緩和ケア医のコア・コンピテンシー (緩和ケア医に期待される特性) 2015 年 9 月 日本ホスピス緩和ケア協会 教育支援委員会 医師教育支援部会 緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者と家族の QOL を改善す るアプローチである。緩和ケア医はその目的のため、以下の7つのコンピテンシーを身に つけることが期待される。 1. 全人的ケア 患者・家族を全人的にとらえ、身体的だけでなく、精神的、社会的、スピリチュア ルに把握し支援することができる。全ての関わりにおいて、患者・家族を一人の人 間として尊厳をもって接することができる。 2. コミュニケーションスキル(癒しを含め) 患者・家族へのスピリチュアルケアを含めた癒しのまなざしを持ち、希望を支え、 互いに伝え伝わることを通して、患者自身の力を引き出すことができる。 3. 症状緩和力 医学的判断や技術に優れ、苦痛となる症状を早期から認識し、適切な評価と対応を することで、速やかに緩和することができる。 4. チームケアの実践 患者と家族を支える多職種のチームにおいて、個々の力を引き出し、総合力が発揮 されるチームを育むことができる。 5. 医師・人間としての態度 愛、誠実さ、謙虚さ、柔軟性、思いやりをもち、学ぶ姿勢を持ち続けることができ る。 6. 看取り 臨終前から死別後に至るまで、患者と家族に尊厳をもって配慮することができる。 7. セルフケア 自分自身を知り、バランス感覚を持って、自分やチームのストレスマネジメントを することができる。
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