富士山周辺における侵略的外来植物の広域分布推定に関する研究 (H27

研究の種類
研究課題
特別研究
富士山周辺における侵略的外来植物の広域分布推定に関する研究
研究代表者
安田泰輔
自然環境研究部
研究期間
平成
27
年度
~
29
平成
共同研究者
年度
(
3
カ年)
研究協力者
山村靖夫
茨城大学
岩瀬剛二
帝京科学大学
渡邉修准
信州大学
川村健介
広島大学
研究の目的
防除計画立案に向けた富士山および周辺地域における侵略的外来植物の広域分布の解明。
研究の目標
(1)広域的な野外調査方法を検討する。
(2).野外調査と広域的な分布推定から、侵略的外来植物の広域分布図を作成する。
全体の研究計画
・対象種:侵略的外来植物の中で、特に富士山周辺に多い草本種を対象とする。具体的には、アレチウリ(特定外来生物)、オオハンゴンソウ(特定
外来生物)、オオキンケイギク(特定外来生物)、オオブタクサ(要注意外来生物)を予定している。
・調査地:富士山および周辺地域(山梨県および静岡県を含む)を対象とする。富士北麓エリア(スバルライン沿いから登山道周辺)と山梨県全域お
よび富士山に隣接する静岡県(標高1600m以下の河川地域)
(1)広域的な野外調査方法の検討:GPSを携帯し、徒歩・自動車等で移動しながらの野外調査に加え、近接写真による植物判別や動画撮影による
抽出方法を検討し、外来植物の分布把握に適した手法を適用する。
(2)野外調査と広域的な分布推定(地上30~100m程度のメッシュ地図):広域を対象としており、野外調査にかけられる労力は限られるため、1.GIS
と空間解析を用いた事前の分布予測を行い、予察図を作成する。2.予察図の結果を野外調査で検証しつつ、野外調査と土地利用条件等の記載を行
う。得られた情報から再度、空間分布モデルを適用し予察図を更新する。3.期間中にこれらを繰り返すことで、広域的な分布図を作成する。
(3)生育地特性の把握:侵略的外来植物の在不在と、野外調査及び画像解析で得られる土地利用、NDVI等の空間的な環境要因から侵略的外来
植物の生育地特性を推定し、潜在的な生育可能域の空間分布推定を試みる。
(4)分布情報の公開:防除に関係する団体だけでなく、広く周知することも重要であることから、いきものログ(環境省生物多様性センター運用)を活
用し、データの公開と共有を図る。また、県みどり自然課を通じて各市町村に侵略的外来植物に関する情報提供を行う。
期待される研究成果
○侵略的外来植物の分布図が得られるため、その防除計画立案の基礎を提供できる。