達しない子を育てるすべての非常勤職員
「その子の保育のために必要と認められる授乳等」とは?
子への授乳に限らず、託児所への送り迎え等、子のための一般的な世話を含む
と解されます。なお、授乳は母乳か人工乳かを問いません。
※ 男子の非常勤職員について、配偶者等がいわゆる専業主婦でも取得できるか?
妻が保育できる場合は対象となりません。
しかし、夫婦共働きで男子職員が子を託児所に送迎する場合や、妻が専業主婦
でも社会通念上妥当と認められる事情(妻本人の病気、親の看護等)で保育が困
難である場合に、男子職員が授乳等を行う必要があるときには、その男子職員に
も保育時間が認められます。
※ 夫婦共働きの場合、夫婦同時に保育時間を請求することができるか?
男子職員が保育時間を請求する場合、配偶者等が同様の休暇(労働基準法上の
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育児時間なども含む)を取得する場合は、1日2回それぞれ 30 分から、配偶者
等が取得する時間を差し引いた時間を超えない範囲内で取得することができま
す。
2.「無給の休暇」について
「無給の休暇」と「欠勤」は一見同じようですが、大きく異なる部分があります。例
えば、子どもに予防接種を受けさせるために仕事を休まなければならない、というよう
なとき、「欠勤」か、「無給の休暇」(※人事院規則 15-15 第4条第2項第4号)
かは意味が異なります。
「無給の休暇」には次のような特徴があります。
○「職務専念義務」が免除される点
無給の休暇は、職務専念義務が免除されますが、欠勤は、職務専念義務が免除され
ていません。よって、欠勤は「懲戒の事由」になります。
○「年次休暇付与の要件」で出勤した日数として扱われる点
無給の休暇は、年次休暇付与の要件上出勤したものとしてみなして取り扱われます
が、欠勤はそのような扱いにはなりません。
○「退職手当の継続勤務期間」に算入される点
退職手当の算定基礎となる勤続期間及び共済組合の加入要件としての継続勤務期
間のそれぞれの計算の際、無給の休暇は勤務したこととして取り扱われますが、欠勤
は計算の対象から除外されます。
3.関係条文等
人事院規則15-15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)
第4条
2 各省各庁の長は、次の各号に掲げる場合には、非常勤職員(第四号から第六号ま
で及び第九号に掲げる場合にあっては、人事院の定める非常勤職員に限る。)に対
して当該各号に定める期間の無給の休暇を与えるものとする。
一 6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)以内に出産する予定である女
子の非常勤職員が申し出た場合 出産の日までの申し出た期間
二 女子の非常勤職員が出産した場合、出産の日の翌日から8週間を経過する日ま
での期間(産後6週間を経過した女子の非常勤職員が就業を申し出た場合におい
て医師が支障がないと認めた業務に就く期間を除く。)
三 生後1年に達しない子を育てる非常勤職員が、その子の保育のために必要と認
められる授乳等を行う場合、1日2回それぞれ30分以内の期間(男子の非常勤
職員にあっては、その子の当該非常勤職員以外の親が当該非常勤職員がこの号の
休暇を使用しようとする日におけるこの号の休暇(これに相当する休暇を含む。
)を承認され、又は労働基準法 (昭和22年法律第49号)第67条 の規定に
より同日における育児時間を請求した場合は、1日2回それぞれ30分から当該
承認又は請求に係る各回ごとの期間を差し引いた期間を超えない期間)
3 前2項の休暇(前項第一号及び第二号の休暇を除く。)については、人事院の定
めるところにより、各省各庁の長の承認を受けなければならない。
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人事院規則15-15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)の運用について(通知)
第4条関係
1 年次休暇以外の休暇の取扱いについては、それぞれ次に定めるところによる。
(6)第2項第1号の「6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)」は、
分べん予定日から起算するものとする。
(7)第2項第2号の「出産」とは、妊娠満12週以後の分べんをいう。
(8)第2項第4号の「小学校就学の始期に達するまでの子(配偶者の子を含む
。以下この号において同じ。)を養育する」とは、「職員の勤務時間、休日
及び休暇の運用について(平成6年7月27日職職―328)」第13の第
1項(11)の規定の例によるものとし、同号の「人事院の定めるその子の世
話」は、その子に予防接種又は健康診断を受けさせることとし、「人事院の
定める時間」は、勤務日1日当たりの勤務時間に5(その養育する小学校就
学の始期に達するまでの子が2人以上の場合にあっては、10)を乗じて得
た数の時間とし、同号の休暇の単位は、1日又は1時間(勤務日ごとの勤務
時間の時間数が同一でない非常勤職員にあっては、1時間。ただし、当該非
常勤職員の1回の勤務に割り振られた勤務時間であって1時間未満の端数が
あるもののすべてを勤務しない場合には、当該勤務時間の時間数)とする。
ただし、同号の休暇の残日数のすべてを使用しようとする場合において、当
該残日数に1時間未満の端数があるときは、当該残日数のすべてを使用する
ことができる。
2 年次休暇以外の休暇は、必要に応じて1日、1時間又は1分を単位として取り
扱うものとする。
4 年次休暇以外の休暇(この条の第2項第1号及び第2号の休暇を除く。)の承
認については、常勤職員の例に準じて取り扱うものとする。
第5条関係
非常勤職員の休暇の請求等の手続については、常勤職員の例に準じて取り扱うも
のとする。
(2014年2月
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公務労協・国公連合作成)