第33回シクロデキストリンシンポジウム 予稿作成要領 1) A4版用紙2枚にお書き下さい(一般講演の口頭ならびにポスター発表) 。 2) 上下マージン 30 mm、左右マージン 20 mm、フォント 12 ポイント、1 行送りでお書き下さい。 3) フォントは、和文の場合は明朝体(MS明朝または平成明朝)、英文の場合は Times 系 (Times または Times New Roman)をお使い下さい。 4) 題目、所属、発表者(講演者に ○ を付して下さい)、題目および発表者の英語表記、連絡者の E-mail アドレス、英文 Summary (5 行程度) に続いて、本文を記載して下さい。 書式は見本を参照して下さい。 5) 参考文献も出来るだけお書き下さい。 6) 図、表は英文でお書き下さい(最終的な印刷物はモノクロになります)。 7) 原稿の送付先: 原稿はPDF形式に変換し、E-mail で添付文書として下記アドレスまでお送り下さい。 [email protected] (E-mailでの送付が困難な場合は、同アドレスにてお問い合わせ下さい) 8) 予稿原稿〆切は7月11日(月)です。 酸化型 CoQ10-γ シクロデキストリン包接体とビタミン C の併用による還元型 CoQ10 への変換 ( 1 株式会社シクロケムバイオ, ○上梶友記子 1, 2 2 愛媛大学大学院連合農学研究科 ) 1 , 大西麻由 , 中田大介 1, 寺尾啓二 1, 吉井英文 2 Conversion to reduced form of CoQ10 by combination with oxidized form of CoQ10-γ-cyclodextrin complex and vitamin C Yukiko UEKAJI 1, 2, Mayu ONISHI 1, Daisuke NAKATA 1, Keiji TERAO 1 and Hidefumi YOSHII 2 1 CycloChem Bio Co., Ltd. 2 The United Graduate School of Agricultural Sciences, Ehime University (E-mail: [email protected]) Summary: Coenzyme Q10 (CoQ10) has strong antioxidative property in the reduced form in living body. We have already reported the enhancement of the water solubility of oxidized form of CoQ10 in combination with γ-cyclodextrin (γCD) complexation and surfactants which are bile acids like sodium taurocholate. We have also investigated the conversion of oxidized form to reduced form of CoQ10 in complex powder, by using vitamin C as the reductant. In this study, the dissolution of oxidized form of CoQ10-γCD inclusion complex was investigated by using an intestinal fluid containing sodium taurocholate, and the conversion to reduced form of CoQ10 from the solubilized oxidized form with vitamin C was investigated. 1.緒言 コエンザイム Q10 (CoQ10) は生体内において酸化型 CoQ10 (ubiquinone) と還元型 CoQ10 (ubiquinol) として存在し (Fig. 1)、何れの CoQ10 も健康維持のために重要な働きを担ってい る。これまでに、機能性食品素材として幅広く使用されている酸化型 CoQ10 を γ-シクロデキ ストリン (γCD) で包接化することによって、経口吸収性の改善作用等を報告してきた 1)。ま た、酸化型 CoQ10-γCD 包接体と界面活性剤の併用によって、酸化型 CoQ10 の水への溶解性 が飛躍的に向上することを見出している 2)。包接化によって高分散した酸化型 CoQ10-γCD 包 接体に γCD との相互作用が強い界面活性剤を添加することで、疎水性の γCD 空洞内におい て酸化型 CoQ10 と界面活性剤の置換反応が起きると共に、酸化型 CoQ10 がミセルに取り込 まれて溶解したと推察している。そこ で本研究では、酸化型 CoQ10-γCD 包 接体を含有した健康食品の摂取を想定 し、界面活性剤である胆汁酸を含有し た食後人工腸液 (Fed-State Simulated Intestinal Fluid: FeSSIF) を用いて、酸化 型 CoQ10-γCD 包接体の溶出挙動を評 Ubiquinol (CoQ10 reduced form) Ubiquinone (CoQ10 oxidized form) Fig. 1 Chemical structures of ubiquinol and ubiquinone. 価した。また、還元型 CoQ10 も生体内では抗酸化物質として重要な役割を果たすことから、 還元剤であるビタミン C (VC) を添加することによって、胆汁酸とのミセルを形成した酸化 型 CoQ10 から還元型 CoQ10 への変換を検討した。 2.実験 Vertzoni らの手法 3) を参考に、タウロコール酸 Na (15 mM)、レシチン (3.75 mM) を含む FeSSIF (pH 5) を調製した。 バイアル瓶に FeSSIF 15 mL を取り、 酸化型 CoQ10-γCD 包接体 150 mg (CoQ10; 30 mg) と VC 0, 150, 300, 600 mg を添加した。浴槽型振とう機 (NTS-4000BH, 東 京理化器械) を用い、37ºC、100 rpm で振とうし、経時的に試料を採取した。0.2 μm PTFE フ ィルターにて濾過し、濾液中の酸化型 CoQ10 と還元型 CoQ10 の濃度を高速液体クロマトグ ラフ (LC-2010, 島津製作所) にて定量した。これより、酸化型と還元型を足した総 CoQ10 に対する還元型 CoQ10 への変換率を算出すると共に、反応速度式から みかけの還元速度定 数; k ubiquinol を算出した。 3.結果と考察 酸化型 CoQ10-γCD 包接体に VC を添加した各試料 では、経時的に還元型 CoQ10 の溶出が認められ、 VC 添加量が多い試料で高い傾向にあった。VC を添 加していない試料では、酸化型 CoQ10 のみの溶出が 確認され、FeSSIF を用いた本試験条件では最大で約 0.45 mg/mL の溶解度を示した。酸化型と還元型を足 した総 CoQ10 濃度は、いずれの試料においてもほぼ 同様の値で推移した。このことから、γCD 包接体か ら酸化型 CoQ10 の状態で溶出し、溶解した酸化型 Fig. 2 Changes of ubiquinol ratio in total CoQ10 by addition of VC in FeSSIF. CoQ10 が VC によって還元型 CoQ10 に変換したと示 VC; 0 mg (○), 150 mg (▲), 300 mg (◇), 600 mg (■). 唆された。総 CoQ10 に対する還元型 CoQ10 への変 換率は VC 添加量に依存して増加し、振とう 20 時間 度には 100 % 近くまで達した (Fig. 2)。また、みかけ の還元速度定数; k ubiquinol は、一次反応速度式で精度 良く近似でき、VC 添加量に対してプロットしたと ころ、強い正の相関が認められた (Fig. 3)。 4.参考文献 1) K. Terao, et al., Nutrition Research, 26, 503-508 (2006). 2) Y. Uekaji, et al., Procedia Engineering, 36, 540-550 (2012). 3) M. Vertzoni, et al., Journal of Pharmacy and Pharmacology, 56, 453-462 (2004). Fig. 3 Apparent reduction rate constant; k ubiquinol of ubiquinol from ubiquinone/γ-CD inclusion complex by addition of VC in FeSSIF.
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