『ジョーカー・ゲーム』 柳 広司/著 913.6/ヤ 角川書店 陸軍内に設立されたスパイ養成学校“D 機関” 。 これを率いる「魔王」結城中佐は、魔術師の如き手さばきで諜 報戦の成果を挙げ、陸軍内の敵をも出し抜いてゆく-。 スタイリッシュな、スパイ・ミステリー。 『虐殺器官』 伊藤 計劃/著 913.6/イ 早川書房 9・11 以降、後進諸国では内戦や民族虐殺が凄まじい勢いで増 加していた-。 その背後でつねに囁かれる謎の米国人ジョン・ポールの存在。 はたしてジョン・ポールの目的とは? そして、大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは? とにかく、カッコイイ!! 「カッコイイ作品が読んでみたい!」という方は、ぜひ 読んでみて下さい。読後動きがスパイっぽくなっているか も…。 また、最近映画化された作品なので、読書と映画で楽し めるのは今がチャンス! 続編も出ているのでそちらもあわせてどうぞ。 衝撃的なタイトル通り、内容も衝撃的で重い。誰も幸せにな んかならないし、作品の中にあるのは人の「死」だけ。 それでも紹介するのは、ヒトの体内に「自滅を望む」器官が 存在したとして、その必要性がどこにあるのか?何のためにあ るのか?と、考えさせられるから。自らの手を汚さずして、他 者を死に至らしめる。その意図は、哀しいほど空しい。 彗星の如く文壇に登場して消えた伊藤計劃の、ゼロ年代を代 表する作品。
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