繊維一般 (324KB)

問1 次のⅠ~Ⅱの文中の(
)内に、下記の語群の中から最も適当なものを選び、解答欄に
数字で答えなさい。
Ⅰ.自然のままで繊維形状をしているものを利用した繊維を総称して( A )と呼んでいる。こ
れに対して、人工的に製造した繊維を総称して( B )と呼び、それはさらにいくつかに区
分される。その中で、天然高分子を化学的に改質した繊維を( C )という。また、主に植
物体の中に存在する物質を取り出して化学薬品を用いて、いったん溶解したのち繊維状にした
ものを( D )という。
Ⅱ.羊毛は多くの種類のアミノ酸からなる( E )というたんぱく質でできている。羊毛の構造
はうろこ状の表皮部分である( F )と皮質部を形成する( G )から構成される。この
( F )により繊維の長さ方向の摩擦抵抗に異方性が生じ、羊毛の織・編物が湿潤状態でも
まれると繊維が絡み合い徐々に目が詰まっていく。この現象を( H )化という。また、
( G )
は( I )構造をとっており、構成する各部分の性質の違いにより( J )が発現する。
[語 群]
1.無機繊維
2.改質繊維
3.自然繊維
4.化学繊維
5.再生繊維
6.合成繊維
7.半合成繊維
8.天然繊維
9.クリンプ(捲縮) 10.角質層
11.毛髄質
12.捩れ
13.スケール
14.らせん
15.ケラチン
16.フィブロイン
17.コルテックス
18.フェルト
19.コラーゲン
20.バイラテラル
よじ
21.フィブリル
問2 次の文中[A]~[F]の後ろの(
)内に示す語句の中から、最も適当なものを選び、
解答欄に数字で答えなさい。
Ⅰ.繊維を引張り、切断したときの[A]
(1.応力
2.荷重
3.圧力)を太さで割った
値を引張り強さという。
Ⅱ.一般に綿、麻、レーヨンなどの繊維は、
[B]
(1.酸
に弱く、絹、羊毛などの繊維は、
[C]
(1.酸
2.アルカリ
2.アルカリ
3.有機溶剤)
3.有機溶剤)に弱いと
いわれているが、濃度や温度によって大きな差がある。
Ⅲ.絹の主成分は、たんぱく質の[D]
(1.シスチン
2.フィブロイン
3.コラーゲン
けんし
で、吐出された繭糸は、二本の繊維が水溶性たんぱく質のセリシンで固着されている。絹は美
しい光沢を有し、吸湿性、染色性に優れるが、紫外線で[E]
(1.白化
2.黒化
3.
ぜい
黄変)および脆化しやすく、また、虫害を受ける。
Ⅳ.一般に、繊維は光や熱に長時間暴露されると劣化し、引張り強さが低下する。日光に対して
劣化しにくい繊維は、
[F]
(1.アクリル
2.絹
1
3.ナイロン)である。
問3 次の I~Ⅱの文中の(
)内に、各々の語群の中から最も適当なものを選び、解答欄に
数字で答えなさい。
Ⅰ.合成繊維は、概して吸湿性は劣るが各繊維によって差異がある。ビニロンは( A )を、
( B )はアミド結合を有するため吸湿性を示すが、
( C )の吸湿性は非常に低い。
[語 群]
1.アセチル基
2.ポリエステル
3.スルフォン酸基
4.ヒドロキシ基(水酸基)
5.ナイロン
6.キュプラ
Ⅱ.レーヨンや綿、麻などの( D )繊維は、乾燥状態においては分子間に熱に比較的安定な
( E )を有している。しかしながら水分を与えると水分子が( F )に入りこみ、
( E )
を切るためにアイロン効果が増すようになる。
一方、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維は一般に( G )があり、温度上昇ととも
に、
( H )付近から初期引張り抵抗度、引張り強さが低下し始め、伸度は増大する。これを
利用して高温下で変形し、そのまま温度を下げるとヒートセットされる。すなわち合成繊維は
ヒートセット性を備えており、
( I )加工などに活用されている。
[語 群]
1.たんぱく質
2.セルロース
3.水素結合
4.共有結合
5.結晶領域
6.非晶領域
7.熱可塑性
8.熱硬化性
9.融点
10.ガラス転移温度
