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第 10 回目
刑法予習編
レジュメ
・結果的加重犯
<結果的加重犯>
結果的加重犯とは、一定の犯罪が実行され、それによりさらに重い結果が引き起こされ
たとき、これを理由として、基本犯よりも法定刑を重くしている犯罪類型のこと
【具体例】刑法 205 条「身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲
役に処する」
→204 条の傷害罪の実行行為が行われ、それによって行為者の意図しない死亡の
結果が引き起こされたときに成立する罪で、傷害罪よりも刑が加重されてい
る
<結果的加重犯の存在理由>
ある種の故意行為から類型的に重い結果が発生することが見られる時、その故意行為を
特に禁止することが、一般予防の目的に資すると考えられるから
つまり、
危険な基本行為をより強く抑制するために、結果的加重犯というものが認められている
<結果的加重犯の成立要件>
基本犯の成立
結果の発生
基本犯の行為と結果との因果関係
⇒判例はこれらの要件がそろえば結果的加重犯が成立するという立場
↓
学説
⇒結果発生について少なくも過失は必要
⇒過失とは、
「予見可能性を前提とした結果回避義務違反のこと」だが、
基本犯の実行行為を行うことで、結果回避義務違反は当然に認められる
⇒結論的には、重い結果の発生について予見可能性がなければならない
↓
教科書
⇒予見可能性に加え、直接性という要件も必要
結果的加重犯の成立を考える場合、具体的に、基本犯の実行により重い結果が発生
する高度の危険を生じさせ、この危険性が直接的な結果の実現により確証された場
合に求めるべきだという見解
(レジュメここまで)