さよなら原発佐賀連絡会

原子力規制委員会
御中
さよなら原発佐賀連絡会
代表
豊島耕一
原発再稼働の手続きを中止し
福島原発事故の収束に全ての資源と努力を振り向けるよう求めます
福島第一原発の事故により12万人とも言われる多くの福島県民が今なお避難を余
儀なくされています.福島県を中心に子どもの甲状腺ガンや異常がかつてない頻度
で発見されていますが,原発事故の影響を疑わないわけにはいきません.
東日本大震災の日に発せられた福島第一原発の「原子力緊急事態宣言」は現在も発
令中であり,放射能は現在も大気と海に放出され続けています.1号機,2号機と
も,原子炉の炉心がほとんど原子炉内に残っていないことが,東電と名大によるミ
ュー中間子による透視で判明しています.膨大な放射性物質の所在がつかめないと
いう重大事態であり,しかもそれは未反応の核燃料をも大量に含むため,もし地下
水 と の 接 触 な ど 悪 条 件 が 重 な れ ば 再 臨 界( 核 分 裂 の 再 開 )を 起 こ す 恐 れ も あ り ま す .
これはわが国だけでなく,人類が経験したことのない事態であり,その収束作業が
一企業の手に負えるものでないことは明らかです.しかし貴委員会はこれを今なお
東電任せにしているのではありませんか.
原 子 力 規 制 委 員 会 設 置 法 は ,貴 委 員 会 の 目 的 と し て ,
「 国 民 の 生 命 ,健 康 及 び 財 産 の
保護,環境の保全」を掲げています.これらの全てが福島県とその周辺を中心に現
在深刻な危険にさらされているなかで,貴委員会はこの対策にどれほどの資源を振
り向け,知力と努力を注いでおられるのでしょうか.電力会社が申請する原発再稼
働の審査という膨大な作業に手を割く余裕があるとは思えません.法律が掲げる委
員会の目的に忠実に,目の前に存在する危機に最優先で取り組んでいただくようお
願いします.
組織を正しい方向に導く重要な要素は良心です.しかし組織というものには良心は
存在しません.良心が存在するのは個人の中だけです.つまり責任は個人が負わな
ければなりません.規制委員会メンバーのお一人お一人はもちろん,実務に当たら
れる規制庁の職員の皆様におかれましても,個人としての責任を自覚され,喫緊の
事 態 に 対 し て 委 員 会 が そ の 目 的 に 適 っ た 活 動 を さ れ る よ う ,ご 尽 力 を お 願 い し ま す .
2015 年 5 月 25 日