11.難燃
12.プリーツ
13.シロセット
問4 次のA~Gの文章の下線の箇所について、①②の両方が正しい場合には『1』
、①が正しく
て②が誤っている場合には『2』
、①が誤っていて②が正しい場合には『3』
、①②の両方が誤
っている場合には『4』を解答欄に記入しなさい。
A.繊維束の下端を固定し、上端を時計の針と同じ方向に回転させると①S撚りがかけられる。
紡績糸単糸は、②S撚りが多い。
B.織物の①よこ糸に撚り方向の異なった強撚糸を交互に配置すると、②クレープと呼ばれる凹
凸が発生する。
C.綿糸の場合、番手に綿番手、撚り数の単位長さに 2.54cm を使用したとき、撚り係数が①4で
あれば強撚糸、②2であれば甘撚りと判断できる。
D.綿番手では、数値が大きいほど糸は①細くなり、メートル番手では、数値が大きいほど糸は
②太くなる。
E.20 番手単糸は、綿番手では、①1/20、メートル番手では、②20Sと表示される。
2
F.テックス番手では、1000mの質量が 30gである綿糸は、①30tex であり、1000mの質量が5
gであるフィラメント糸は、②50dtex である。
G.フィラメント糸を芯糸として、綿、羊毛などのステープル繊維を巻きつけた糸を①カバード
ヤーンといい、ステープル繊維の代わりに、紡績糸あるいはフィラメント糸を巻きつけた糸を
②コアヤーンという。
問5 次の文中の(
)内に、下記の語群の中から最も適当なものを選び、解答欄に数字で答
えなさい。
糸を繊維の形態によって分類すると、紡績糸とフィラメント糸に大別される。紡績糸は、綿、
羊毛、あるいは適当な長さに切断した( A )などの( B )から構成され、フィラメント
糸は、絹や( A )などの連続した繊維から構成されている。また、2種類以上の繊維を混合
した糸には、ステープル繊維同士を混合した( C )、フィラメント同士を混合した( D )、
ステープル繊維とフィラメントを混合した( E )などがある。
加工糸は、フィラメント糸に( F )や伸縮性を付与した糸で、各種の加工方法がある。こ
れらの加工方法の中で、伸縮性を特に与えず紡績糸のような仕上がりの加工糸を作るためには
( G )が用いられる。
その他の糸として、繊維の種類、色、太さ、撚り数などの異なる2本以上の糸を撚り合わせて
特殊な効果を持たせた( H )や、プラスチックフィルムを延伸した後に所定の幅に切断して
得られる( I )などもある。
[語 群]
1.混紡糸
2.仮撚り法
3.化学繊維
4.飾り糸
5.吸水性
6.かさ高性
7.混繊糸
8.短繊維
9.強さ
10.コーマ糸
11.複合糸
12.スリットヤーン
13.空気噴射法
14.双糸
15.擦過法
16.天然繊維
17.ストレッチヤーン
問6 次の文中[A]~[J]の後ろの(
)内に示す語句の中から、最も適当なものを選び、
解答欄に数字で答えなさい。
Ⅰ.二本のたて糸、よこ糸をグループとして[A]
(1.平織
2.斜文織
3.朱子織)に
ななこ
した織物は斜子織である。
Ⅱ.タオルは、
[B]
(1.カットパイル
Ⅲ.よこパイル織物の[C]
(1.コール天
2.よこパイル
2.別珍
均一で密集している。
3
3.たてパイル)織物である。
3.ビロード)は、パイルの長さが
Ⅳ.からみ組織は、一組のたて糸を交互にからみ合わせ、これとよこ糸が交錯する組織で、代表
ろ
的なものに[D](1.絽
も しゃ
2.模紗織
3.蜂巣織)がある。
Ⅴ.編地においては、編目のたて方向の列を[E]
(1.ウエール
2.コース
3.ワープ)
と呼んでいる。
Ⅵ.ゴム編は[F]
(1.天竺編
Ⅶ.両面編は[G]
(1.平編
2.ガータ編
2.ゴム編
3.リブ編)とも呼ばれる。
3.パール編)を二枚重ねた構造の組織である
Ⅷ.平編は、よこ編の組織で、
[H]
(1.天竺編
2.ガータ編
3.インターロック編)
とも呼ばれる。
Ⅸ.平編のコースごとにニットとタックが交互になるように編成した変化組織を[I]
(1.ミラ
ノリブ
