PDFはこちらから

修繕費、業務費の動向によっては﹁営業利
後の営業収益の見通しや営業費用の動力費、
闘に向けて、組合員1人ひとりが会社の決算
月末には第3四半期決算が発表されます。春
年末年始輸送も好調であり、2014年1
まうことになります。
企業はベアを実施することは困難と考えてし
って、業績の先行きに不透明感を感じている
益﹂に影響を与えることとなります。したが
フレなどによる生計費の増加︵消費者物価上
する労働生産性向上部分の評価を反映、イン
底上げするものであり、企業収益の増加に対
ベースアップ額はすべての労働者の賃金を
くなっています。
は今も平均賃金のベア方式をとるところが多
が増えつつありますが、中小労働組合の多く
働組合を中心に個別賃金方式によるベア要求
総額が増えることになります。近年は大手労
小さくなりベースアップの実施が困難とする
化したことによって労働生産性の伸び自体が
リーマンショックなどによる景気低迷が長期
しながら、1990年代以降のバブル崩壊や
のベースアップが確保されてきました。しか
ックの時期には、インフレ率にあわせて相当
期や、高インフレ率に悩まされたオイルショ
なっています。インフレが持続した高度成長
価上昇率を踏まえて生活改善を求めるものと
フレといった社会動向の変化による消費者物
るものとなっています。また、インフレやデ
ところで、
分になります。
基準昇給額表に基づいて上がる定期昇給相当
っていますが、これは賃金規程の職務遂行給
るものです。賃金カーブW1は右上がりにな
線、W1がいわゆる﹁賃金カーブ﹂と言われ
す。その分布に基づいて理論的に描かれた曲
プロットします。図中の点々がこれになりま
全組合員をその年齢と賃金額に応じて図上に
賃金額を縦軸に、年齢を横軸にとり、まず
で解説します。
あり、定昇とベアが共に実施されれば、賃金
ます。図ではa1が定昇額、a2がベア額で
上げることになり、賃金コスト総額が増大し
の引き上げとなり、つまりW1をW2に引き
これに対し、ベアとは賃金カーブそのもの
言います。
業負担は増えません。これを難しい表現で
人の賃金は定昇相当分で毎年増えますが、企
ら、企業の賃金コスト総額は不変です。個々
、賃金カーブ自体は動かないことか
次に、定期昇給相当分とベアの違いを左図 ︵A↓B︶
額はw1からw3となります。
と
状況に関心を持たなければなりません。
昇率︶したものとなっています。
傾向が強まることとなりました︻左図︼
。
によって賃金額がw1からw2へ増加しても
29
図 ベアと定昇
定期昇給原資は企業の内転原資である
次に、賃上げは、上図のように通常、昇給
具体的には、企業収益の向上に対して、労
消費者物価指数
歳から 歳となり、定期昇給
働生産性の向上が貢献しているほど、賃金を
S40 S41 S42 S43 S44 S45 S46 S47 S48 S49 S50 S51 S52 S53 S54 S55 S56 S57 S58 S59 S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25
とベアの二つで構成されます。
賃上げ率
それに応じてより厚く底上げすることを求め
H25 年以降景気回復で
物価上昇傾向に転換
に、まず﹁昇給﹂について協議されます。世
図 賃上げ率と消費者物価指数の推移
の中では、定期昇給の実施そのものが議論さ
多くの企業で賃上げ実施
れる企業もある中で、JR西労組は組合員の
生活の安定を図るために、毎春闘で﹁基準昇
給額表﹂にもとづく形で昇給を勝ち取ってき
ています。なお、﹁基準昇給額表﹂は労働協
約で規定され、各職場にある﹁就業規則集﹂
年齢
賃金規程 別表第3︵第9条︶で参照するこ
とができます︻左表︼
。
ベースアップ、略してベアといい、賃金水
準の引き上げを表します。組合員全員の平均
賃金︵ベース︶の引き上げ︵アップ︶がベア
多くの企業で賃上げが低迷
春闘においてベアや年間臨給が妥結する前
定期昇給(定昇)
賃上げ
一律(自動)昇給
昇職昇給、手当増等
昇給
30
ベア額:a2
賃金額
4
となります。通常、春闘交渉の結果、ベアが
実施されますが、企業にとっては賃金コスト
景気低迷で物価低下気味に
賃上げ率と消費者物価指数の加重平均
30歳
29歳
定昇額:a1
a1
A
W1
W1
B a2
W2
W2
C
W3
リーマンショックの
デフレ
バブル崩壊の
デフレ
安定成長期による バブルによる
インフレ
インフレ
高度成長期の オイルショックによる
インフレ
インフレ
図 賃上げの構成
表 「就業規則集」賃金規程 別表第3(第9条)
定期昇給以外の昇給
毎年のS:+1200円、
A:+800円、
B:+400円
C:0円、
D:−400円、
L:±0円の評価
評価昇給
ベア(ベースアップ)