葉先枯れ病・灰色かび病に注意しましょう!

H27.4
石巻農業改良普及センター
0225-95-7612
1.葉先枯れ病・灰色かび病に注意しましょう!
トマトの生育が進むと,葉先枯れが発生しやすくなります。4月16日に行われた,JAい
しのまきトマト選果施設利用者協議会の現地巡回でも,葉先枯れが複数のほ場で見られまし
た。
葉先枯れ病の原因
葉先枯れの原因は,カリウム不足です。トマトは,第一花房が着果するころになると,カリ
ウムの吸収量が大きく増加します。この際,カリウムの吸収量が不十分だと,葉先枯れが発
生します。
写真1:トマトの葉先枯れ症状
葉先枯れが出ると,灰色かび病が蔓延しやすい
灰色かび病は,散りかけた花弁や,壊死した組織からトマトの体内に侵入します。葉先枯れ
が出ると,そこから灰色かび病の原因菌が入り込みます。灰色かび病は,葉や茎,果実など,
トマト体内の様々な箇所で発症し,収量を減少させます。
写真2:灰色かび病が発症したトマト(葉,茎,果実)
葉先枯れ・灰色かび病の対策
<葉先枯れ対策>
①葉先が枯れた葉を除去する
②カリウムを含む葉面散布剤を,週2~3回の頻度で散布する
③カリウムを含む液肥を追肥する
基本的には,葉面散布のほうが,土壌へ追肥するより即効性があります。葉先枯れが目立つ
場合は,葉先が枯れた葉の除去と葉面散布を徹底し,早期回復を図りましょう。
<灰色かび病対策>
①換気をし,ハウス内湿度を下げる
②暖房機や循環扇を用いて送風する(送風は,葉かび病の発生も抑えます)
③異なる系統の薬剤をローテ-ション散布する(以下参照)
トマト灰色かび病用農薬(抜粋)
農薬名
系統分類表
成分系
成分
作用機構
(FRAC分類)
カンタスドライフロアブル
酸アミド系
ボスカリド
呼吸
アフェットフロアブル
酸アミド系
ペンチオピラド
呼吸
ジャストミート顆粒水和剤
(混合剤)
酸アミド系
フェンヘキサミド
ステロール生合成
その他(フルジオキソニル剤) フルジオキソニル
シグナル伝達
セイビアーフロアブル20
その他(フルジオキソニル剤) フルジオキソニル
シグナル伝達
ベルクートフロアブル
その他(イミノクタジンアルベ イミノクタジンアルベシル酸塩 接触活性
シル酸塩剤)
フルピカフロアブル
アニリノピリミジン
系
メパニビリム
アミノ酸および系
タンパク質合成
平成 27 年 4 月 8 日現在の登録情報です。使用時には,必ず最新の農薬登録状況を確認して
下さい。
写真元 http://www.naro.affrc.go.jp/org/warc/research_results/h13/yasai/we13389.html
http://gaityuu.com/index.htm