あぜ
2.片畦編
か
3.表鹿の子編)という。
Ⅹ.たて編の変化組織として、
[J]
(1.シングルトリコット編
2.プレーントリコット編
3.シングルコード編)がある。
問7 次のA~Hの文章において、平織に該当するものには『1』
、斜文織に該当するものには『2』
、
朱子織に該当するものには『3』を解答欄に記入しなさい。
A.織物の表面に斜めの線が現れる。
B.糸の浮きが最も長く、糸の浮き方向に光沢がある。
C.糸の交錯点が最も多いので、糸が接近しにくい。
D.糸が最も密に並ぶので、織物は厚くなる。
E.完全組織を作るには、少なくともたて、よこ各5本の糸が必要である。
F.完全組織を作るには、少なくともたて、よこ各3本の糸が必要である。
G.代表的な織物に、デニム、サージなどがある。
H.代表的な織物に、ポプリン、ポーラなどがある。
問8 次の文中[A]~[I]の後ろの(
)内に示す語句の中から、最も適当なものを選び、
解答欄に数字で答えなさい。
Ⅰ.よこ糸が切断されないため、きれいな耳ができる織機は、
[A]
(1.エアジェット織機
2.プロジェクタイル織機(グリッパー織機)
3.シャットル織機)である。
Ⅱ.よこ糸がコーンあるいはチーズから直接供給される織機は、
[B]
(1.エアジェット織機
2.シャットル織機
3.手織機)である。
Ⅲ.ロッドの先端部で糸端をつかみ、よこ入れをする織機を[C](1.プロジェクタイル織機
(グリッパー織機)
2.レピア織機
3.シャットル織機)という。
Ⅳ.多数のたて糸を独立に開口し、複雑な柄を織るためには[D]
(1.タペット装置
ビー装置
3.ジャカード装置)を用いる。
4
2.ド
Ⅴ.ゴム編を編成する二列針床の丸編機は、
[E]
(1.ダブルラッシェル編機
ション編機
2.フルファッ
3.フライス編機)という。
Ⅵ.靴下編機は、
[F]
(1.よこ編機
2.たて編機
3.ミラニーズ編機)に分類される
ものが大部分である。
Ⅶ.パール編は、
[G]
(1.ウエール
2.コース
3.斜め方向)ごとに表目と裏目を交
互に配置した組織である。
おさ
Ⅷ.ハーフトリコット編は、前筬に[H]
(1.シングルデンビー編
2.シングルコード編
3.シングルアトラス編)
、後筬にシングルトリコット編をした組織で、主にアンダーウェアに
用いられる。
Ⅸ.編針のうち編成に補助装置を必要としないのは、
[I]
(1.ひげ針
2.べら針
3.複合針)である。
問9 次のⅠ~Ⅲの文中の(
)内に、下記の語群の中から最も適当なものを選び、解答欄に
数字で答えなさい。
Ⅰ.織物の単位長さ当たりに織り込まれた糸の本数を( A )といい、布が糸で占められてい
る面積の割合を( B )という。また、布の見かけの容積中で繊維の占める容積の割合を
( C )という。
Ⅱ.不織布製造工程におけるウエブの形成方法のうち、紡糸工程から直接ウエブを形成する方法
ではスパンボンド法と( D )が代表的な方法である。また、乾式法にはエアレイ法と( E )
がある。
Ⅲ.不織布製造工程におけるウエブ内の繊維の結合方法で、特殊な形状の針を用いて繊維を絡み
合わせる方法を( F )という。また、低融点の繊維あるいは溶融用添加剤をウエブに混入
して、加熱溶融させることによって繊維を接着する方法を( G )という。
[語 群]
1.カーディング法
2.サーマルボンド法
3.スパンレース法
4.メルトブロー法
5.ステッチボンド法
6.カバーファクタ
7.ニードルパンチ法
8.含気率
9.見かけ密度
10.糸密度
11.充填率
12.かさ高性
13.空隙率
5
問 10 次のA~Hに最も関係が深い語句を各々の語群の中から選び、解答欄に数字で答えなさい。
A.アクリル繊維の染色に用いられる。色相は非常に鮮明で、繊維とはイオン結合するため堅ろ
う度も高い。
[1.反応染料
2.分散染料
3.カチオン染料]
B.主としてセルロース繊維の染色に用いられる。黒色染色物では保存中に、染料に由来する物
