平成 26 年度離島漁業再生支援交付金による取組概要 1

平成 26 年度離島漁業再生支援交付金による取組概要
1. 集落協定の概要
都道県名:愛媛県
市町村名:宇和島市
協定締結集落名:日振島
代表 山口 初文
交付金額:8,296 千円
協定参加世帯数:75 人(うち漁業世帯 61 人)
集落漁業者平均所得:1,738 千円
2. 協定締結の経緯
集落協定を締結している日振島地区は、ブリ・マダイの養殖、採貝・採藻、大中型まき
網、はえなわ漁業等が盛んに行われている。しかし魚価の低迷、不安定が長く続き島の活
気が失われつつある。そこで地域漁業の活性化を図るとともに、集落の漁業生産活動が活
発な状態となることを目指して離島交付金による漁業再生活動に取り組むこととした。
3. 取組の内容
①漁場の生産力の向上に関する取組状況
・アワビ 7,500 個、サザエ 10,000 個、ヒラメ 10,000 尾を地先漁場へ放流した。
・日振島の豊かな景観や自然環境を保全するため、海岸清掃を 3 回(延べ 261 名)実
施した。
・日振島周辺海域の水質悪化を防ぐため、EM 菌を混ぜ合わせた溶液を作製し、それを
使用することにより水質浄化を図ることとした。
・磯焼けが拡大しているため、磯焼けの原因となるウニ(ガンガゼ)の駆除を 8 回(延
べ 130 名)実施した。また、磯焼け漁場にクロメの種糸を設置し藻場の回復を図るこ
ととした。
・安心・安全な漁場とするため、サメの駆除を実施した。
・山を手入れし、広葉樹の植樹を実施して、土砂の流出を防ぎ、栄養塩の豊富な水が海
へと流れることを図ることとした。
・アオリイカ等の資源量が減少しているため、資源増大を目指しウバメガシ等の木で産
卵礁を作製し海底に設置した。
②集落の創意工夫を活かした取組状況
・釣り大会を開催し、島内民宿が調理する地元素材の弁当や、景品の海産物で日振島の
知名度の向上を図ることとした。
4. 取組の成果
・アワビ、サザエ、ヒラメの種苗放流を実施することにより、地先資源の増大が期待さ
れる。
・海岸清掃を実施することにより島の豊かな自然環境に対して意識が高まった。
・EM 菌溶液を作製し使用することにより、漁場や漁港区域内の水質が維持されている。
・磯焼け漁場のウニ(ガンガゼ)の駆除や、クロメ種糸の設置を実施することにより徐々
に藻場が回復している。
・釣り大会の開催で、島外の人と交流することにより、日振島の知名度が向上した。
・サメを駆除することにより、安心・安全な漁場が実現された。
・産卵礁を海底に設置することにより、稚イカが多く確認された。
海洋レジャーへの取組(釣り大会)
海岸清掃
漁場の管理・改善(ガンガゼ駆除)
サメの駆除