「和 田 中 は 大 丈 夫 で す か ?」

なごみ
平成27年7月17日
学校だより 第4号
杉並区立和田中学校
校 長
田中 裕之
http://wadachu.jp
「和 田 中 は 大 丈 夫 で す か ?」
校長 田中 裕之
またしても、いたましい悲劇が繰り返されてしまいました。
「お宅の学校のいじめ問題
は?」の問いに、軽々しく大丈夫などと答える学校は危機管理意識が欠如していると言
っても言い過ぎではないでしょう。放置すれば重篤な問題に発展する可能性のある問題
は、どこの学校にも存在します。和田中も例外ではありません。
学校生活のあらゆる場面で、子ども達の言動に目配り、気配りを怠らないとともに、
現象面の向こう側、目に見えない部分の一歩奥にまで思いをめぐらせて関わっていくこ
とに努めています。想定内のことに的確な対応を取るのは当たり前、想定外のことにも
対応できる柔軟な頭と心が求められています。今年度の和田中は、特に組織を意識して
動くことを職務の柱とし、個人の力の限界を組織で補っていきます。
起きたいじめに適切に対応することは大切ですが、それはあくまでも対症療法です。
いじめをもう少し深く考えてみます。
いじめの原因は、単純ではありません。
「人をいじめることによって自分の優越感を強める」という心理
学的作用があります。いじめという方法によって“他者より強い自分”を確認しようとする傾向がありま
す。もう一つ「バランスを重視する感覚」というのもいじめの一因です。いじめのターゲットになりやす
い子供の特徴を考えると、暗いから、良い子ぶっているから、グズだから、勉強ができない(できる)か
ら、先生に気に入られているから、めだちすぎるから…全て、
「人とは違っている」という共通する因子を
持っています。心理学的には、
「この違いが大きな不安感を生む」ということ。少しでも違う要素を持った
人が参入してくると、その集団内のバランスが崩れてしまいます。
「一人一人の個性を重視」と言いながら、
実際には個性があることでいじめの標的にされてしまう…。
ユング心理学の「影」の考え方によると、学力不振や家庭環境のトラブル、自分の中の劣等感などがい
じめの原因として指摘されています。いじめとは、自分が認めたくない“影”の要素をいじめ被害者に投
影して行われる加害活動。自分が恐れている状況を、被害者に投影的に加えている行為なのです。他人の
視線や評価を意識し続けるあまり、他人から否定されること、無視されること、拒絶されることを過度に
恐れているのです。だからこそ、ある意味“身代わり”としていじめ被害者をターゲットにする、スケー
プゴート(犠牲の山羊)にしてしまうのです。他人を犠牲にしなければ自分の存在意義を確認できないと
いうのは、精神的な脆弱性の表れ以外の何ものでもありません。
「いじめの心理学」より抜粋
いじめとは人間的弱さの象徴です。どうすればいじめを根絶できるのでしょうか。学
校教育の目的は、自分達の力で考えて正しい方向に進んでいくことのできる力(=真の
学力)を育み、温かい家庭、住みよい街、よりよい社会を創る公民を育成することです。
その理想を追究する中で豊かな心が育ち、結果としていじめのない学校を作ることがで
きるのです。そのために、教育目標“自立貢献”の達成に全力を傾け、
集団全体のモラル向上を図っていきます。
幸いにして本校は、保護者・地域の力を結集して一歩上の学校創りに
邁進する地域運営学校として、生徒の心と体を効果的に鍛える環境が整
っています。この一学期のみなさまのご協力に感謝申し上げます。二学
期もよろしくお願いいたします。
中学校授業体験
7月9日(木)和田小学校の6年生
が和田中学校の教室で、中学校の先生
の授業を体験しました。教科は英語・
数学・音楽でした。英語ではアルファ
ベットの発音や英語の歌を学習しまし
た。数学では素数の勉強を。音楽では
聞くことの大切さ、強い歌い方、弱い
歌い方で表現することを学習しました。
どの教科でも和田小生は楽しそうに授
業を受けていました。次回は教科を変
えて、3学期に実施します。
保育体験授業(家庭科)
7月9日(木)と10日(金)に、
家庭科の授業で保育体験を実施しまし
た。佼成育子園の4歳児40人が、和
田中学校の3年生とふれあいました。
ゲームや塗り絵に鬼ごっこ。無邪気
な園児の笑顔に中学生も優しく応えま
す。「印象に残ったことは、私と一緒に
遊んだ女の子がキュッと手を握ってく
れたことです。抱っこして~とも言っ
てくれました。」少子化や核家族化が進
んでいる中、貴重な体験学習ができたと
思います。
吹奏楽部デビューコンサート
7月11日(土)吹奏楽部のデビュー
コンサートが体育館で行われました。
1年生にとって、4月に入部してから初
めての演奏会です。保護者の方や、先生
方が見つめる中で演奏します。緊張感が
伝わってきて、見ている側もドキドキし
てしまいましたが、みんなしっかり演奏
できていました。最後は全員で演奏を行
いコンサートを締めくくりました。
吹奏楽部は夏休みにも地域で活躍してく
れる予定です。
ラジオ体操(朝ボランティア)
月曜日と水曜日の朝8時から、地域の
方々が和田中学校の芝生で、ラジオ体操
を行っています。生徒会中心に朝ボラン
ティアとして参加してくれています。地
域の方々は皆さんの参加を待っています。