【ご挨拶】

【ご挨拶】
第 25 回日本健康医学会総会
学会長 福沢嘉孝
(愛知医科大学病院 先制・統合医療包括センター部長・教授)
この度,第 25 回日本健康医学会総会の学会長を拝命し,愛知県長久手市の愛知医
科大学本館にて開催させて頂くことになりました.大変光栄に存じますと同時に大変
な重責でありますので,弊センター事務局ばかりでなく,学会本部事務局の皆様にも
甚大なご協力を賜り,鋭意準備を進めてまいりました.私が所属する愛知医科大学は,
“小牧・長久手の戦い”として歴史的にも著明な古戦場の跡地でもあり,歴史探訪に
は打って付けの場所であります.大会長拝命当初は,参加者の皆様の交通の便(名古
屋駅から地下鉄東山線で約 30 分)を考慮し,名古屋市内の名古屋駅前の‘ウインクあ
いち’
(駅から徒歩 2 分)で開催させて頂く予定でしたが,敢えて本学内で開催させて
頂くことにしました.その理由には2つあります.第1の理由は,平成26年5月に
新病院が完成し,高級ホテルにも匹敵する内・外観を誇る点で,参加者の皆様にもそ
の雰囲気を堪能して頂きたいと思ったからです.素晴らしい学習環境の中での熱い討
論は最高ですから.第2の理由は,本学が位置する長久手市と 2012 年 1 月以来,1)
地域医療貢献,2)種々の社会貢献等の観点での連携協定を締結していることにより,
地域住民の皆様の健康医学・医療面で本学の果たす役割が年々大きくなって来ている
のを肌で実感しているからです.しかも,種々の調査から,1)長久手市の人口増加
率は愛知県内第 1 位を占めている,2)生産年齢人口は国・県よりも高率である,3)
出生率も国・県よりも高いレベルにある,4)若い年齢層(子供)が非常に多いこと
が特徴である,しかし,その反面,5)国・県の比率(全死因に占める割合)に比較
して生活習慣病の 1 つである『癌』が多い,という紛れもない事実が明確化しており
ます.従って,今後の超高齢化に向けて地域医療貢献・社会貢献を念頭に置いて真摯
に医学・医療に取り組むならば,地域住民の死因や疾病状況の特徴を十分に踏まえた
健康強化推進(増進)・健康寿命延伸が必須になるものと考えられます.また,長久手
市の健康計画の背景は,国の『健康日本 21(第 2 次)』と愛知県の『健康日本 21(あ
いち新計画)
』に準拠したものであり,健康の基本目標には,やはり『健康寿命の延伸!』
を掲げております.以上の 2 点から,第 25 回総会の学会会場として,長久手市に位置
する本学内で開催することが真に妥当と判断した次第です.本学との連携協定を締結
した以上,本学が目指す地域医療貢献・社会貢献とは,地域の中核病院として,地域
住民の皆様の健康強化推進(増進)・健康寿命の更なる延伸にあると言っても過言では
ないものと考えます.
以上の如き健康背景・状況を十分に踏まえ,第 25 回学会総会のテーマを『健康寿命
延伸の秘策』とさせて頂いた次第です.
本学会総会の午後の部で予定しておりますシンポジウムでは,.
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1.学会長講演として,既述の本学病院の健康寿命の更なる延伸のための
取り組みの 1 つ「国内外初の新規専門外来開設」をご紹介し,その
臨床的意義を呈示し,
2.特別講演 1.として,「疾病予防の観点からのリスク診断」について,
水島洋先生(国立保健医療科学院研究情報支援研究センター 上席主任
研究官)にご講演を頂き,
3.特別講演 2.として,「プロ野球選手としての日々の健康への配慮」に
ついて,朝倉健太氏(元中日ドラゴンズ投手,2015 年 9 月引退)に
ご講演を頂く予定です.
今後益々の超高齢化社会における平均寿命延伸ではなく,“健康寿命
延伸”の真の意義とは何か,また,それをどの様な医学的ツールを活用
して個々人に意識付けし,行動変容させながら生活習慣病を改善してい
くべきなのかを,参加者の皆様と熱くディスカッションしたいと考えて
おります.また,一般演題では,学会員の皆様の日頃よりの基礎・臨床
研究の大きな成果をご発表頂き,忌憚なき活発な議論が行われますこと
を心より祈念いたしております.
本学会総会終了後の懇親会会場では,早朝から夕方まで蓄積した学会
の疲労を癒やして頂くために,名古屋名物も取り混ぜた細やかな酒宴を
準備させて頂く予定です.リラックスした雰囲気の中で楽しい歓談の一
時をお過ごし頂ければ幸いです.どうぞ最後までご参加頂けますように
宜しくお願い申し上げます.
末筆ではございますが,季節の変わり目で少々肌寒く感じる今日この
頃でございます.呉々もご自愛頂き,学会総会の当日,元気に全国の皆
様とお会いできることを楽しみにしております.