日本近世・近代文学の研究

研究タイトル:
日本近世・近代文学の研究
氏名:
長福 香菜/CHOFUKU Kana
E-mail:
[email protected]
職名:
助教
学位:
博士(文学)
所属学会・協会:
キーワード:
技術相談
提供可能技術:
研究内容:
日本近世文学会,日本近代文学会,和歌文学会,日本文学協会
和歌,近代短歌,歌壇,御歌所,桂園派,明治天皇,昭憲皇太后,高崎正風,税所敦子,
落合直文,与謝野鉄幹,正岡子規
・和歌に関すること。
・古典文学に関すること。
・山陰地域における古典文学資料の調査。
御歌所派歌壇の実態解明による近代短歌史の再構築
近代短歌は、落合直文の和歌改良論や「亡国の音(現代の非丈夫的和歌を罵る)」(明治 27 年)の与謝野鉄幹・
「歌よみに与ふる書」(同 31 年)の正岡子規ら、いわゆる新派による御歌所批判から始まる短歌革新運動によって位置
付けられ、「近代短歌=新派」という図式で説明されます。御歌所は、明治 2 年 11 月に侍従候所に歌道御用を取り扱
わせたことに由来し、その後の改編を経た後、同 21 年 6 月に宮中に設けられました。御歌所には諸流派の歌人らが集
まり、彼らによって宮中歌壇は形成されていきます。その一大勢力の総称である御歌所派は明治の歌壇の権威として
枢要な位置を占めながら、新派によって旧態依然とした作歌態度を固持しているとして批判を受けて以来、新派の価
値観は何ら顧慮されることなく踏襲され、今なお御歌所派の存在意義は否定されたままの状況に甘んじています。加え
て、近代短歌史研究においてもその見方が支配的であると言えます。
そこで本研究では、長年御歌所長を務めた桂園派歌人の高崎正風を中心に据え、正風から連なる御歌所派の人脈
に沿って御歌所派の個々または集団としての和歌活動を明らかにすることにより、御歌所派の歌壇史と和歌表現論の
双方からの考察を行っています。そして、その作業を通して、御歌所派歌壇全体の文学史的意義を解明するとともに、
近代短歌史を再構築することを目的としています。
担当科目
過去の実績
国語Ⅰ,国語Ⅱ,文学Ⅳ,日本語表現法
・『和歌文学大辞典』、30 項目執筆、〈Web 版〉2013 年 4 月より日本文学 Web 図書館に
て配信、〈書籍版〉2014 年 12 月、古典ライブラリー
・学術論文:長福香菜、「落合直文の和歌改良論の内実-御歌所派批判から雑誌『歌学』
まで-」、国文学攷、第 217 号、pp.13-27,2013 年 3 月
・学術論文:長福香菜、「落合直文の和歌改良論の変容―新派の立場表明をめぐって
―」、国文学攷、第 219 号、pp.13-22、2013 年 9 月
近年の業績
(研究・教育論文、特許含む)
・学術論文:長福香菜、「宮中出仕後の税所敦子―明治天皇・昭憲皇太后との関連に着
目して―」、明治聖徳記念学会紀要、復刊第 50 号、pp.322-333、2013 年 11 月
・学術論文:長福香菜、「高崎正風歌論の本質―真の歌を中心にー」、鯉城往来、第 17
号、pp.16-31、2014 年 12 月
・口頭発表:長福香菜、「御歌所派歌壇の再検討―問題の所在と歌壇の実態について
ー」、山陰〈知〉の集積ネットワーク研究会第 27 回、2014 年 6 月