No.262 ニューヨーク駐 駐在 在員 員事 事務 務所 所情 情報 報 平成 27 年 12 月 1 日 伊予銀行 ニューヨーク駐在員事務所 <経済> 米国経済 11 月のニューヨークは例年に比べて暖かくて穏やかな日和が続きました。薄手のコ ートでなければ、少し歩くと暑くなって汗をかいてしまうような日が多かったように思 います。 米国の景気についてどう感じているか、機会があるたびに周りのいろいろな人に聞い てみるのですが、「良い」 、「とても良い」、「ようやく良くなってきた」、「決して悪くは ない」というように強弱はあるものの、「良い」、 「悪くはない」というのが大勢になっ てきたようです。また、世界の他の地域に比べると米国が相対的にはまだ一番しっかり している、という見方も多くの人の共通する見方になっているように思います。 ただ、今後の懸念材料として、パリのテロの後、テロを恐れて世界中で、旅行、往来、 大規模イベントなどが手控えられる、というような事態に万一なった場合には、その影 響が心配だという声が多く聞かれます。 11 月下旬の感謝祭からクリスマスにかけて、米国ではホリデーシーズンがピークを 迎えます。今年は感謝祭翌日のブラックフライデー(たくさんものが売れて小売店が黒 字になる金曜日)の売上の半分が、オンラインショッピングで賄われたとの見通しがは やばやと示されたりしています。 我が家でも(思い返せば)、妻がオンラインショッピングを多用し始めたと感じたの が 2009 年頃です。この 6 年ほどで、オンラインショッピングの存在感は相当大きくな りました。しかし、実店舗中心だった大手小売業者もこの間に巻き返しをみせ、自社の オンラインショッピング機能を充実させてきたように思います。我が家の購買動向をみ ていても、実店舗と(その小売業者の)オンラインショッピングをうまく組み合わせて 買い物をしていることが多いように感じるのです。 <産業> 米国の飲食産業 米国でレストラン等への飲料の営業をしている会社に勤める友人から、以下のような 話を聞きました。米国での営業活動の実情の一端を垣間見たような気がします。 1. 米国では優秀な営業職の確保がとても難しい。彼らは自分の売り先を持っており、 転職するときにはその客を持ったまま会社を移る。 2. 米国での売上が増加してきたので、ローカルの営業担当者の給与体系の見直しを したいと思っている。同時に IT サポート体制の構築にも取り組もうと思ってい 1 No.262 ニューヨーク駐 駐在 在員 員事 事務 務所 所情 情報 報 平成 27 年 12 月 1 日 伊予銀行 ニューヨーク駐在員事務所 る。人材の確保という観点でいえば、年収ベースで給与を 1 万ドル(約 120 万円) 上げることができれば、格段に優秀な営業担当者を確保できる感じがする。 3. ただ、米国には現金決済だけの取引を望むレストランが相当の割合で存在する。 しかし、我々普通の日系企業はその市場には入っていけない。そういうマーケッ トにはそういうマーケット専門に商品を卸す業者がいて、彼らは全て現金で処理 してしまう。そういう意味では、レストランという範疇で考えると、ある意味タ ーゲットが限られてしまっていることになる。 米国には、どうもそれなりに大きな現金マーケットが存在するようです。全体像を把 握することはできないのですが、私もそれをうすうす感じていました。というのは、我 が町の駅前のベーグルショップで支払いをする人たちを見ていても、分厚い現金のかた まりから支払いをする人がかなり多いのです。 一般には、現金を多用する日本人とクレジットカードを多用する米国人、という色分 けがあるかと思います。それはそれで基本的には正しいと思います。しかし、米国では 同時に、現金を多用するマーケットも存在するようなのです。 アジアの日系企業と米国の日系企業 シンガポールに進出している日系企業をターゲットに、シンガポールに店を出した会 社が、同じようなコンセプトで米国に店を出せないかということで、その会社の創業者 でもある社長がニューヨークを訪れました。 いろいろヒアリングをする中で、見えてきたのは「米国に進出している日系企業が、 アジアに進出している日系企業に比べて、(調達に関して)日系企業を頼るつもりが余 りない」という姿です。 