質が原因で繊維を脆化させることがある。
[1.硫化染料
2.ナフトール染料
3.バット染料]
C.アゾ系染料で地染めした布の一部を抜色して模様を出す手法に用いられる薬剤
[1.キレート剤
2.ロンガリット
3.にかわ]
D.ポリエステル・綿混紡織物の分散染料の染色に用いられる。
[1.ロープ染色
2.パッドスチーム染色
3.サーモゾル染色]
E.1ピッチ分ずつ間欠的に布地に柄をつけていく。比較的繊細なプリントが可能で色数の点で
も優れ、小ロット向きの捺染(プリント)の方法
[1.フラットスクリーン捺染
2.ローラ捺染
3.ロータリースクリーン捺染]
F.研摩布を用いて生地表面を摩耗して毛羽立たせる方法
[1.針布起毛
2.エメリ起毛
あざみ
3. 薊 起毛]
G.綿織物を硫酸に浸し、硬い風合いにする加工
[1.オーガンジ加工
2.オパール加工
3.カレンダ加工]
H.SR加工やSG加工と呼ばれる加工がある。
[1.防水
2.防縮
3.防汚]
問 11 次のA~Kの文章で、①②の両方が正しい場合には『1』
、①が正しくて②が誤っている場
合には『2』
、①が誤っていて②が正しい場合には『3』
、①②の両方が誤っている場合には『4』
を解答欄に記入しなさい。
A.①次亜塩素酸ナトリウムは酸化漂白剤に分類される。
②ハイドロサルファイトは還元漂白剤に分類される。
B.①過酸化水素は、酸性よりもアルカリ性(塩基性)の方が漂白力が強い。
②過酸化水素は、鉄分の影響で作用が増大し、繊維の損傷を起こすことがある。
C.①ポリエステルの減量加工に用いられる薬剤は硫酸である。
②マーセライズ加工が行われる繊維はポリエステルである。
D.①漂白しても多少黄色みが残っている布を、ごく少量の青い染料で染色することで、より白
く見せることができる。
②蛍光増白剤を付与した布を自然光のもとで見ると、その布から目に入る光は、付与してい
ないものに比べ、紫〜青色の光が増加している。
6
E.①カチオン染料は水溶性の染料である。
②硫化染料は水溶性の染料である。
F.①促染剤は、むら染めを防ぐ機能も発揮する。
ぼうしょう
②反応染料で綿を染める際、芒 硝 (硫酸ナトリウム)などの無機電解質は促染剤として働く。
G.①顔料捺染された生地は、水洗いに弱いのでドライクリーニングする必要がある。
②顔料捺染には、ピグメントレジンカラーが用いられる。
H.①2枚の布の色が同じに見える場合には、それらの分光反射率も同一である。
②色差、明度、彩度を色の三属性という。
I.①樹脂加工において、加工剤を含浸後に熱処理することをキュアリングという。
②樹脂加工は、必ず縫製前に終えておく必要がある。
J.①セルロース繊維の難燃加工剤には、イオウやケイ素を含む化合物が多く用いられている。
②リップル加工は、羊毛の防炎加工である。
K.①ピリングを抑制するには、繊維の強さを上げることが有効である。
②ピリングを抑制するには、表面処理によって毛羽立ちを少なくすることが有効である。
問 12 次のA~Fの文章に最も関係が深いものを各々の語群の中から選び、解答欄に数字で答えな
さい。
A.絹の精練の際に用いられる酵素はどれか。
[1.アミラーゼ
2.セルラーゼ
3.プロテアーゼ
4.リパーゼ]
B.還元によりロイコ体を生成させて染色する染料はどれか。
[1.バット染料
2.ナフトール染料 3.分散染料
4.直接染料]
C.酸性染料、反応染料、バット染料、直接染料のうち、水を加えたときに溶けるものはいくつ
あるか。
[1.一つ
2.二つ
3.三つ
4.四つ]
D.分散染料で染めるのに適した繊維はどれか。
[1.アセテート
2.レーヨン
3.毛
4.麻]
E.ある種のアゾ染料から発がん性が疑われる特定アミンを生成するのは、染料がどのような変
化を受けた場合か。
[1.還元分解
2.酸化分解
3.加水分解
4.ジアゾ化]
F.トップ染め、チーズ染め、かせ染め、ばら毛染めのうち、糸染めに分類されるものの数はい
くつあるか。
[1.一つ
2.二つ
3.三つ
7
4.四つ]