おりおりの山 第69号 作者プロフィール 柚木 文夫氏 千葉県隊友会会員 元防大山岳部監督 習志野支部長 桧町陸幕 現自衛隊山岳連盟会長 2015 年 7 月 4 日 平成 2 年退官 1958 年防衛大学卒 越後駒ヶ岳-規模雄大の名山- 越 後 駒 ヶ 岳 の 雄 姿 (道 行 山 か ら ) の岩場をペンキのルート標示に従っ て慎重に登り、駒ノ小屋到着15時。 立派な2階建ての素泊り小屋である。 小屋前のベンチで涼風に吹かれなが ら 、先 客 3 人 と コ ー ヒ ー タ イ ム 。今 夜 の 客 は 我 々 4 人 だ け で 、各 人 、二 階 を 広 々 と 占 領 し て 早 寝 し た 。翌 日 は 中 ノ 駒ノ小屋下からの駒ヶ岳 7月中旬、越後駒ヶ岳(2003㍍) に 登 っ た 。深 田 久 弥 が「 魚 沼 駒 ヶ 岳 」の 名前で挙げた日本百名山である。 前日はバスで着いた大湯温泉から1 時 間 余 歩 い て 駒 ノ 湯 山 荘 に 泊 ま り 、温 泉 と山菜料理を堪能した。 翌 朝 8 時 出 発 、小 倉 尾 根 経 由 で 駒 ヶ 岳 に 向 か う 。最 初 か ら ブ ナ 林 の 中 の 急 な 登 り 。し ば ら く 登 る と 樹 間 に 駒 ヶ 岳 が 姿 を 見せ、あまりの大きさにウンザリする。 栗ノ木沢ノ頭付近でブナ林が雑木林に 変 わ り 、更 に 頑 張 っ て 登 る う ち に 灌 木 が 次 第 に 低 く な り 、小 倉 山 直 下 の ク サ リ 場 に 出 た 。ク サ リ を 登 り 切 る と 途 端 に だ だ っ広い笹原になり小倉山到着11時半。 くたび 百草ノ池 れ果て 大休止。 後は 緩やか な尾根 を上り 下りし、 途中、 百 草 ノ 池 を 見 物 し 、最 後 に 駒 ノ 小 屋 直 下 岳を 越え て十 字 峡 に 下 り る 長 丁 場 を 考 え 、早 朝 4 時 半 出 発 。雪 渓 と 草 原 の 連 続 す る 駒 ヶ 岳 の 登 り は 一 面 の お 花 畑 で あ る 。ハ ク サ ン コ ザ ク ラ 、ハ ク サ ン フ ウ ロ 、イ ワ イ チ ゲ な ど が 咲 き 乱 れ て い た 。稜 線 に 出 て 中 ノ 岳 分 岐 か ら 右 へ 一 登 り し て 5 時 、駒 ヶ 岳 山 頂 。 水無沢を挟んで八海山のギザギザ岩峰 が ド 迫 力 だ っ た 。分 岐 に 戻 り 、稜 線 を 南 に 辿 る 。ハ イ マ ツ を 縫 っ て ゆ っ く り と し た 下 り が 続 き 、6 時 天 狗 平 。後 は 木 の 根 が絡み合った歩き難い稜線道を樹林の 間を出たり入ったりしながら登り下り を 繰 り 返 し 、最 後 に キ ツ い 登 り を こ な し 1 0 時 中 ノ 岳( 2 0 8 5 ㍍ )山 頂 。四 周 遮 る も の も な い 展 望 の は ず が 、残 念 な が らモヤに霞んでいた。 中 ノ 岳 か ら は 小 天 上 へ 急 下 降 し 、池 塘 と 草 原 の 日 向 山 を 越 え 、千 本 松 原 を 過 ぎ る と 、後 は ひ た す ら の 下 り で 十 字 峡 1 4 時 着 。最 後 に 長 い 車 道 歩 き に 完 全 に ア ゴ を 出 し て 1 5 時 半 、や っ と 野 中 の バ ス 停 にたどり着いた。 駒ヶ岳山頂から臨む中ノ岳・八海山
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