そういう中でも(その創業社長は)簡単には諦めたりはせず、「世界で活躍する日系 企業に対し、全世界ベースで共通の高品質のサービスを提供する」というコンセプトで 米国進出のチャンスがあるのではないか、と慎重に見極めをしている最中だということ です。 2 No.262 ニューヨーク駐 駐在 在員 員事 事務 務所 所情 情報 報 平成 27 年 12 月 1 日 伊予銀行 ニューヨーク駐在員事務所 米国の見本市情報(2015 年 12 月~2016 年 2 月) International WorkBoat Show (ニューオリンズ) 12 月 1 日~3 日 【備考】商業用船舶、海洋機器、関連サービス、各種作業船舶など Art Basel in Miami (マイアミビーチ) 12 月 3 日~6 日 【備考】モダン・近代アート、彫刻、写真、フィルム、ビデオ・デジタルアートワーク POWER-GEN International 2015 (ラスベガス) 12 月 8 日~10 日 【備考】発電設備・装置、電力事業 FAME (ニューヨーク) 1 月 10 日~12 日 【備考】ジュニア・ヤングコンテンポラリーファッション 41st Winter Fancy Food Show – San Francisco (サンフランシスコ) 1 月 17 日~19 日 【備考】専門食品、菓子、チーズ、コーヒー、スナック、自然食品など NY NOW 2016 1 月 30 日~ (ニューヨーク) 2月3日 【備考】家庭用品、ライフスタイル、ハンドメイド製品 World Concrete 2016 (ラスベガス) 2 月 2 日~5 日 【備考】コンクリート建設用設備・サービス・材料、化学品、仕上げ加工設備、建設資材など Toy Fair NY 16 (ニューヨーク) 2 月 13 日~16 日 【備考】伝統的おもちゃ、高度な玩具、インタラクティブエンターテイメントなど ※上記見本市は予定が変更になる場合もありますのでご留意ください。 3 No.262 ニューヨーク駐 駐在 在員 員事 事務 務所 所情 情報 報 平成 27 年 12 月 1 日 伊予銀行 ニューヨーク駐在員事務所 ★トピックスレポート(NY 現地スタッフ便り)★ MUJI 旗艦店が 5 番街にオープン 【MUJI 5 番街店の入口】 昔から「無印良品」が好きで、なにかというとよく 足を運んでいます。キッチン用品や収納品・文房具な どのデザインが洗練されていて、買わない時でも見と れて長居してしまいます。マンハッタンには、ソーホ ー地区、チェルシー地区、タイムズスクエアと、3 店 舗を構えています。 どの店舗も広大な 1 フロアを使用した規模の大きい お店なのですが、さらに 11 月 20 日、ミッドタウンの 5 番街に旗艦店(フラッグ・シップ店)となる 4 店舗目 がオープンしました。お店の規模は、MUJI のニュース リリースによると、北米で一番大きいそうです。実際 入店してみると、売り場が 1 階と地下 1 階にあり、他 の店舗とスケールが違いました。 【 店内の様子】 他のお店と違うのは(写真が撮れませんでしたが) 、スタッフがアロマオイルのブレンド をしてくれる“アロマラボ”があったり、他店では見かけなかった子ども服があったり、 鉢植えの植物や、フラッグ・シップ店のトートバッグが販売されていたところです。家具類 も、大きなスペースに一部では“人を駄目にするソファ”(それほど快適という意味で)と 4 ニューヨーク駐 駐在 在員 員事 事務 務所 所情 情報 報 No.262 平成 27 年 12 月 1 日 伊予銀行 ニューヨーク駐在員事務所 呼ばれている“体にフィットするソファ”が数個 ゆったりと置かれていて、訪れたお客さん達が くつろいでいました。 この無印良品店の隣ですが、 「おのでら」と いう銀座にある高級寿司店がオープン予定で す。お店のウェブサイトによると、既にハワ イ、香港、パリに店舗を展開しています。銀 座のお寿司屋さんも 5 番街へ進出してくると は、日本文化ビジネスも世界規模になってき ているのだなと、日本発の、全く違う業種の お店が並んだ様子を見て思いました。 【開店準備中の寿司店】 5
© Copyright 2024 ExpyDoc