文字P 行間注意 SHIZUOKA HIGASHI MIKAWA 中経連事務局員が、担当するエリアでお聴きした、 各県の最新トピックや地域特有の情報を紹介するコーナーです。 「東三河はひとつ」∼東三河広域連合が本格稼働∼ 2 0 1 5 年1月、愛 知 県 東 三 河 地 域 の8市 町 村( 豊 橋 市 、豊 川 市 、蒲 郡 市 、新 城 市 、田 原 市 、設 楽 町 、東 栄 町 、 豊根村)により構成される 「東三河広域連合」が設立された。 「 成長する広域連合」 を掲げ、総合的な広域連合 を目指す東三河広域連合の取り組みを紹介する。 設立の経緯 事務 にとどまらず、 新たな広域連携事業 や、 県か 愛知県の東部に位置し、奥三河の山々や三河湾に らの権限移譲 の実現に向け積極的に取り組むなど、 注ぐ豊川や渥 美 半 島などの豊かな自然に抱かれ 、 基礎自治体の共同体としては全国に例を見ない、総 約 7 6 万 人が 暮らす東 三 河 。構 成する8市 町 村は、 合的な広域連合への成長を目指している。 豊川上下流地域の絆を礎に、古くから互いに支え合 い、製造業や農業を中心に発展を続けてきた。 しかしながら、少子高齢・人口減少社会の到来によ 多彩な連携が進む東三河 東三河には、地域全体の振興に取り組む多彩な連 る中山間部を中心にした過疎化や、産業空洞化など、 携組織がある。 東三河を取り巻く環境は厳しさを増しており、近い将 東三河県庁:担当副知事の下、県の地域機関が一体 来、単独の市町村では安定した行政サービスの提供 となったネットワーク型の推進体制として、東三河地 が困難となることが想定された。 域の振興に取り組んでいる。 そのため8市町村は、 より効率的で効果的な行政 体制の構築に向けた検討を開始した。 議論に議論を重ねた結果、 「 東三河はひとつ」を合 東 三 河 広 域 経 済 連 合 会:東 三 河の3商 工 会 議 所 、 11 商工会が連携し、ものづくり振興 、 広域観光 、 広域人材育成 をテーマに、様々な取り組みを進め 言葉に、各市町村の個性や特長を活かしながら主体 ている。 的なまちづくりが可能となる 広域連合 の結成に合 東三河懇話会:産学官が連携し、地域の持続可能な 意し、各市町村議会の承認および知事の許可を経 発展を目指した活動を続けている。メイン事業のひと て、今年1月、東三河広域連合が設立され、 4月から つである 東三河産学官交流サロン は、界を越えて 事業が開始されている。 語り合う場として既に開始以来 30 年、360 回を重ね、 連携強化の大きな推進力となっている。 東三河広域連合が目指す「成長する広域連合」 三遠南信地域連携ビジョン推進会議(SENA) : 者医療やゴミ処理などの単一事業を目的としている。 長 野 県 南 信 地 域の行 政・経 済 団 体 等で構 成され 、 全国に100 以上ある広域連合の多くは、後期高齢 東三河広域連合は、当初から実施する 共同処理 県・市町村との役割分担 広域連合の事業 広域的な観光や産業の振興な ど、単独の市町村では実施が困 難である広域的な事業(新たな 広域連携事業) 県の事業のうち、広域連合が行 うことで住民サービスが向上す る事業(県からの権限移譲) 県の事業 市町村の事業 相談窓口の共同利用など、市町 村の事業のうち、広域連合が行 うことで 効 率 が 良くなる事 業 (共同処理事務) 東三河と古くからつながりの深い、静岡県遠州地域、 地域づくり や 産業振興 、 人材育成 等の幅広い 分野で県境を越えた連携強化を目指している。 東三河発展への期待 地域の個性や特長を活かした東三河広域連合の 動きは、まさに、現 在 、国を挙げて取り組みが 進む 地方創生 に通じる。東三河広域連合と他の連携組 織との協働や、 広域連合の成長 を実現させ、地域 の持続的な発展につながることを期待したい。 (静岡・東三河担当 久保田 孝重) 取材協力/東三河広域連合 8 中経連 2015.7 中経連 2015.7 9
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