妙高寺の愛染明王 川 井 と い う と「 あ い ぜ ん さ ま 」で す 。川 井 大 橋 を 渡 り 集 落 の 入 口 に「 国 宝 あ い ぜ ん みょうおう 愛染明王 そうどうしゅう みょう 参道」と刻まれた 3 メートル以上もある石碑が立っています。近くにある曹洞宗 妙 こ う じ 高寺の本尊で、戦前には国宝に指定され、戦後は国の重 要 文 化 財 と な り ま し た 。 今 か ら 700 年 以 上 前 の 鎌 倉 時 代 後期の作といわれ、内ヶ巻城主の田中氏が伊豆(静岡県 東部)から川井の地に移したと伝えられています。高さ ひのきざい 119 セ ン チ 桧 材 の 寄 せ 木 作 り で 、 周 辺 住 民 は も と よ り 、 広く繊維業者や酒造業者などの信仰をあつめ、祭礼日に は多くの出店で賑わったと聞きます。愛染明王の怒った 顔は、人間のもつ欲や情を仏の心に変える力があるとい わ れ て い ま す 。 先 日 の 『 新 潟 日 報 』( 4 月 29 日 ) で は 来 年のNHK大河ドラマの主人公上杉氏重臣直江兼続も信 仰していたという説が紹介され、同じ上杉氏家臣であっ た内ケ巻城主田中氏が信仰していたことと通じるように 思われました。さらに、記事では「明王の恐ろしい顔は、家庭を愛で染め、国家を 安泰に導く。子どもが命にかかわる危険な遊びをやめないとき、親は子をたたいて も や め さ せ る 。子 ど も か ら み る と 恐 ろ し い 顔 を し て い る 。た だ 子 を 救 い た い 一 心 の 、 必死の形相である。それが明王の顔」との解説がありました。子どもを甘やかさな い 、 必 死 の 親 心 の 必 要 性 は 現 代 の 私 た ち の 課 題 で す 。 普 段 は 秘 仏 で す が 、 毎 月 26 日 の 例 祭 と 6 月 30 日 の 大 祭 で 開 帳 さ れ て い ま す 。
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