平成 18 年度 1872 事例●072 ハギノ建設株式会社(高知県安芸市) 平成18年度 地域における中小・中堅建設業の 新分野進出定着促進モデル構築支援事業 高知県で規格外ミニトマトの 商品化による新たな収益源の確保 ハギノ建設(株)は、昭和 8 年、高知県安芸市で建設業を創業、昭和 41 年にハギノ 建設株式会社に組織変更した。公共工事の縮小に伴う打開策として、平成 17 年 に高糖度のミニトマトの栽培を手掛けた。平成 18 年にはミニトマトの生産過程から 生じる規格外品をジュース等へ利用するための商品化を進める。 1.事業の背景と動機 高糖度トマト(ハッピートマト) 建設事業本体からの出向を含め 事業に対応 公共事業予算の大幅な削減から土木 を主体とするハギノ建設(株)は受注減を 余儀なくされた。その打開策として、前社 長の萩野昭雄氏はミニトマト栽培に着目 した。同氏は化学分野の素養があり農業 に関する関心が高かったこと、長女の嫁 ぎ先がトマト栽培農家であったこと等から トマト栽培に関する技術の支援も期待で きるとして事業に取り組んだ。 事業の推進者は前社長である萩野昭 雄氏である。本体のハギノ建設(株)から 2 名が転籍し、1 名の出向で計 3 名が事業 に関わっている。ほかに、事業の繁忙期 にはアルバイトで対応している。さらに、 長女の嫁ぎ先からのトマト栽培に関する 技術支援も受けている。 2.進出時の苦労やその対応 栽培をいかに省力化するかが ポイント 高糖度トマトの栽培風景 ハギノ建設株式会社 代表者●萩野 裕章(代表取締役) 所在地●高知県安芸市 資本金●2,000 万円 従業員数●18 名 事業内容●昭和 8 年、高知県安芸市で建設 業を創業、昭和 41 年にハギノ建設(株)に組織 変更し、安芸市内を中心に公共土木を主体に 事業を営んでいる。また、平成 17 年に高糖度 のミニトマトの栽培を手掛けるハッピーファー ム(有)を設立した。 URL●http://happy-tomato.co.jp 安芸市 72 財団法人建設業振興基金 4.事業の推進体制 生産過程における規格外品を 有効活用 高糖度のミニトマトは取扱いが難しい 商品のため 2 割程度の規格外品が発生 する。また、人手を要する(花や葉のカッ ト、定植等)ので、省力化を図ることが喫 緊の課題である。自動化しにくい工程が あるので、栽培方法の改良なども検討す る必要がある。 3.新事業の概要 生産過程で生じる 規格外品の商品化 ハギノ建設(株)は平成 17 年に農業法 人ハッピーファーム(有)を設立し、農業分 野に参入した。事業規模は、総面積 1.1h aのハウス(11 棟)で高糖度のミニトマトの 栽培を手掛けている。取扱いが難しい商 品のため規格外品が発生する。これをジ ュースやジャムなどに加工することで、高 糖度のミニトマトの販売に加えて新たな収 益源を確保しようと事業化に着手した。 5.差別化戦略・競争戦略 ミニトマトの品質と出荷時期で 差別化 トマトは 8 月の暑さに弱く、病害虫対策 も必要とする等、取扱いの難しい商品で ある。一般には、出荷の少ない時期をね らって商品を出荷できれば、他との差別 化が図れる。また、トマトは「リコピン」を 多く含むので、最近の健康志向ブームも あり、粉末化やアイスクリームも視野に入 れ需要の拡大を目指している。 6.成果と今後の課題 ブランド化とインターネットによる 販路拡大 ミニトマト事業は、「ハッピートマト」とい う商品名で商標登録を取っており、このブ ランド化を推進する。また、高知県の農業 振興センターの協力を得てジュース、ジャ ム等の 2 次加工品の商品化を進め、イン ターネット等による販路拡大も視野に入 れた本格的な事業を目指す。
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